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2018年7月31日火曜日

「鵬(ホウ)」



鵬(ホウ)<大鵬、大鳳>

中国に伝わる伝説の鳥。北の果てにある海に棲む、体長数千里にも及ぶ魚「鯤(コン)」が変化して姿を変えた鳥が鵬で、この鳥も背が数千里にも及ぶ巨大な鳥で、鵬は天を覆う雲の様な翼を広げ、荒れ狂う嵐に乗って南の果ての海に向かう。その時には、九万里上空まで飛び上がる。鵬の羽根は10戸以上の家の上を覆い尽くす程で、この巨大な羽や糞が家々を押し潰して壊し、時には人命を奪う事すらある。また、鵬が上空を通過する為に日食が起こる。「西遊記(サイユウキ)」には雲程万里鵬という魔王として登場し、一飛びで九万里を飛ぶ。「封神演義(ホウシンエンギ)」には羽翼仙という仙人として登場した。鵬は熱帯のモンスーンを神格化したものと言われている。

出典:
プロメテウス
Wikipedia

作者ひとこと:
鵬のデザインは伝承通りに、巨大な鳥をイメージして描きました。

2018年7月30日月曜日

「峳峳(ユウユウ)」



峳峳(ユウユウ)<峳々>

古代中国の地理書「山海経(センガイキョウ)」に記されている獣。馬の様な姿をした獣で、頭に四つの角があり、羊の目を持ち、尾は牛で、犬の吠える様な声を出す。この獣が現れると、悪人が蔓延(ハビコ)るようになる。

出典:
神魔精妖名辞典
山海経動物記

作者ひとこと:
峳峳のデザインは、山海経に描かれている姿通りにしました。

2018年7月29日日曜日

「獓𤝱(ゴウエツ)」



獓𤝱(ゴウエツ)<獒𤝱、𢕟𢓨>

古代中国の地理書「山海経(センガイキョウ)」に記されている獣。白い牛の様な姿で、四つの角を持つ。簑(ミノ)をかぶったかの様な荒い毛が生えている。この獣は人間を食べる。

出典:
神魔精妖名辞典
山海経動物記

作者ひとこと:
獓𤝱のデザインは、山海経に描かれている姿通りにしました。

2018年7月28日土曜日

「巴蛇(ハダ)」



巴蛇(ハダ)<黒蛇(コクダ)、黒蟒(コクボウ)>

中国に伝わる蛇の怪物。青い首の黒い蛇で、大きな象を飲み込み、三年かけて象を消化した。巴蛇が消化し終えた後に吐き出す骨は「心腹之疾(シンプクノシツ)」の薬になる。また、蚊の小さいものは、巴蛇の鱗の中に巣をつくる。また、英雄「羿(ゲイ)」に退治された「修蛇(シュウダ)」と同一視される。

付注:
心腹之疾……治療が困難な難病のこと。具体的にどのような症状に薬効があると考えられていたのかは不詳。

出典:
プロメテウス
Wikipedia

作者ひとこと:
巴蛇のデザインは、巨大な蛇の姿で描きました。体から今まで食べてきた象の牙が、浮き出て来ているイメージです。

2018年7月27日金曜日

「萍翳(ヘイエイ)」



萍翳(ヘイエイ)<蓱翳>

中国で信仰される「雨師(ウシ)」という雨を司る神の一柱。萍翳が大声を上げて呼ぶと、たちまち雨が降りしきる。

出典:
和漢百魅缶

作者ひとこと:
萍翳のデザインは、雨の神から雨を呼ぶ竜や蛇をイメージして、人面蛇身姿の神を描きました。

2018年7月26日木曜日

「倒寿(トウジュ)」



倒寿(トウジュ)

古代中国神話を編纂した古書「神異経(シンイキョウ)」に記されている怪物。人面で虎の体、虎の脚を持ち、体長は三尺もあり、その牙は一丈八尺で人間を食べる。戦いがあっても退却をせずに、死ぬ事も躊躇わなかった。人々が網を張って倒寿を捕らえようとしたが、倒寿はずる賢く、その事を前もって知った。

出典:
プロメテウス

作者ひとこと:
倒寿のデザインは伝承通りに、人面虎身の姿に描きました。

2018年7月25日水曜日

「䍺(カン)」



䍺(カン)

古代中国の地理書「山海経(センガイキョウ)」に記されている獣。羊に似ていて、口が無い姿をしている。食べ物を食べなくても活動できる。この獣は死なないし、また殺す事も出来無い。䍺は天地の気を受けて、自然に不死なのである。

出典:
山海経動物記
プロメテウス

作者ひとこと:
䍺のデザインは頭を斬り落とされて、なおかつ上半身と下半身を切り分けられても死なず、また体が合体している様を描いてみました。

2018年7月24日火曜日

「天虞山神(テングサンジン)」



天虞山神(テングサンジン)<南禺山神>

古代中国の地理書「山海経(センガイキョウ)」に記されている神。天虞の山より南禺の山に至るまでの十四山(十三山)を治めている山の神。人面竜身の姿をしている。この神の祠には一匹の白い狗を用いて祈る。神饌(シンセン)には稲を用いた粢(シトギ)を捧げる。

出典:
龍学‐dragonology‐

付注:コトバンクより。
神饌……神への供物として用いられる飲食物の総称。
粢……水に浸した生米をつき砕いて、種々の形に固めた食物。

作者ひとこと:
天虞山神のデザインは、山海経には人面竜身(または蛇身)が結構多いので、天虞山神はキャラクターの様な姿にして他と差別化してみました。

2018年7月23日月曜日

「福星(フクセイ)」



福星(フクセイ)

道教における神。福星、禄星、寿星の三つの星をそれぞれ神格化した三体一組の神「福禄寿」の一柱。福星は、裕福な官服を着た黒髪の姿で、三柱の中心に描かれる。木星の神格化である。また、蝙蝠(コウモリ)の姿で表される事もあり、これは「福」と「蝠」が中国では同音の為である。

出典:
Wikipedia

作者ひとこと:
福星のデザインは、伝承通りの裕福な官服を着た姿で描きました。周りに同音で縁起物とされる蝙蝠が飛び回っています。

2018年7月22日日曜日

「蟇異(マイ)」



蟇異(マイ)

大きな蝦蟇(ガマ)の鳴き声が五月蝿(ウルサ)いからといって殺したところ、色々怪しい事が起こるようになったもの。家の灯りをフッと消したり、寝床をグラグラ揺すったりした。

出典:
和漢百魅缶

作者ひとこと:
蟇異のデザインは、殺されたヒキガエルの幽霊をイメージした姿に描きました。

2018年7月21日土曜日

「共工(キョウコウ)」



共工(キョウコウ)<龔工>

古代中国神話に登場する、天下に害をなした四柱の悪神「四罪(シザイ)」の一柱。姿は人面龍身(或いは人面蛇身)で、朱色の髪を持つ。医薬と農業の神「炎帝神農(エンテイシンノウ)」の一族で、火の神「祝融(シュクユウ)」の子供である。部下に「相柳(ソウリュウ)」や「浮遊(フユウ)」がいる。共工は帝「顓頊(センギョク)」と帝の地位を争い敗れた(祝融と争い敗れたとも)。その際、怒りにまかせて暴れ回り、天を支える柱「不周山」に頭突きを食らわせ破壊した。その為、天は西北に傾き河川は全て東南方向に流れ出した。女神「女媧(ジョカ)」は不周山を補修し、天地が崩れるのを防いだ。また、一説では共工こそ帝で天地を治めていたが治世に失敗し、代わって「伏羲(フッキ)」と女媧が治めたと言われている。帝「舜(シュン)」の時代にも洪水を起こして暴れ、幽州へ追放された。追放された共工の子孫達が北狄になった。洪水の「洪」の字は、共工の名前から取られたとも言われている。この様に共工は悪神として書かれているが、元から悪神なのでは無く、本来は羌人達の最高神であり治水神だった。

出典:
フランボワイヤン・ワールド
Wikipedia

作者ひとこと:
共工のデザインは伝承通りに、人面蛇身の姿に描きました。

2018年7月20日金曜日

「浮遊(フユウ)」



浮遊(フユウ)

中国神話に登場する悪神「共工(キョウコウ)」の部下。浮遊は凶神で、人間の心が透けて見えた。この能力を使って、人間達を蠱惑した。共工に従い、帝「顓頊(センギョク)」、火の神「祝融(シュクユウ)」、女神「女媧(ジョカ)」と戦った。しかし共工は顓頊と戦った時、敗北し浮遊は、この時に淮水(ワイスイ)で自害した。しかし浮遊は赤い熊の姿の怨霊となり、人間に害を成した。この熊が人間の王朝の宮殿内に現れたら、その王政は乱れて崩れ、宮殿の門に現れたら、臣下が反乱を起こす。しかし屏風の前に現れたら、大事は起こらない。

出典:
プロメテウス

作者ひとこと:
浮遊のデザインは、熊の姿の怨霊になったので、熊の頭と上司の共工が竜身の姿なので、部下の浮遊も竜身の姿に描きました。

2018年7月19日木曜日

「文文(ブンブン)」



文文(ブンブン)<文々>

古代中国の地理書「山海経(センガイキョウ)」に記されている獣。蜂の様な姿をした獣で、尾が分かれていて、舌が反り返っている。この獣は良く叫ぶ。

出典:
神魔精妖名辞典
山海経動物記

作者ひとこと:
文文のデザインは、山海経の記述に蜂の様な獣とあるので、虫と獣を合わせた姿に描きました。また、尾が分かれていて、舌が反り返っている記述通りの姿にしました。

2018年7月18日水曜日

「三苗人(サンビョウジン)」



三苗人(サンビョウジン)<三毛(サンモウ)、苗民(ビョウミン)>

中国に伝わる伝説の人種。古代中国では、南方に位置する国「三苗国」に棲んでいる。姿は人間に似て、脇の下に翼が生えている。常に誰かとくっつきながら歩く。肉をよく食べる。彼らの祖先は「論戚誼(ロンセキギ)」と言い「丹朱(タンシュ)」と共に、帝「堯(ギョウ)」に対して反乱を起こしたが、敗北し南方に落ち延びて、建てたのが三苗国である(一説では四凶の混沌、窮奇、饕餮の末裔とも言われる)。また魔人「蚩尤(シユウ)」に従い、帝「黄帝(コウテイ)」と戦争を繰り広げた事もあった。このように三苗人は度々、古代中国王朝に反乱を起こした。黄帝、堯との闘いの後も、帝「舜(シュン)」「禹(ウ)」の時代にも、三苗人は服従していなかった。

出典:
Wikipedia

作者ひとこと:
三苗人のデザインは伝承通りに、脇の下から腕にかけて翼が生えている怪人の姿を描きました。刀を背負い、これから戦争を始めようとしているイメージです。

2018年7月17日火曜日

「飛殭(ヒキョウ)」



飛殭<飞殭、飛僵)>(ヒキョウ、フェイチャン、フェイキョン)

中国に伝わる、長い年月を経て特別な神通力を手に入れた「殭屍(キョウシ)」で、空を飛ぶ。地中に埋葬された死体の中に、千年経っても腐る事無く、生前の様な姿であり続ける事がある。この死体を「伏屍<伏尸>(フクシ)」という。伏屍が大地から精気を吸って動く様になったものを「遊屍(これが殭屍の事)」という。この殭屍が更に年月を経て、特別な神通力を得る様になると、遂には空を飛ぶ様になり、それを「飛殭」という。飛殭は殭屍よりも強い神通力を持つ為、通常の人間ではなかなか太刀打ち出来ない。しかし太陽光に弱いので、朝の光を待てば退治出来る。また飛殭の身体を火で焼いたり雷に撃たれたり、火縄銃でも退治出来る。河北省のある村に現れた飛殭は、近くの山中より飛来し、子供達を攫って食べていた。戸を閉めて子供を隠しても飛殭は攫って行ったが、道士と村人によって最後は火で焼かれて退治された。

出典:
ファンタジィ事典
フランボワイヤン・ワールド

作者ひとこと:
飛殭のデザインは、空を飛ぶ殭屍なので、腕から脇まで皮膜を付けました。長い年月が経っているので、身体つきも怪物の様に変化しつつあるイメージです。

2018年7月16日月曜日

「夜明苔(ヤメイタイ)」



夜明苔(ヤメイタイ)

梁の地から献上された事もある卵くらいの大きさの不思議な苔。水の中に浸けると大きく広がって、蛍火の様に輝く。

出典:
和漢百魅缶

作者ひとこと:
夜明苔のデザインは、卵くらいの大きさの苔だったので、卵形の苔の塊にしてみました。さらに目も足して、キャラクター化して描きました。

2018年7月15日日曜日

「ずんべら坊」と「海座頭」



ずんべら坊

津軽の弘前(現・青森県弘前市)の在(ザイ)に、興兵衛(コウベエ)という喉自慢の男がいた。あるとき、日も暮れかけた近道の山越えで、「思い切れとて五合桝(ゴゴウマス)」投げた、これは一生の別れ桝」とうたいながら、ふらふらと中腹にさしかかった。すると、近くで自分よりもよい喉で同じ歌をうたう者がある。興兵衛はしばらくこれに聞き惚れていたが、いきなり「誰だ」と問いかけると、意外にも耳元で「誰だ」といいざま、ヌッと目の前に現れたのは、鼻もなければ目も口もない、卵にざん切り髪をつけたようなずんべら坊だった。あまりの恐ろしさに「キャッ」と一声叫び、一目散にもときた道を走って隣村の知人を叩き起こし、「今、かくかくしかじかの怪物に出会った」と始終を語った。すると主人は眉をひそめて、「それは変な話じゃ。して、そのずんべら坊の顔はこんな顔だったか」と、いきなりさしつけてくる顔が、前に見たずんべら坊だった。興兵衛はウーンとのけぞったまま気絶してしまったという。

出典:
決定版 日本妖怪大全(講談社)

作者ひとこと:
ずんべらのデザインは、アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』(6期)を参考にしました。元来「のっぺらぼう」の同種として扱われる妖怪ですが、同アニメでは霊形手術を行うという美女として描かれているので、アニメにはない描写ですが仮面を外そうとしている姿にしました。



海座頭(ウミザトウ)

海坊主の仲間で、船を手招きして難破させたり、船を丸ごと呑みこんだりする妖怪である。座頭というからには、海で死んだ盲人の怨霊というようにも考えられるが、これは定かでない。海坊主の目撃談では、民俗学者の早川孝太郎氏が体験したこんな話がある。昭和九年ごろ、調査で鹿児島県の黒島へ行った帰りに、早川氏は不思議なものを見たという。黒島から鹿児島に向かう途中、開聞岳(カイモンダケ)を左手に見たころは、夜の十時から十一時をまわっていた。船尾の甲板に立って白い航路の方を見やると、真っ黒な海上に一人の男の姿が見えた。どうやら溺れているのではなく、泳いでいるらしいと思った。しかし、それにしては泳ぎ方がおかしい。水上にその筋骨隆々の上半身を出して、立ち泳ぎのように直立し、さらに船と同じ速度で同じ間隔を保ちながら、あとをついてくるのである。突然、奇怪な男が「あーあ」と大きな欠伸をした。そのとき、「これは生きた人間ではないな」ということが頭に浮かび、その途端ゾッとしてすぐに船室に逃げ戻ったという。早川氏はこれが何であるかは分からないとしているが、多分、海座頭というのはこんな感じなのだろう。

出典:
決定版 日本妖怪大全(講談社)

作者ひとこと:
海座頭のデザインは、アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』(6期)を参考にしました。周りには柄杓を持った「船幽霊(フナユウレイ)」も描いてみました。

すみません、本日はお休みです。

昨日はワンタさんと一緒に、十和田湖に行きました。田沢湖の辰子姫から依頼があり、恋人の八郎太郎に浮気疑惑があるとのことで、それを確かめに行ってもらいたいという理由でした。八郎太郎の追跡調査をしようとしましたが、さっそくバレてしまい、八郎太郎に辰子姫の事を話すと、辰子姫に信用されていない事に激怒し、八郎太郎は大暴れしました。僕とワンタさんだけでは止められないので、十和田神社に向かい、祀られている南祖坊に止めてもらうようお願いしに行くと、南祖坊は快く承諾し、巨大な九頭の龍に変身し、八郎太郎と戦いました。その結果、八郎太郎の怒りを鎮め、その怒りのエネルギーを花火として打ち上げました。十和田湖に来ていた辰子姫は、その花火を観て感激し、自ら八郎太郎に会いに行こうとしました。しかし、そこで八郎太郎は二人の智恵子から取り合いになっており、その姿を見てしまった辰子姫は激怒し、今度は辰子姫が大暴れしようとした為、ワンタさんと僕はそれを止めにかかりました。なかなか怒りが収まらず、ようやく収まった時には、夜が白々と明けてきました。辰子姫は南祖坊と浮気してやる、と田沢湖に帰って行きました。とっぴんぱらりのぷー。

丸一日、十和田湖にいたので疲れてしまい、今日の「絵の紹介と解説」はお休みします。

by マゴラカ(ワンタ)

十和田湖 1
↑ 十和田神社

十和田湖 4
十和田湖畔の乙女(智恵子)の像

2018年7月14日土曜日

「鯀(コン)」



鯀(コン)

古代中国神話に登場する、天下に害をなした四柱の悪神「四罪」の一柱。帝「顓頊(センギョク)」の子供。父が帝であったが、自らは臣下の身であった。帝「堯(ギョウ)」の治世に黄河の氾濫が止まず、堯は誰かに治水をさせようと考えていた。この時、皆が口を揃えて鯀にやらせるべきだと言った。堯は鯀を用いるべきでは無いと言って渋ったが、それでも臣下たちは鯀より賢い者はいないと言ったので、堯は鯀に治水を任せた。しかし、9年やっても氾濫は収まらず、堯は鯀に代えて「舜(シュン)」を登用した。舜が鯀のした治水を視察すると、鯀は羽山で死んでいた(鯀は許可を得ずに、天帝の所蔵する無限に増える土「息壌」を盗み出して使おうとした為、天帝の命を受けた火神「祝融(シュクユウ)」に殺された)。人々は舜が鯀を殺したのではないかと疑ったので、舜は殺害された鯀の腹から産まれた「禹(ウ)」に事業を引き継がせた。殺された鯀は黄色い熊の姿になった。また一説では、鯀は堯の時代に、反乱を起こした神とも言われる。鯀の子孫たちは東夷になった。鯀のルーツは夏系の部族に崇められた、魚の姿をした洪水神と言われている。

出典:
フランボワイヤン・ワールド
Wikipedia

作者ひとこと:
鯀のデザインは、元々の姿と言われている魚姿の神にしてみました。頭は熊をイメージしています。洪水を治めようとした神なので、漢字の「土」の形をした腕輪をしています。

2018年7月13日金曜日

「白虎(ビャッコ)」



白虎(ビャッコ)

中国の天の四方を司る神獣「四神」の一体で、方角は西、季節は秋を司る。戦いの神でもあり、邪を寄せ付けず、災いを払い、悪を懲らしめる。しかし、凶神とされる事もあり、この時は必ず災い(主に喪服が必要な)が起こり、流血は避けられないと言われる。漢の時代には、白虎は虎が500年生きて変わった神獣で、鎮西の獣となり、仙人は白虎に乗って天を行き来すると言われた。白虎は四神の中で最も高齢であるとも、最も若いともされる。

出典:
プロメテウス
Wikipedia

作者ひとこと:
白虎のデザインは、雲に座っている姿を描きました。尾の数が多いのは、普通の虎が500年を経ると白虎になるそうなので、同じネコ科の猫が猫又になると尾が裂けて2本になる様に、虎も年を経るごとに尾が増えていくと想像してみました。

2018年7月12日木曜日

「八大王(ハチダイオウ)」



八大王(ハチダイオウ)

中国に伝わる鼈(スッポン)の妖怪。借金の形に、鼈漁師から鼈を貰っていた男がある日、漁師から額の白い大きな鼈を貰ったが、その鼈を逃がしてやった。その後、男が黄河の畔まで来た時に、酔っ払いに絡まれて殴られそうになる。男が名乗ったところ、酔っ払いは「命の恩人」だと、男を自分の家へ連れて行った。その家は造りがきらびやかで、貴人の館の様だった。男が酔っ払いに何者か訪ねると、酔っ払いは実は八大王という鼈の妖怪で、西山の仙人から酒宴に招かれ、思わず酔ってしまい、先ほど貴方に不埒を働いてしまったと言った。八大王は男を大いにもてなした。男を帰す時になり、八大王は口の中から僅か一寸余りの小人を吐き出した。そして爪を男の腕に立てた。そして素早く小人をその上に押さえ付け、手を離した時にはもう皮膚の中に入り込み、そこが次第に盛り上がり痼(シコリ)の様になった。男が驚いて聞いても、笑って答えず一言「さあお出でなさい」と言って男を送り出し、八大王は引き返して行った。男が振り返ると館は跡形も無く、ただ一匹の大きな鼈が水に入って行って姿を消した。それ以来、男は目が素晴らしく見える様になり、地下の宝も皆見えた。男は寝室の中から隠金を掘り当て、暮らし向きがすこぶる豊かになった。その内、古い家を売る人がおり、男はその中にどれ程とも知れぬ隠金があるのを見て、大金を出して買い受け其処に住んだ。それから男は、王侯と肩を並べる程の財産家になった。

出典:
PCCM 3rd Ed
Alice in Tokyo

作者ひとこと:
八大王のデザインは、酒の入った徳利と杖を持った仙人の様な鼈を描きました。

2018年7月11日水曜日

「獏(バク)」



獏(バク)

中国や日本に伝わる伝説の生物。鼻はゾウ、目は犀、尾は牛、脚は虎に似た姿をしている。中国では獏の毛皮を座布団や寝具に用いると、疫病や悪気を避ける事が出来る。獏の絵を描いて邪気を払う風習もあり、唐代には屏風に獏が描かれる事もあった。日本では中国の「悪夢を払う」が転じて「悪夢を食べる」動物と解釈されるようになった。室町時代末期には、獏の図や文字は縁起物として用いられた。正月に良い初夢を見る為に、枕の下に宝船の絵を敷く際、悪夢を見ても獏が食べてくれる様にと、宝船の帆に「獏」と書く風習も見られた。江戸時代には箱枕に獏の絵が描かれたり、獏の形をした獏枕が作られる事もあった。また、中国の聖獣「白澤(ハクタク)」と混同される事もある。

出典:
Wikipedia

作者ひとこと:
獏のデザインは、伝承通りに描きました。

2018年7月10日火曜日

「讙頭人(カントウジン)」



讙頭人(カントウジン)

中国に伝わる伝説の人種。古代中国では南方に位置する国「讙頭国」に棲んでいる。讙頭人は人間の姿をしているが、体に羽が生えており、口には鳥の嘴がある。穀物や柳の実を良く食べ、また魚を捕るのがうまい。この讙頭人は丹朱の子孫たちである。

出典:
Wikipedia

作者ひとこと:
讙頭人のデザインは、伝承通りの姿にしました。

2018年7月9日月曜日

「寧野(ネイヤ)」



寧野(ネイヤ)

中国に伝わる古い車のお化け。これを見てしまうと目が傷つけられるが、そんな時は「寧野!」と名前を呼べば、害を受けない。

出典:
和漢百魅缶

作者ひとこと:
寧野のデザインは、古い車のお化けというので、日本の車の妖怪「片輪車(カタワグルマ)」をイメージした、燃え盛る車輪の上に女の妖怪が乗った姿に描きました。目を傷つけるというので、手に抉り取った人間の眼球を持っています。

2018年7月8日日曜日

「丹朱(タンシュ)」



丹朱(タンシュ)

古代中国神話に登場する、天下に害をなした四柱の悪神「四罪(シザイ)」の一柱。帝「堯(ギョウ)」の息子である。脇の下に翼が生えている。「三苗人(サンビョウジン)」と「論戚誼(ロンセキギ)」と組んで、堯に反乱を企てた。しかし、この闘いに敗れた後、丹朱の子孫たちは南方に落ちのび「讙頭国(カントウコク)」を建てたが、この子孫たちが南蛮たちになった。讙頭国の人々は体に羽が生えていて、口には鳥の嘴(クチバシ)がある姿をしている。また、丹朱に天下を治める為の教養などを身に付けさせる為に、堯が作って与えた物が囲碁の始まりであるとする伝説がある。この囲碁は犀(サイ)の角や象牙(ゾウゲ)など、とても贅沢な素材で作られていた。

出典:
Wikipedia

作者ひとこと:
丹朱のデザインは、子孫の讙頭国の人々と同じ、羽が生えていて嘴のある姿に描きました。

2018年7月7日土曜日

「如意真仙(ニョイシンセン)」



如意真仙(ニョイシンセン)

西遊記に登場する妖怪。「牛魔王(ギュウマオウ)」の弟。解陽山(カイヨウサン)の破児洞(ハジドウ)に棲み、飲むと堕胎する水の泉「落胎泉(ラクタイセン)」を独占している。武器は「如意鉤」。女性しか住んでいない国「西梁女人国(サイリョウニョニンコク)」で三蔵法師と猪八戒が、飲んだ者は妊娠する水が流れている小川「子母河(シボガ)」の水を飲んで子を孕んでしまった時、孫悟空は落胎泉の水を貰いに如意真仙を訪ねた。しかし兄の牛魔王の子供の「紅孩児(コウガイジ)」の件で孫悟空たちに恨みを持っていた如意真仙は、落胎泉の水を分けるのを拒否した。孫悟空は仕方なく強行するが、もちろん如意真仙は邪魔をした。孫悟空は沙悟浄に、自分が如意真仙と争っている隙に、落胎泉の水を汲んで貰い、無事に三蔵と八戒に飲ませる事に成功した。

出典:
フランボワイヤン・ワールド
Wikipedia

作者ひとこと:
如意真仙のデザインは、牛魔王の弟なので牛の頭に、泉の近くにいるので爬虫類や龍や魚など、水に関係ある生き物をイメージした身体の姿に描きました。

2018年7月6日金曜日

「人面樹(ニンメンジュ)」



人面樹(ニンメンジュ、ジンメンジュ)

中国の伝承上の木。中国の類書「三才図会(サンサイズエ)」によると、この木は西南千里にある「大食国(ダイシコク)」という国にある。この木は人の首のような花をつけ、問いかけると花はしきりに笑うが、人語を解する事は無く、あまりに笑うと花は萎んで落ちてしまう。日本では江戸時代に、鳥山石燕によって「今昔百鬼拾遺(コンジャクヒャッキシュウイ)」に描かれた。

出典:
Wikipedia

作者ひとこと:
人面樹のデザインは、伝承通りの姿に描きました。しきりに笑うというので、無邪気な赤ちゃんの頭を意識した花にしました。

2018年7月5日木曜日

「角端(カクタン)」



角端(カクタン)<甪端(ロクタン)>

中国神話に登場する霊獣「麒麟(キリン)」の一種である。麒麟にはいくつかの種類があり、黒い麒麟を角端と言う。パンダほどの大きさで、一日に一万八千里を行く事が出来、更に四方の言語に精通している。角端の角を用いて弓を作ったと言う話があり、その弓を「角端弓」と言う。その話では、角端は中国北部の遊牧騎馬民族「鮮卑(センピ)」の暮らす土地に生息している。

出典:
プロメテウス
Wikipedia

作者ひとこと:
角端のデザインは、狼や犬などを意識した姿に描きました。

2018年7月4日水曜日

「聳孤(ショウコ)」



聳孤(ショウコ)

中国神話に登場する霊獣「麒麟(キリン)」の一種である。麒麟にはいくつかの種類があり、青い麒麟を聳孤と言う。

出典:
Wikipedia

作者ひとこと:
聳孤のデザインは、青い麒麟なので、青から水を連想し、魚を意識した姿に描きました。

2018年7月3日火曜日

「南極老人(ナンキョクロウジン)」



南極老人(ナンキョクロウジン)

南極の空にあって人間の寿命を司る星「南極老人星」を神格化した道教の神。寿星ともいう。南極老人星は戦乱の際には隠れ、天下泰平の時にしか姿を見せないとされた星で、歴代の皇帝は秋分の日に都の南で、この星を観測する慣わしがあったり、「寿星壇」を作ってこの星を祀ったりした。民衆もこの星に幸福と長生を祈った。南極老人は不自然に長い禿げ頭で、優しそうな微笑を浮かべ「蟠龍丈」という杖を持ち、白鹿に乗った姿をしている。蟠龍丈には霊芝や仙人になれる草がぶら下がっている。南極老人星は、宋代以降に南極老人として神格化され、南極老人は長寿と幸福を司る神である。また、この神は大酒飲みである。1063年、奇妙な老人が北宋の首都・開封に現れたので、皇帝「仁宗」が宮殿に招いた。老人は出された酒を七樽も平然と飲み干し、何処ともなく立ち去った。その翌日、天文台長官が「昨夜寿星が帝座(皇帝の星座)近くで見えなくなった」と報告した。つまり、あの老人こそ南極老人だったのだ。日本では七福神の「福禄寿」と「寿老人」のモデルだとも、同一だともされる。

出典:
フランボワイヤン・ワールド
Wikipedia

作者ひとこと:
南極老人のデザインは、日本では福禄寿や寿老人と同一だともされるので、寿老人に近い姿で描きました。

2018年7月2日月曜日

すみません、本日はお休みです。


↑ 剣樹

今日は地獄にある「剣樹(ケンジュ)」の葉の刃を研いだり、錆びてボロボロになった古い葉を取ったりする、手入れのボランティアに参加しました。危うく剣樹の葉に刺さりそうになりながらも、一日作業していたため、今日の「絵の紹介と解説」の更新はお休みします。

by マゴラカ(ワンタ)

2018年7月1日日曜日

「䍶䍶(トウトウ)」



䍶䍶(トウトウ)

古代中国の地理書「山海経(センガイキョウ)」に記されている獣。羊のような姿で一本角。後頭部に目が一つだけある。自分の名で(「トウトウ」と)鳴く。

出典:
神魔精妖名辞典
山海経動物記

作者ひとこと:
䍶䍶のデザインは、伝承通りの姿に描きました。