トラサンペ
アイヌに伝わる妖怪。名前は【湖の化物】や【湖の苔の心臓】を意味する、所謂「マリモ」の事である。昔、湖に「ベカンベ(名前は「水中に浮かぶ者」や「浮かんでいた者」を意味し、浮き藻の事だとも、菱の事だとも言われている)」がおり、湖の神に自分の仲間を増やしたいと願った。しかし湖の神は、お前が増えると湖が見苦しくなり、また人間達が増えたお前を採りに来る様になり、その為、湖が荒れるから駄目だと断った。怒ったベカンベは湖に藻を投げ入れ(湖の中に、周囲の草をちぎって丸めたものを投げ入れた、とも言われている)、これがトラサンペ、つまりマリモになった。そのため、アイヌの人々は湖の神に逆らうものである「マリモ」を「トラサンペ(湖の底にいる化け物)」と呼び、大切にしなかったという。湿地にもトラサンペと似た魔物がいて、これは「ニタッラサンペ」という。また、萱野茂著「萱野茂のアイヌ語辞典」によれば、トラサンペは「イワラサンペ」という妖怪と対になる存在と考えられていたという。
出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳
神魔精妖名辞典
ピクシブ百科事典
日本怪異妖怪事典 北海道(笠間書院)
作者ひとこと:
トラサンペのデザインは、マリモ姿の妖怪に描きました。イラストのトラサンペは周囲に水草や菱を絡ませています。

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