冬休みに入ります。「絵の紹介と解説」の更新は、2週間後の2025年1月6日(月)から再開します。
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2024年12月23日月曜日
2024年12月20日金曜日
2024年12月18日水曜日
2024年12月16日月曜日
2024年12月13日金曜日
2024年12月11日水曜日
2024年12月9日月曜日
2024年12月6日金曜日
「赤手こ」
赤手こ(アカテコ)
青森県の八戸に出たという妖怪。ある小学校前の古い皀莢樹(さいかち)には「アカテコ」といって、赤い小児の手のようなものが下がっていたという。樹の根元にはかつて若宮神社という小さな祠があり、ここに立つ十七、八の振袖姿の娘を見ると熱病に罹るといわれた。娘とアカテコとの関連は不明。(佐々木喜善「遠野のザシキワラシとオシラサマ」) 佐藤清明「現行全国妖怪辞典」では「アガテコ」の表記で「赤足に對するもの」と説明があるが、その赤足とは香川県の妖怪である。伝承上の関連ではなく、単に外見が手・足で対になるというだけの記述か。
出典:
日本怪異妖怪事典 東北(笠間書院)
作者ひとこと:
赤手このデザインは、逆さまになってサイカチの樹からぶら下がっているというイメージで、小児の手の様な姿の妖怪を描きました。
2024年12月4日水曜日
2024年12月2日月曜日
「泣息屋敷」
泣息屋敷(ナキヤミヤシキ)
宮城県亘理郡亘理町逢隈にあったという屋敷の名。長健寺という寺の門前で、夜になると「おぶさったい」と泣き声がした。ある磊落な主人がおぶって家に連れて帰ってみると夜泣きは止み、下ろしてみるとそれは黄金であったという。
出典:
日本怪異妖怪事典 東北(笠間書院)
作者ひとこと:
泣息屋敷のデザインは、「おぶさったい」と涙を流して泣いている黄金の精霊というイメージで描いてみました。
2024年11月29日金曜日
2024年11月27日水曜日
2024年11月25日月曜日
2024年11月22日金曜日
2024年11月20日水曜日
2024年11月18日月曜日
2024年11月15日金曜日
「ぎゅわん坂」
ぎゅわん坂(ギュワンザカ)
埼玉県日高市高萩に伝わる怪異。ぎゅわん坂と呼ばれる坂は、かつて鬱蒼と樹木が茂る七曲りの急坂だったという。後醍醐天皇の時代、高萩弥勒寺には討幕の企てに参加する行安という僧がいた。やがて謀は外に洩れてしまい、彼らはことを成し遂げる前に山中で討死してしまった。それからというもの、この山道には行安の亡霊が出ては道行く人々を散々に恐れさせるようになった。そこで村人たちは塚を建てて行安の霊を祭り、山を行安山と名付けたという。このようなことがあったため、後の時代も子供が泣いたときに「ぎゅわんへ連れていくぞ」と脅かすと、ふっと泣きやんだものだといわれている。
出典:
【妖怪図鑑】新版TYZ
作者ひとこと:
ぎゅわん坂のデザインは、ニューッと山道から立ち現れた僧の亡霊というイメージで描いてみました。
2024年11月13日水曜日
「擂木鳥」
擂木鳥(レンギドリ)
擂粉木に羽根や目が生えて鳥のようになったもの。「擂木に羽根(ありえないこと、といった意味)」といった画題で、鳥羽絵に描かれていたものが広く描かれるようになったもので、江戸では「豆絵(まめえ。画面を細かく区切ってたくさんの絵が描きこまれている形式のおもちゃ絵)」などにこのかたちの妖怪も描かれていることが多い。熊本県などでいわれる「木心坊(キシンボウ)」という妖怪は、椿の木でできた擂粉木が化けるとされることから、平成以後この擂木鳥の画像が結びつけられて絵に描かれることも多いが、もともとの要素が異なる存在同士(擂粉木の伝承に擂粉木の画像)を当てはめあっただけに過ぎず、直接の関係性は全くない。
出典:
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)
作者ひとこと:
擂木鳥のデザインは、羽根が生え、目がある擂り粉木姿の妖怪に描きました。
2024年11月11日月曜日
2024年11月8日金曜日
「一つ眼」
一つ眼(ヒトツマナグ、ヒトツマナク)
事八日(2月8日や12月8日)の日に家々にやって来るとされる一つ目の妖怪。茨城県などで呼ばれている。茨城県桜川市真壁町では、【2月8日は「笹神様」を祀る。12月8日にもする。この日はヒトツマナクが来る日でもある。鬼が来るという人もいる。竿の先に目の多いものをかけてたてておくと、ヒトツマナクは自分より目の多いものがあるので驚いて逃げていく】と言われている。
出典:
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)
怪異・妖怪伝承データベース
作者ひとこと:
一つ眼のデザインは、手に筆と巻物を持った、一つ目の魔物の姿に描きました。
2024年11月6日水曜日
「一つ眼」
一つ眼(ヒトツマナコ)
事八日(12月8日)の日に家々にやって来るとされる一つ目の妖怪。「ひとつまなこがやって来るので早く戸締まりしろ」などといわれていた。東京都などで呼ばれる。東京都多摩市などでは、茱萸(グミ)の木を前日の夜から焼いて、そのにおいで追い払ったりしたとされる。神奈川県津久井郡津久井町(現・相模原市)では、悪病が流行るのはヒトツマナコがそれを持ち込むからだと言い、12月8日にはカヤの木を燃やし、目籠にカヤの木を入れて柱につるしておいた、と言う。神奈川県相模原市では、12月8日と2月8日を「シラスヨーカ」と言い、仕事をせず物忌をする。軒には注連縄を張り、メカイ籠などを柱に下げ、宵には臭気のある木を「ヒジロ(囲炉裏)」で燃す。こうすると、ヒトツマナコ(ヒトツメコゾウ、ヒトツコゾウ、ヤクジン)が、病を仰せ付けに帳面をもって門口に来たとき、臭気と目の多さに負けて帰るという。屋外に着物や履物を放置しておくと、彼らが病の印をつけるので、それを用いた人は病むという。群馬県吾妻郡中之条町では、「十二さま」は1年に12人の子を産む女の神というが、この神はヒトツマナコという旧11月30日と2月末日に村へ訪れる異形の神とも同じだといわれる。この神が来る日は門口に「サマンジュウ」を供えるが、これはヒトツマナコの殃害を許してもらう為だという。
出典:
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)
怪異・妖怪伝承データベース
作者ひとこと:
一つ眼のデザインは、手に筆と帳面を持った、一つ目の魔神の様な姿に描きました。
2024年11月4日月曜日
「送り鼬」
送り鼬(オクリイタチ)
静岡県伊豆半島北部、埼玉県戸田市などでいう妖怪。道を歩いていると鼬が背後をつけて歩いて来るというもの。こちらが止まると向こうも止まり、歩き出すと向こうも歩き出して、ずっとついて来るという。伊豆半島北部では、夜に道を歩いていると、人の後ろを付いてくる。草履を投げてやると、付いてくるのを止めるのだという。埼玉県戸田市では、竹藪の脇などを通ったとき、ガサガサと音をたて、人が立ち止まると音は止む。歩きはじめると、またガサガサと音をたてる。これに出会うと身体がゾーッとしてくるという。気が弱い人なら引っ張り込もうとしてついてくるものだといわれている。群馬県邑楽町では、鼬に後をつけられていると「あたまが、ざざあとしてくる」、埼玉県戸田市では「体がゾーッ、ゾーッと変な感じになって来る」などともいわれており、こころの状態にも影響を及ぼして来る描写に共通性がみられる。
出典:
日本妖怪大事典(角川書店)
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)
日本怪異妖怪事典 中部(笠間書院)
作者ひとこと:
送り鼬のデザインは、鼬の姿の妖怪に描きました。
2024年11月1日金曜日
2024年10月30日水曜日
2024年10月28日月曜日
2024年10月25日金曜日
2024年10月23日水曜日
「ゴウヘ」
ゴウヘ(ごうへ)
「ごうへどり」「ごうへいどり」とも。栃木県栃木市などに伝わる。子どもに対し「あばさけるとゴーへが来る」と言ったりして大人がおどかしたりした(「栃木市岩舟の世間話」)。「あばさける」というのは「ふざける」などといった意味合い。「ごうへ」は、ことばとしては木菟や梟・雉・鷺などの鳥の鳴き声を示すものであり、「ゴーへーゴーへー、テレスケデーコ、ブッツァクド」(「栃木市岩舟の世間話」)、「ゴウヘイー、ゴウヘイー、テレスケダイコ、ブッツァイタ」(「古河の昔話と伝説」)などと表現される。鳥の声の聞きなしをもととしている言い伝えの例のひとつである。
出典:
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)
作者ひとこと:
ゴウヘのデザインは、子供のもとに現れる鳥の怪物というイメージで描いてみました。
2024年10月21日月曜日
2024年10月18日金曜日
2024年10月16日水曜日
「オクポ」
オクポ(おくぽ)
埼玉県日高市などでいわれる。このオクポは、暗い大木に寝泊まりしていて、暮れ方になると鳴くという。子供が泣き止まなかったりすると「オクポが来る」といって大人たちはおどかしていた。また、「オクポが聖天院で鳴くと人が死ぬ」とか「オクポが向山で鳴くと晴れになり、いいことがある」ともいわれていた。「おくぽ」というのは木菟(ミミズク)などの鳴き声を示すことばで、「オークポオークポ」などと用いられている。
出典:
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)
【妖怪図鑑】新版TYZ
作者ひとこと:
オクポのデザインは、頭に角や耳を生やしている、木菟や梟の様な姿の怪鳥に描きました。
2024年10月14日月曜日
2024年10月11日金曜日
2024年10月9日水曜日
「地蔵ヶ淵のとね坊」
地蔵ヶ淵のとね坊(ジゾウガフチノトネボウ)
神奈川県茅ヶ崎市に伝わる。地蔵ヶ淵にいたという大きな鰻。大きな鰻を釣り上げた男が、早速家に持ち帰ってぶつ切りに刻み、鍋で煮てみたところ、裏口から「地蔵ヶ淵のとね坊ヤーイ」という声が聴こえて来た。すると鍋の中の鰻が「オーイ」と返事をし、ぶつ切りにされる前のすがたに戻って家の外へ出て行ったという(「茅ヶ崎市史」三 考古・民俗編)。「とね坊」という名前は出て来ないが、ぶつ切りにされた身が再び寄り合ってもとに戻り、出て行ったという地蔵ヶ淵の鰻のはなしは、神奈川県藤沢市でも語られており、そちらでは耳の大きな鰻(「藤沢の民話」三)と語られている。【耳の大きな鰻(耳の生えた鰻)】は大鰻の特徴としてよく語られている要素でもある。
出典:
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)
作者ひとこと:
地蔵ヶ淵のとね坊のデザインは、大きな鰻の姿に描きました。イラストの地蔵ヶ淵のとね坊には、説明文に出て来る、地蔵ヶ淵の耳の大きな鰻の要素も入れて、耳がある大鰻の姿にしてみました。
2024年10月7日月曜日
「テンマル」
テンマル(てんまる)
テンマルは、貂などのことで、死者の墓を掘り起こし、食べてしまう魔物だとされる。群馬県などにみられ、これを防ぐとする習俗が多くみられる。群馬県倉渕村(現・高崎市)では、「てんまる」や「火車(カシャ)」といった魔物を追い返すために、墓に竹で造った「もがり」などと呼ばれる仕掛けを立てておいたという。群馬県甘楽郡秋畑村(現・甘楽町)では、「テンマル」という怪物は、人間の死体を食いにくるもので、これを防ぐために、死体には埋葬した上から目籠をかぶせておくという。埼玉県児玉町(現・本庄市)などでは、「猯(マミ)」のことをこう呼んでいたようで、人を化かしたりすると語られている。
出典:
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)
日本妖怪大事典(角川書店)
作者ひとこと:
テンマルのデザインは、貂の様な姿をした魔獣、魔物に描きました。
2024年10月4日金曜日
2024年10月2日水曜日
「ボーコー」
ボーコー(ぼうこう)
埼玉県戸田市などでいわれる怪鳥、あるいは恐いものの総称。夏のはじめの夕方に、このボーコーの鳴き声を聞くことがあり、子供たちは「ボーコーが鳴くから早く帰ろう」と言い合ったりした。また、子供が夜遅くまで遊んでいたり、起きていたりすると「ボーコーが来る」とか、「ボーコーが来るから早く寝ろ」などと言って大人たちはおどかしていた。「ぼうこう」というのは鳩や郭公の鳴き声を示すことばで、「ボーコー、ボーコー」などと用いられている。
出典:
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)
日本妖怪大事典(角川書店)
作者ひとこと:
ボーコーのデザインは、奇妙な姿の鳥の化け物に描きました。
2024年9月30日月曜日
2024年9月27日金曜日
2024年9月25日水曜日
「盆河童」
盆河童(ボンガッパ)
お盆の時期に出るとされる河童。この時期に泳ぎに行くのは「河童に引かれる」「河童にさらわれる」といわれており、特に戒められていた。埼玉県・茨城県などをはじめ各地でこのようなことはいわれていた。茨城県五霞町では、盆河童はお盆の時季にいる「特に大きいの」(「五霞村の民俗」)を呼んだりもする。埼玉県八潮市大曽根などでは、お盆の「送り火」をするとき提灯を持ってお寺に行くが、そのとき振り向いてはいけないとされる。後ろを向いたりすると「ボンガッパに引っ張られる」(「八潮の民俗資料二」)という。河童にも一年間の成長があって、盂蘭盆や祇園のシーズンには大きくなったりするのだろうか。
出典:日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)
作者ひとこと:
盆河童のデザインは、蛇や蜥蜴の様な尾を持った大きな河童の姿に描きました。
2024年9月23日月曜日
2024年9月20日金曜日
「山颪」
山颪(ヤマオロシ)
江戸時代中期の画家、浮世絵である「鳥山石燕(とりやま せきえん)」の妖怪画集「画図百器徒然袋(がずひゃっきつれづれぶくろ)」に、下ろし金の妖怪として描かれたもので、【豪豬といへる獣あり。山おやじと言ひて、そう身の毛はりめぐらし、此妖怪も名とかたちの似たるゆへにかく言ふならんと、夢心におもひぬ】とある。「和漢三才図会(わかんさんさいずえ)」によれば、「豪豬」とは猪のようで、背中には一尺(約30㎝)ほどの針を生やし、ひとたび怒ると、その針が矢のように飛ぶとあり、豪豬と書いてヤマアラシと読ませている。どうやらこれは齧歯類の動物であるヤマアラシのことのようである。石燕は下ろし金の突起とヤマアラシの棘を掛けて、このような妖怪を描いたものと思われる。
出典:
日本妖怪大事典(角川書店)
作者ひとこと:
山颪のデザインは、頭が下ろし金になっている、鬼か魔獣の様な姿の妖怪に描きました。
2024年9月18日水曜日
「シャコガイタバハナアルキ」
シャコガイタバハナアルキ
ハラルト・シュテュンプケが著したとされる「鼻行類(びこうるい)」の中で紹介されている、奇妙な構造を持つ動物の一種。鼻行類の原産地は、日本軍の捕虜収容所から脱走したスウェーデン人のエイナール・ペテルスン=シェムトクヴィストが発見した、南海のハイアイアイ群島である。クダハナアルキ科のタバハナアルキ属に含まれる2種のうちの一つ。シャコガイタバハナアルキは、群島全域の潮間帯に分布する。幼獣と雄は、干潟の波の静かな場所にたまった泥のなかや、サンゴ塊のすきまにある泥のなかに棲んでいる。他の鼻行類、とくに他の管鼻類にくらべても恒温性の発達がなおきわめて不完全である。この種が酸化的代謝を相当に阻害されてもかなり長時間耐えることができるのは、このことと関連している。実際この小動物は、1日に15分から30分くらいしか波をかぶらない潮間帯上部に棲んでいる。けれども彼らは3時間にわたって大気を遮断されても耐えられる。そのようなときには一種の麻痺状態に陥って、(体にまったく毛がないので)体全体が青白くなり、ふたたび空気を吸うと、ただちにもとの黄色味を帯びた肉色にもどる。性的成熟に達したシャコガイタバハナアルキの雌たちは、満潮時にシャコガイの開いた貝にとりつき、すばやく外套膜と貝殻のあいだにもぐりこむ。まもなくそこには、こぶし大から子どもの頭大の外套瘤ができるが、真珠層を形成するのはその一部だけである。干潮時にこの瘤はシャコガイによって空気を満たされ、鰓室内にヘルニア蓑のように隆起する。寄生者はその口吻で寄主の体液と生殖物質の一部を摂取する。交尾は漂流中の雄によって夜間の満潮時におこなわれる。ごく小さな子が産みおとされるのも、やはり夜間の満潮時でろうと思われる。
出典:
鼻行類(平凡社)
作者ひとこと:
シャコガイタバハナアルキのデザインは、長く伸びた口と鼻を持った動物の姿に描きました。
2024年9月16日月曜日
「シュノーケルタバハナアルキ」
シュノーケルタバハナアルキ
ハラルト・シュテュンプケが著したとされる「鼻行類(びこうるい)」の中で紹介されている、奇妙な構造を持つ動物の一種。鼻行類の原産地は、日本軍の捕虜収容所から脱走したスウェーデン人のエイナール・ペテルスン=シェムトクヴィストが発見した、南海のハイアイアイ群島である。クダハナアルキ科のタバハナアルキ属に含まれる2種のうちの一つ。この種は二、三の小さな湖の泥のなか、および潮間帯上部の流れのゆるやかな川沿いに生息し、おもに貧毛類と昆虫の幼虫を食べている。鼻のように長く伸びた口で食物を探し、すすりこむのである。そのさいタバハナアルキは、ふつうは約30cmの深さで1日に1~2m掘り進む。呼吸はサイフォンのように伸長した鼻を通しておこなわれる。この鼻は40cm、つまり頭胴長の4倍先まで伸ばすことができる。鼻が左右非相称になっている(先端が花型に開いた左の鼻管は空気を吸いこむのに使われ、右の鼻管は呼気をはきだすのに使われる)ため、気道が長くても呼吸用の空気は十分供給される。交尾と繁殖について、正確なことは何もわかっていない。妊娠中の雌と生後まもない幼獣は1年じゅうみることができる。
出典:
鼻行類(平凡社)
作者ひとこと:
シュノーケルタバハナアルキのデザインは、長く伸びた鼻と口を持った動物の姿に描きました。
2024年9月13日金曜日
「キンカイショクミツオハナアルキ」
キンカイショクミツオハナアルキ<金灰色ミツオハナアルキ>
ハラルト・シュテュンプケが著したとされる「鼻行類(びこうるい)」の中で紹介されている、奇妙な構造を持つ動物の一種。鼻行類の原産地は、日本軍の捕虜収容所から脱走したスウェーデン人のエイナール・ペテルスン=シェムトクヴィストが発見した、南海のハイアイアイ群島である。ツツハナアルキ科のミツオハナアルキ属に含まれる19種のうちの一つ。この種はカオリミツオハナアルキとともにミタディーナ島に生息するが、キンカイショクミツオハナアルキはこの島の東半分に、カオリミツオハナアルキは西半分に分布する。これらのミツオハナアルキ属の特徴は、真に固着性の種であるということである。すなわち、彼らは鼻で固着して立ち、ふつうは幼獣期に選んだ付着場所から離れることはない。鼻で立ち、鼻から赤味を帯びた黄色の分泌液を出す。この分泌液は時がたつにつれて、大きな柱状の足状部、すなわち鞍になり、この小動物の体(頭胴長約8cm、尾長11cm)はしだいに高く持ち上げられていくことになる。尾、とりわけ毒爪のある先端に皮膚腺が分布し、果実のような香りのする粘着力の強い分泌物を出す。この匂いにおびき寄せられて尾にとまった昆虫は、そこにくっついてしまい、この動物の前肢ではぎとられて口へ運ばれる。きわめて小さな昆虫が飛んできて付着した場合には、いちいち摘まみとったりせずに、ときどき尾を口でしごいてなめとる。海に近い石ころだらけの斜面にコロニーを作って生息する。このコロニーはふつう小さな陸生のカニと共生しており、カニはこのハナアルキの食べこぼしを食べて暮らし、その糞も片づける。繁殖期になると、雄は薄明時に自分の鞍を捨て、すべりながら、かつ前肢でいざりながら雌に近づく。そして交尾を終えると、ふたたび自分の鞍にもどる。
出典:
鼻行類(平凡社)
作者ひとこと:
キンカイショクミツオハナアルキのデザインは、鼻から出る分泌物で固着し、尾からネバネバした分泌物を出している小動物の姿に描きました。
2024年9月11日水曜日
「ハナススリハナアルキ」
ハナススリハナアルキ
ハラルト・シュテュンプケが著したとされる「鼻行類(びこうるい)」の中で紹介されている、奇妙な構造を持つ動物の一種。鼻行類の原産地は、日本軍の捕虜収容所から脱走したスウェーデン人のエイナール・ペテルスン=シェムトクヴィストが発見した、南海のハイアイアイ群島である。ハナススリハナアルキは、ツツハナアルキ科のハナススリハナアルキ属に分類される。ハナススリハナアルキは、小形のハツカネズミ大の動物であるとのこと。この種族は、ハイダダイフィ島の流れの緩やかな小川の岸辺に生息するとされ、水の上に張り出した植物の茎にしがみつくようにとまっている。餌の捕まえ方が変わっており、長く伸びた鼻から細く長い糸を、鼻水のように水中へ垂らす。粘着力のあるこの糸に、小形の水生動物がくっついたところを、獲物(主として甲殻類や幼虫であるが、稀に小さな魚も含まれる)をある程度釣り上げてから、その極端に長い舌で鼻先から嘗めとる。これらの挙動緩慢で鈍感な小動物は、防衛手段としてよく動く長い尾を備えている。尾の先端には毒腺があり、その毒液は、毛が変形して生じた中空の爪に流れ込むようになっている。たいていは小群をなして暮らしているので、全員が一斉に尾を振り回して身を守ることができるという。
出典:
鼻行類(平凡社)
作者ひとこと:
ハナススリハナアルキのデザインは、長い鼻から鼻水の様な細く長い糸をたらした、小動物の姿に描きました。
2024年9月9日月曜日
「如意自在」
如意自在(ニョイジザイ)
江戸時代中期の画家、浮世絵である「鳥山石燕(とりやま せきえん)」の妖怪画集「画図百器徒然袋(がずひゃっきつれづれぶくろ)」に描かれた妖怪で、【如意は痒(かゆき)ところをかくに、おのれがおもふところにとどきて、心のごとくなるよりの名なれば、かく爪のながきも痒ところへ手のとどきたるばけやうかなと、夢心に思ひぬ】とある。【如意(にょい)】とは仏具の一種で、僧侶が使う孫の手のようなものである。室町時代の「百鬼夜行絵巻」には空を飛ぶ如意の妖怪が描かれているが、石燕はこれをモデルにしているらしい。
出典:
日本妖怪大事典(角川書店)
作者ひとこと:
如意自在のデザインは、三ツ目で、手に鋭い爪を生やした妖怪の姿に描きました。
2024年9月6日金曜日
「狢の提灯」
狢の提灯(ムジナノチョウチン)
狢や狸の悪戯だとされており、夜空にぼんやりと大きな提灯のあかりのようなものが突然浮かんで、人を驚かしたりする。茨城県・千葉県などに伝わる。必ず木の枝に寄り添って出ているので、すぐ「狢の仕業だな」とわかったりもしたという(「子どもの歳時と遊び」)。光が赤い色や黄色をしている(「龍ヶ崎市史民俗調査報告書」一馴柴・八原地区)という特徴は「狐火(キツネビ)」や「狢火(ムジナビ)」に共通する部分であり、「人魂(ヒトダマ)」などとは異なる部分でもある。
出典:
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)
作者ひとこと:
狢の提灯のデザインは、狢が口から怪火を出して、それを空中に上げようとしている姿に描きました。
2024年9月4日水曜日
2024年9月2日月曜日
「大化」
大化(オッカ)
化物尽くしの絵巻に描かれている妖怪の一種。丸みを帯びた体に足が一本ついているという姿は、土佐派の絵師らが描いてきた「百鬼夜行絵巻」にみえる丸く赤い妖怪が元になっているものと思われる。この形の妖怪は複数の作に描かれているが、今のところ「大化」という名がつけられていることが確認できるのは国立歴史民俗博物館蔵「化物絵巻」(作者不詳)のみである。お化けなど恐ろしいものを表す児童語として「おっか」を用いる地域もあり、同系統の絵巻にみられる「うわん」「がごぜ」のような命名との共通点も見出せるが、「大化」という名付けが「化物絵巻」独自のものか否かも現時点では不明である。
出典:
【妖怪図鑑】新版TYZ
作者ひとこと:
大化のデザインは、鳥の脚の様な一本脚を持った妖怪の姿に描きました。
2024年8月30日金曜日
「狢雪洞」
狢雪洞(ムジナノボンボリ)
空に出ている月とは別に、ぼんやりと薄暗い光りの月を出して人を驚かしたりするもので、ムジナの化け種目の一つ。茨城には、これが得意なムジナが多かったようである。茨城県東茨城郡茨城町では、ムジナが提灯をつけたりお月様に化けるのは夏が多い。土手に上がっていると、明るい月があるのに、提灯のようなぼんやりした月がでた。出てから数分でだんだん消えていった。「ムジナノボンボリ」と言われていた、というはなしもある。
出典:
怪異・妖怪伝承データベース
和漢百魅缶
作者ひとこと:
狢雪洞のデザインは、満月に化けている狸の様な獣の姿に描きました。
2024年8月28日水曜日
「千軒の火」
千軒の火(センゲンノヒ)
茨城県神栖市に伝わる。千軒の火は、暴風雨の夜などに砂浜に現われる怪火である。むかし青塚千軒・黒塚千軒というたいへん豊かな長者たちが暮らしていた村があったが、鹿島の神を怒らせたことから一夜のうちにどちらの村も滅んで砂浜になってしまった。あやしい火は黒塚千軒のあったところから飛ぶとされる(「民話のふる里」)。茨城県の海岸部には「千軒」と称される交易などで繁栄した豊かな村のはなしが多数あり、このはなしもそのひとつである。
出典:
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)
作者ひとこと:
千軒の火のデザインは、燃え盛りながら飛ぶ怪火の姿に描きました。