ネアック・ター
カンボジアを中心とするクメール人における土地の精霊、土地の神。ネアック・ターという名前は、クメール語でネアックは「人」の一般的呼称、ターは「祖父」という意味である。大木や大石、蟻塚などの近くにネアック・ターの祠が作られ、その祠の中に自然石や木でネアック・ターの像(しばしば男女一対)が祀られる。ネアック・ターは稲作の祭や雨乞の対象となり、ネアック・ターに水牛の供犠が行われるが、以前は人身供犠が行われていたとも言われる。ネアック・ターは、土地を拓いた祖先、いわば村立ての遠祖を表わすとも考えられ、また、「シヴァ」の象徴「リンガ」が安置される事も多く、ヒンドゥー教との関連も指摘されている。またネアック・ターは、人々を加護する存在として、民間伝承にもしばしば登場する。
出典:
神の文化史事典(白水社)
作者ひとこと:
ネアック・ターのデザインは、槍を持った精霊、または神の姿に描きました。
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