自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2026年7月31日金曜日

「のづつ」


のづつ(ノヅツ)

高知県の工石山には、「のづつ」と呼ばれる不思議な蛇がいたという。これは岩穴に棲み付いているという胴が太い蛇で、横に転がるようにして移動するのだという。人間がいると追いかけてくるため、地元の人々はのづつが出ると急いで逃げたという。松谷みよ子・著【現代民話考9 木霊・蛇・木の精霊・戦争と木】に載る。「のづつ」は「ノヅチ」が訛った名前だろうか。

出典:
山の怪異大事典(宝島社)

作者ひとこと:
のづつのデザインは、太い胴をした蛇の姿に描きました。太い胴には毛もびっしりと生えています。

2026年7月29日水曜日

「つと蛇」


つと蛇(ツトヘビ)

いわゆる「ツチノコ」に類する呼称の一種である。「ツトッコ」、「槌蛇(ツチヘビ)」などとも言う。「ツチノコ」というのは槌(横槌)に似た形状を指していると思われるが、「ツトヘビ」の場合は藁苞に似た形状を指しているようである。藁苞というのは藁で造られた包装で、納豆を入れる藁容器のイメージが分かりやすいだろうか。呼称としては、古くは【一宵話(ひとよはなし)】の「異人」の項にも【封はツトヘビ、ソウタの類ならん】との記述がある。エピソードは駿河の話であるが、著者の秦鼎(はた かなえ)は美濃出身で尾張藩に仕え、編者の牧墨僊(まき ぼくせん)も尾張藩士である。東海地方では、ある程度馴染みのある名称だったかもしれない。外見の特徴は(個々には様々だが)ツチノコと似ているが、「竜神である」とか「毒がある」など、今日では、あまり印象にない特徴の記録も多い。新城市に伝わる話では、【長さ1~2尺(約30~60㎝)の太いものを目撃した後、寝込んでしまったので寺の人に見てもらうと、それは「ツトヘビ」というもので、竜神だから祀った方がよいと言われ、盛大にお祀りをした。今でも柿平に2匹居るという】【蛇の頭だけになったものが死なずに尾が生えたものだともいう。山や沢にいて強い毒を持ち、噛まれると命はない】、他にも【東門谷へ行く道で、ある男が藁を打つ槌ぐらいの大きさで、丈60㎝ほどのツト蛇(ツトヘビ)を見たという。(愛知県新城市)】や【大倉には太さ5寸・長さ1尺程の大きさのツト蛇(ツトヘビ)がいる。これはゴロンゴロンと転がっていく。昼に見た人は白かったと言い、夜に見た人は青かったという。田代と大ヶ蔵連の境にもいるという。(愛知県豊田市小原町)】や【ツチノコ(ツトヘビ)を見たという人がいる。(愛知県豊田市)】や【つと蛇(ツトヘビ)は太くて短いので、はって進めず横に転がって進む。それを見た者は悪寒に襲われたり、発熱したりした。(愛知県豊田市小原町)】や【薪を切っていたら、上のほうから大きな木が落ちてくる。よく見るとそれは大きなつと蛇(ツトヘビ)だった。(愛知県北設楽郡)】などの話がある。奥三河を中心に、愛知県の各地でこの呼称の記録が残る。

出典:
怪異・妖怪伝承データベース
日本怪異妖怪事典 中部(笠間書院)

作者ひとこと:
つと蛇のデザインは、藁苞の様な体の怪蛇の姿に描きました。

2026年7月27日月曜日

「火走り」


火走り(ヒバシリ)

新潟県南蒲原郡本成寺村(三条市)、大面村(三条市)でいう怪火。汽車の通る時間でもないのに、真夜中の線路を一直線に音もなく走る火(または火の玉)が現れることがあるという。鼬などの悪戯だといわれる。

出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
火走りのイラストは、疾走する大きな怪火というイメージで描きました。

2026年7月24日金曜日

「荒火」


荒火(アレビ)


石川県鳳至郡能都町高倉地区(現・鳳珠郡能登町)に伝わる怪火の一種。昔、海上に青い火が焚かれているように見える時があった。これを「荒火」と呼び、雨が降った晩とか小雨が降る晩に出てくる。その高さは三、四尺(約0.9m~1.2m)ほどで、同じ船に乗っていた三人が同時に見たが、害を加えてくることはなかったという。

出典:
怪異・妖怪伝承データベース
日本怪異妖怪事典 中部(笠間書院)

作者ひとこと:
荒火のイラストは、燃えている怪火の姿に描きました。

2026年7月22日水曜日

「オカンス転がし」


オカンス転がし(オカンスコロガシ)

徳島県美馬市脇町の曽江(曽江名)の話。曽江のある家の奥に伏見(北庄伏見)へ行くための里道があり、そこに一本の榎の大木が生えていた。夏の夜更け、この石だらけの道を「グワラングワラン」と何かを引っ張って走るような賑やかな音が聞こえてくる。近くに住む人々は家の裏で騒がしくされるので寝ることができず、外に出て辺りを眺めても戸を開けた途端に音が止まってしまうという。これは榎の大木に棲み着いている古狸が夜遊びをしているのだろうと考え、鑵子を引きずって走るような音が聞こえるから「オカンス転がし」と言い伝えた。

出典:
日本怪異妖怪事典 四国(笠間書院)

作者ひとこと:
オカンス転がしのイラストは、鑵子に化けた狸というイメージで描きました。

2026年7月20日月曜日

「横槌蛇」


横槌蛇(ヨコヅツヘンビ、ヨコヅチヘビ)

新潟県南蒲原郡などに伝わる。この横槌蛇は、頭から尾までが同じ太さ(頭から胴まで同じ太さである、とも言われている)の蛇で、ピョンピョンと跳ねるという。新潟県三条市では【昔、常新道の堤防に横槌蛇がいて、頭も尾も同じ太さで、ビョンビョンと跳ね動いていたという】とある。新潟県南蒲原郡では【堤防の上に横槌蛇というものがいた。頭も尾も同じ太さで、ぴょんぴょんとはねて動く】とある。

出典:
瓶詰妖怪
怪異・妖怪伝承データベース
妖怪邸・妖堂 日記帳

作者ひとこと:
横槌蛇のデザインは、頭から尾までが同じ太さの怪蛇の姿に描きました。

2026年7月17日金曜日

「かんすころばし」


かんすころばし(カンスコロバシ)

高知県高知市五台山の話。鑵子(かんす・茶釜)に手足がついた化け物で、これが音を立てながら坂を転がってくるという。子供が泣いていたら「かんすころばしが来る」と脅かされたという。

出典:
日本怪異妖怪事典 四国(笠間書院)

作者ひとこと:
かんすころばしのデザインは、鋭くて長い爪を生やした手足を持った鑵子の姿の妖怪に描きました。

2026年7月15日水曜日

「槌子坂」


槌子坂(ツチノコザカ)

石川県金沢市に伝わる。【北国奇談巡杖記】巻之一に記されている。金沢城下の小姓町(現・少将町)に、槌子坂という坂道がある。草が茂り、湧き水が流れ、昼間でも気味悪い所で、小雨の降る夜半などは、人が通るとコロコロと転がってくるものがある。それは搗臼くらいの大きさの横槌であった。真っ黒な姿をしており、彼方此方と転がり回って、消えようとする瞬間に「呵々」と二声ばかり笑って雷鳴のような音を響かせながら光って消えてしまうという。これを見た者は昔から何人もいて、毒気に当たって2、3日は寝込んでしまうという。このため、その地を槌子坂と呼ぶようになり、夜には道を行き交う人も絶えたという。

出典:
日本妖怪大事典(角川書店)
日本怪異妖怪事典 中部(笠間書院)

作者ひとこと:
槌子坂のデザインは、真っ黒な横槌姿の妖怪に描きました。

2026年7月13日月曜日

「かわっぱ」


かわっぱ(カワッパ)

群馬県邑楽郡千代田村(現・千代田町)などに伝わる。盆月に水浴びに行くと「かわっぱ」に捕られて腹の中のもの(内臓)を喰われてしまうといわれていた。神奈川県相模原市緑区では、【河童(カワッパ)に川へ引き込まれた話はたくさんある】という。

出典:
怪異・妖怪伝承データベース
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)

作者ひとこと:
かわっぱのデザインは、口の中に鋭い牙を生やした河童の様な姿に描きました。

2026年7月10日金曜日

「土用坊主」


土用坊主(ドヨウボウズ)

神奈川県津久井郡青根村(現・相模原市緑区)でいう民間神。土用(立春・立夏・立秋・立冬の直前にやってくる期間)になると庭に現れるというもの。土用の間に土を動かすのは土用坊主の頭を引っ搔くことになるので、土いじりや草むしりは忌むという。これは民間信仰でいう「土公神(ドクジン、ドクシン、ドコウシン)」のことのようである。春は竈、夏は門、秋は井戸、冬は庭と、土公神は季節によって移動するものと考えられ、土公神のいる場所の土を動かすと、祟りがあるといわれた。もともとは陰陽道などでいわれたものらしい。

出典:
【妖怪図鑑】新版TYZ
日本妖怪大事典(角川書店)
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)

作者ひとこと:
土用坊主のデザインは、頭の所々から草が生えている、真っ黒い影の様な姿に描きました。

2026年7月8日水曜日

「槌蛇」


槌蛇(ツチヘビ)

岐阜県益田郡下原村福来(現・下呂市金山町福来)に伝わる。国鉄高山本線の益田川第一鉄橋の福来側の岸辺りは断崖が険しく、人道もここで途絶えている。この手前に杉林があり、ここに「槌蛇」が出たという。槌蛇は「ノズチ(野槌)」のことで、頭も尾もない槌のような形の蛇であり、山の高みからコロコロと転がり落ちてきて人を襲うのだという。しかし実際にこの蛇を見たという人はなく、2匹の蛇がもつれ合っている姿を見たのだろうともいわれている。

出典:
日本怪異妖怪事典 中部(笠間書院)

作者ひとこと:
槌蛇のデザインは、寸胴で短い怪蛇の姿に描きました。

2026年7月6日月曜日

「太郎山のヒトツビ」


太郎山のヒトツビ(タロウヤマノヒトツビ)

長野県小県郡真田町(現・上田市真田町)に伝わる。太郎山の中腹には、雨降りや天気の変わり目の夜などには必ずヒノタマが出たという。これを「太郎山のヒトツビ」と呼んだ。

出典:
怪異・妖怪伝承データベース
日本怪異妖怪事典 中部(笠間書院)

作者ひとこと:
太郎山のヒトツビのデザインは、浮遊する火の玉の姿に描きました。

2026年7月3日金曜日

「シンキョーボーズ」


シンキョーボーズ

長野県小県郡武石村に伝わる。現在は団地がある所に、シンキョーヅカという塚があった。この塚の付近にヒノタマが出たが、村人はこれを「シンキョーボーズ」が出たといっていたという。

出典:
日本怪異妖怪事典 中部(笠間書院)

作者ひとこと:
シンキョーボーズのデザインは、火の玉の姿に描きました。

2026年7月1日水曜日

「おちょまの火」


おちょまの火(オチョマノヒ)

岐阜県羽島市竹鼻町の話。竹鼻の東小畑の池の辺りに、夜更けになると「おちょまの火」というものが出る。昔、この地におちょまという女がいて、この池の辺りで殺されてしまった。それ以来、雨の降る夜は必ず火の玉となって池の上に浮かぶのだという。ある時、竹鼻に住むお光という気丈な女が、この火の玉の正体を見極めてやろうと思い立ち、雨の夜に待ち構えていた。するとやはり火の玉が現れ、堤防の木々の間を南に行ったり北に戻ったりを繰り返した。お光が思わず「此方へ来い、此方へ来い」と声をかけて招くと、火の玉は次第に接近してきて、もう2、3間(約4~5m)というところで方向を変え、彼方へと飛び去り消えてしまったという。

出典:
日本怪異妖怪事典 中部(笠間書院)

作者ひとこと:
おちょまの火のデザインは、火の玉の姿に描きました。