カイナデ<カイナゼ>
日本の京都府に伝わる妖怪。節分の夜に便所に入ると尻を撫でてくる妖怪で、これを避けるには「赤い紙やろうか白い紙やろうか」と唱えると良い。この「赤い紙やろうか白い紙やろうか」という呪文は、便所神の祭りの際に行われた行為の名残を伝えており、便所神の祭りで紙製の人形を供える土地は多く、茨城県真壁郡では青と赤、或いは赤と白の男女の紙人形を便所に供える。つまり、カイナデの怪異に遭遇しない為に「赤い紙やろうか白い紙やろうか」と唱えるのは、この供え物を意味していると思われるのである。本来は便所神に供えるという行為だったのが「赤とか白の紙をやるから、怪しいふるまいをするなよ」というように変化してしまったものと考えられ、カイナデは便所神を祀る風習が次第に妖怪化して生まれたものと思われる。
出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳
日本妖怪大事典(角川書店)
作者ひとこと:
カイナデのデザインは、便から沢山の手が生えている様な姿に描きました。
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