自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2026年6月29日月曜日

「あはずの火」


あはずの火(アワズノヒ)

岐阜県稲葉郡三里村と市橋村(現・岐阜市)との境、南大門社前(現在の岐阜県美術館や岐阜県図書館のある辺りか?)道路に「あはずの火」という怪火が出たという。昔、神官が人に殺されたので、その亡魂であると地元の人は称しているという。

出典:
日本怪異妖怪事典 中部(笠間書院)

作者ひとこと:
あはずの火のデザインは、妖しく燃え盛る怪火の姿に描きました。

2026年6月26日金曜日

「立繰返」


立繰返(タテクリカエシ)

高知県幡多郡田ノ口村下田ノ口(現・幡多郡黒潮町下田の口)に伝わる。【高知県幡多郡田ノ口村下田ノ口の俗信】によると、大きな手杵のようなものが転倒しながら驀進してくるものだという。これは猪のように方向転換ができないので、もう少しでぶつかるという時に脇に避ければよいのだという。【タテクリカエシ】によると、手杵のような形のものが、向こうからスットンスットンともんどり打ちながらやって来るのだという(スットンスットンと音を立てて現れる、とも言われている)。人間を出会い頭にひっくり返してくるが、猪のようにすぐに方向転換ができない性質なので、こちらがそれと気付いて寸前で身をかわせばよいのだという。

出典:
日本怪異妖怪事典 四国(笠間書院)
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
立繰返のデザインは、目玉がある手杵の姿の妖怪に描きました。

2026年6月24日水曜日

「テギヌガエシ」


テギヌガエシ

愛媛県南宇和郡愛南町の山出地区の話。雪が降ると一本足の「テギヌガエシ」が出るとされ、子供が雪の時に外へ出ると叱られた。センミツというトッポイ人(とぼけた人という意味か)によると、大雪の時に「ポンポン」という音がしたので、見るとテギヌガエシが椿の木の股にテギヌ(手杵のことか)のような頭を入れてしまい、動けなくなっていた。木を伐って助けてあげたら、お礼のつもりか手杵のような頭の太いほうを振り振りしながら歩いていったのだという。高知県の「手杵返し(テギノガエシ)」や徳島県の「手杵(テギネ)」と同類と思われる。ただし原文の末尾には「この部分はトッポ話」と書かれており、センミツが語った話については笑い話や馬鹿話の一種とみるべきだろう。

出典:
日本怪異妖怪事典 四国(笠間書院)

作者ひとこと:
テギヌガエシのデザインは、黒い体の手杵の様な姿の妖怪に描きました。一方の先がそのまま、馬の様な蹄のついた一本足になっています。

2026年6月22日月曜日

「手杵の棒」


手杵の棒(テギノボー)<手杵棒(テギノボー)

高知県幡多郡十川村広瀬に伝わる。手杵の棒は、杵のような姿をしていて、夜の川原で錫杖の音をさせながら蜻蛉返りをして歩いてくるのだという。

出典:
怪異・妖怪伝承データベース
瓶詰妖怪
妖怪邸・妖堂 日記帳
日本妖怪大事典(角川書店)
日本怪異妖怪事典 四国(笠間書院)

作者ひとこと:
手杵の棒のデザインは、錫杖の輪がついた手杵の様な姿の妖怪に描きました。

2026年6月19日金曜日

「手杵返し」


手杵返し(テギノガエシ)

高知県幡多郡橋上村(現・宿毛市橋上町)や十川村(現・高岡郡四万十町十川)に伝わる。橋上村の楠山では足跡が一つしかないという妖怪とされ、雪の山道などに一本足の足跡を残していくのだという。地元の人は雪の山路に足跡が一つ一つ残っているのを見て怖がるのだという。十川村広瀬では「手杵棒(テギノボー)」と呼び、杵のような形をしていて、夜の川原で錫杖の音をさせながら蜻蛉返りをして歩いてくるのだという。【山の怪異伝承】には幡多郡大奈路村(現・高岡郡四万十町大正大奈路)の話が記されている。大奈路村の徳之助という人が松原の親戚の家に行ったところ、ちょうどその家で子供が生まれたので、産火(出産にまつわる忌み)が一緒になるから泊まっていけと誘われた。しかし徳之助は肝の据わった男だったので、そのまま夜の9時頃に帰路についた。すると途中で後ろからバサバサと音がして、見ると大きな青い目玉が四つほど光っていた。これは山犬が守って送ってくれていると考えた徳之助は「おらを送ってくれるか」と言ってまた歩き始めると、今度は大きな地響きを立てて「手ぎの返し」の化け物が来た。手ぎの返しは頭も足も同じ形の手杵に似た山の魔物で、手杵を立て返すようにぐるぐると回りながら通り、その足跡は一つであると言われていた。徳之助は山犬のお陰で魔物の難を逃れたので、家に帰ってから小豆飯を炊いて団子にして、門口に供えた。すると小豆飯は1時間ほどでなくなっていたのだという。

出典:
怪異・妖怪伝承データベース
瓶詰妖怪
日本妖怪大事典(角川書店)
日本怪異妖怪事典 四国(笠間書院)

作者ひとこと:
手杵返しのデザインは、手杵の様な姿で、その体が長い毛に覆われた、一つ目の魔物に描きました。

2026年6月17日水曜日

「よこづち」


よこづち(ヨコヅチ)

徳島県三好市の国見山の話。昔、国見山には「よこづち」というものがいた。よこづちは丸いころころしたもので(まんまるっこい、ころころした蛇の姿をしていた、とも言われている)、人が負い縄(背負子のこと)を背負って仕事をしていると「おんぼしてくれ(背負ってくれ)、おんぼしてくれ」と言いながら足のほうにころころと転がってくる。そういう時は「負い縄の一方が短いから負えない。直してきたら負ってやろう」と言って逃げるのだという。こういうことがあるので、必ず負い縄の片方は五寸(15㎝)ばかり短くしておくのだという。

出典:
日本怪異妖怪事典 四国(笠間書院)
山の怪異大事典(宝島社)

作者ひとこと:
よこづちのデザインは、まんまるっこい、コロコロした蛇の姿に描きました。イラストのよこづちは「おんぼしてくれ、おんぼしてくれ」と騒いでいるイメージです。

2026年6月15日月曜日

「横槌蛇」


横槌蛇(ヨコヅチヘビ)

愛媛県伊予三島市の豊坂(現・四国中央市富郷町豊坂)に伝わる。豊坂の岩原瀬に、かつて「明剣さま」という神社があり、ここのお使いは藁を打つのに使う横槌のような姿の蛇だった。この蛇は人の姿を見ると、必ず上から下に向かって転げてくるのだが、これを見た人も決まって転んでしまう。転んでもすぐに跳ね起きて平気な顔で歩けば、幸せが訪れて金持ちになるが、ぐずぐずしているとだめになって貧乏になるのだという。

出典:
日本怪異妖怪事典 四国(笠間書院)

作者ひとこと:
横槌蛇のデザインは、横槌の様な体の蛇の姿に描きました。

2026年6月12日金曜日

「白鳥徳利」


白鳥徳利(ハクチョウトックリ)

道に白鳥徳利(首のながく造ってある白い徳利、お酒の容器として使われていた)が転がっているので拾おうとすると、コロッと転がって行き、追いかけて手を差し出しても、いつまでも転がっていってしまい、拾い上げることができないという。東京都大田区などにみられ、狐が化かしているなどといわれる。

出典:
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)

作者ひとこと:
白鳥徳利のデザインは、狐の尾が生えている白鳥徳利の姿に描きました。

2026年6月10日水曜日

「打綿狸」


打綿狸(ウチワタダノキ)

香川県仲多度郡多度津町の話。道にザワタが落ちていることがあり、これを拾おうとすると動き出し、最後は空へ上がっていってしまう。これは「打綿狸」なのだという。これが出た堀町には昔、綿打屋が二軒あったのだという(綿打屋が二軒あったという付近に打綿狸が出る、とも言われている)。また「月の七日と日の七ツ、外へ出ぬもの出さぬもの」といい、午後四時頃は「小豆洗い」や「打綿狸」が出たり悪い神さんに取って行かれたりするとされた。打綿とは精製前の綿を叩いてほぐしたのもの、または古い綿を叩いて柔らかく開いたもの。ザワタもこれを指すものと思われる。

出典:
怪異・妖怪伝承データベース
妖怪邸 妖堂 日記帳
日本怪異妖怪事典 四国(笠間書院)

作者ひとこと:
打綿狸のデザインは、手足と狸の尾がある綿の姿の妖怪に描きました。

2026年6月8日月曜日

「ワタコロガシ」


ワタコロガシ

香川県三豊市詫間町に伝わる。夜、綿みたいなものがコロコロと転がってくる。これを「ワタコロガシ」という。これが出たときは、石の地蔵を作ったという。

出典:
怪異・妖怪伝承データベース
神様コレクション

作者ひとこと:
ワタコロガシのデザインは、大きな目と小さな手足がある綿の姿の妖怪に描きました。

2026年6月5日金曜日

「トックリコロガリ」


トックリコロガリ<徳利転がり、徳利廻し、徳利回し>

香川県仲多度郡多度津町の話。「徳利廻し(トックリマワシ)」ともいい、二升徳利を回すような音を立てて転がってくる化け物なのだという。実際に徳利が転がるわけではなく、音だけの怪異のようである、とも言われている。

出典:
怪異・妖怪伝承データベース
妖怪邸・妖堂 日記帳
日本怪異妖怪事典 四国(笠間書院)
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
トックリコロガリのデザインは、顔がある二升徳利の姿の妖怪に描きました。

2026年6月3日水曜日

「シロウズマ」


シロウズマ

香川県綾歌郡綾川町牛川に伝わる。ウッチャゲという松バエに出る。このシロウズマは、白い石の様な姿をしており、畑の隅に積んである藁などをのけると出てくる。棒などで叩こうとすると先へ先へと転がっていき、気が付くと遠い山の中に来てしまっていたという。

出典:
瓶詰妖怪
怪異・妖怪伝承データベース
和漢百魅缶
妖怪邸・妖堂 日記帳

作者ひとこと:
シロウズマのデザインは、周りに藁が付いている、白くて丸い石の姿の妖怪に描きました。

2026年6月1日月曜日

「槌の子狸」


槌の子狸(ツチノコタヌキ)

徳島県美馬郡郡里村(現・美馬市美馬町)に伝わる。郡里村のある塚穴に「槌の子狸」というものが棲んでいた。この狸は夜になると槌の姿になって往来を転がり歩き、通行人の足に纏わりついて「助けてくれ、助けてくれ」と言って離れないのだという。これに困らされた人は多かったが、この他にだいそれた悪戯はしなかったのだという。[阿波の狸の話]によると、足に纏わりついた時に油断していると、足を取られて路上に投げ倒されるのだという。

出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳
日本妖怪大事典(角川書店)
日本怪異妖怪事典 四国(笠間書院)

作者ひとこと:
槌の子狸のデザインは、槌の姿の妖怪に描きました。槌の持ち手部分を狸の尻尾にしてみました。