イリン・アイ・トヨン
シベリアに居住するヤクート人(ヤクート族)における至高神。イリン・アイ・トヨンという名前の意味は「白い創造主」という。世界の臍に、イリン・アイ・トヨンの家畜留めの杭がある。その杭は世界樹であり、枝は天の七層に届き、根は地下の深淵で大地の霊の家の柱となっている。世界の初めの頃、イリン・アイ・トヨンが原初の海を歩いていた時、袋が浮かんでいるのを見つけた。イリン・アイ・トヨンが袋に問うと、袋は、海底の地面の住人である悪霊だと答えた。そこでイリン・アイ・トヨンは「もし海底に大地があるなら、その一片を私のところに持ってきなさい」と悪霊に命じた。すると悪霊は袋から飛び出し、海底から土を一塊持ってきた。イリン・アイ・トヨンは、その一塊の土を祝福し、海面に置いて、イリン・アイ・トヨンはその上に座った。悪霊は地面を引き伸ばして薄くし、イリン・アイ・トヨンを溺れさせようとしたが、大地は引き伸ばせば、それだけ大きく、しかも強固になっていった。こうして、現在の大陸が生まれたのだという。イリン・アイ・トヨンは、「ウル・トヨン」とも呼ばれているが、その場合、ウル・トヨン(イリン・アイ・トヨン)は、地下世界に住む邪悪な「アバアシ達(悪神達)」を統べている、とされている。
出典:
神魔精妖名辞典
神様コレクション
東洋神名事典(新紀元社)
作者ひとこと:
イリン・アイ・トヨンのデザインは、4つの目を持った神の姿に描きました。手には悪霊が入っている袋を持っています。
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