亥の子(イノコ)
亥の子は、日本で信仰されている民俗的な田の神である。猪が一度に12匹の子供を生むといわれているところから、多産の神として、さらに農業と結びついて豊穣の神として祀られるようになったらしい。日本では、秋(旧暦10月)の亥の日に、亥の子祭りが行われる。これは、農業神の亥の子が田んぼから離れて山へ帰る儀式である。この儀式は、平安時代にその始まりが見受けられる古いものである。「蜻蛉日記」(藤原道綱母作)にも「当帝(円融天皇)の御五十日にゐのこのかたをつくりたりけるに」とある。また、一部地域では、春に亥の子祭りが行われるところもある。こちらは、山の亥の子が降りてきて、田んぼに住居を移すことを表している。
出典:
東洋神名事典(新紀元社)
作者ひとこと:
亥の子のデザインは、首に注連縄を付けている瓜坊の姿の神に描きました。
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