自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2026年6月19日金曜日

「手杵返し」


手杵返し(テギノガエシ)

高知県幡多郡橋上村(現・宿毛市橋上町)や十川村(現・高岡郡四万十町十川)に伝わる。橋上村の楠山では足跡が一つしかないという妖怪とされ、雪の山道などに一本足の足跡を残していくのだという。地元の人は雪の山路に足跡が一つ一つ残っているのを見て怖がるのだという。十川村広瀬では「手杵棒(テギノボー)」と呼び、杵のような形をしていて、夜の川原で錫杖の音をさせながら蜻蛉返りをして歩いてくるのだという。【山の怪異伝承】には幡多郡大奈路村(現・高岡郡四万十町大正大奈路)の話が記されている。大奈路村の徳之助という人が松原の親戚の家に行ったところ、ちょうどその家で子供が生まれたので、産火(出産にまつわる忌み)が一緒になるから泊まっていけと誘われた。しかし徳之助は肝の据わった男だったので、そのまま夜の9時頃に帰路についた。すると途中で後ろからバサバサと音がして、見ると大きな青い目玉が四つほど光っていた。これは山犬が守って送ってくれていると考えた徳之助は「おらを送ってくれるか」と言ってまた歩き始めると、今度は大きな地響きを立てて「手ぎの返し」の化け物が来た。手ぎの返しは頭も足も同じ形の手杵に似た山の魔物で、手杵を立て返すようにぐるぐると回りながら通り、その足跡は一つであると言われていた。徳之助は山犬のお陰で魔物の難を逃れたので、家に帰ってから小豆飯を炊いて団子にして、門口に供えた。すると小豆飯は1時間ほどでなくなっていたのだという。

出典:
怪異・妖怪伝承データベース
瓶詰妖怪
日本妖怪大事典(角川書店)
日本怪異妖怪事典 四国(笠間書院)

作者ひとこと:
手杵返しのデザインは、手杵の様な姿で、その体が長い毛に覆われた、一つ目の魔物に描きました。

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