自己紹介

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(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2021年6月17日木曜日

「保食神」


保食神(ウケモチノカミ)

日本神話に登場する神。保食神は「古事記」には登場せず、「日本書紀」の神産みの段の第十一の一書にのみ登場する。この保食神は、神話での記述内容から女神であると考えられる。神話によると、高天原を統べる主宰神で、太陽の女神である「天照大御神(アマテラスオオミカミ)」は、弟神で月の神である「月夜見尊(ツクヨミノミコト)」に、葦原中国にいる保食神という神を見てくるよう命じた。月夜見尊が保食神の所へ行くと、保食神は、陸を向いて口から米飯を吐き出し、海を向いて口から魚を吐き出し、山を向いて口から獣を吐き出した。そして、それらを並べて月夜見尊をもてなした。だが、月夜見尊は「汚らわしく、卑しい。どうして口から吐き出したものを私に食べさせようとするのか」と怒り、剣を抜いて保食神を斬り殺してしまった。そして月夜見尊は天に帰って、天照大御神に詳細に報告した。それを聞いた天照大御神は激しく怒って、月夜見尊に向かって「汝は悪しき神だ。もう会わない」と言った。こうして、今まで共に天にあった天照大御神と月夜見尊は離れて暮らすようになり、それで太陽と月は昼と夜とに別れて出るようになったのである。天照大御神が保食神の所に「天熊人(アメノクマヒト)」を遣すと、保食神は死んでいた。その保食神の屍体の頭から牛馬、額から粟、眉から蚕、目から稗、腹から稲、陰部から麦・大豆・小豆が生まれた。天熊人がこれらを全て持ち帰ると、天照大御神は喜び、民が生きてゆくために必要な食物だとして、これらを田畑の種とした。この月夜見尊と保食神の神話と同様の神話が古事記では、「素戔嗚尊(スサノオノミコト)」と「大気津比売神(オオゲツヒメノカミ)」の神話となっている。よって保食神は、この大気津比売神と同一神とされる事もある。また保食神は、同じ食物神である「宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)」とも同一視され、宇迦之御魂神に代わって稲荷神社に祀られている事もある。保食神の神名の「ウケ」は、宇迦之御魂神の神名の「ウカ」と同源で、「食物」の意味である。また保食神は、食物神というだけでなく、「頭から牛馬が生まれた」という事から、牛や馬の神ともされる。東日本に多い駒形神社では、馬の神として保食神が祀られており、更に「頭から馬」という事で「馬頭観音(バトウカンノン)」とも同一視されている。

出典:
Wikipedia
図解日本神話(新紀元社)

作者ひとこと:
保食神のデザインは、馬の様な頭を持った女神の姿に描きました。

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