イテユン
主にロシアのシベリア北東端のチュクチ半島に住んでいる民族である、チュクチ族(チュクチ人)に伝わる精霊の一種。イテユンは、「ノタスカ・カラト(ノタスカ・ヴァイルギト)」と呼ばれる精霊達の内の一種である。このノタスカ・カラトは、荒野に棲む「ケレト(人間を害する精霊達)」で、一人旅をしている人間に襲い掛かる。ノタスカ・カラトは、黒く恐ろしい顔と黒い歯という姿で描写されるが、体が描かれる事はない。何故ならノタスカ・カラト達は頭だけを現すからだという。多くのノタスカ・カラト達は特定の名前を持っているわけではないが、数は多く、それぞれ、どれも違う顔をしている。夢や幻覚のなかでは、このノタスカ・カラトは黒い存在の集合の様な形で現れ、シャーマンに従うときも集団で動くという。ノタスカ・カラトの大きさは様々で、人間の指より小さくて、人間の体内に入り込んで膿瘍や腫瘍を起こすものもいる、というものである。イテユンは、癇癪の精霊で、ゆがんだ顔をしている。
出典:
幻想動物の事典
作者ひとこと:
イテユンのデザインは、頭だけの精霊で、真っ黒い顔と逆立った髪の毛を持った姿に描きました。
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