波邇夜須毘古神(ハニヤスビコノカミ)<埴安神(ハニヤスノカミ)>
日本神話に登場する、土の神。「古事記(こじき)」では、「火之迦具土神(ヒノカグツチノカミ)」を生んだ「伊邪那美神(イザナミノカミ)」が陰部を火傷し、床に臥せって糞尿をした際、「波邇夜須毘売神(ハニヤスビメノカミ)」とともに誕生した。「日本書紀(にほんしょき)」一書(あるふみ)にも同様の話が載っているが、「埴山姫(ハニヤマビメ。埴山媛)」のみの誕生で、ハニヤスビコ、あるいはハニヤマビコという神は登場しない。また、「伊弉諾尊(イザナキノミコト)」と「伊弉冉尊(イザナミノミコト)」のあいだに生まれた子(「埴安神」)として、普通に誕生するような挿話もある。「和名抄」に、「釈名云、土黄而細密曰埴」とあるように、ハニとは土器や染料に使う、粘土のことをいう。「記伝」には、「字鏡」に泥物をつくるをネヤスとあるのに従い、この神の名義はハニネヤスだとしている。このハニは、埴輪のハニでもある。糞と埴との連想と、埴を火で焼いて土器をつくることとが重なっているのであろう。
出典:
古事記注釈 第一巻(ちくま学芸文庫)
日本書紀 一(岩波文庫)
作者ひとこと:
波邇夜須毘古神のデザインは、体が土で出来ている男神の姿に描きました。手には鍬を持っています。
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