ダイジン
「すずめの戸締まり」に登場する存在。扉が存在する場所に現れては、主人公である岩戸鈴芽(イワトスズメ)たちを翻弄する、人間の言葉を話す白い猫。手のひらサイズの小さな体で、骨張ってげっそりと痩せていた。しかし煮干しを与えただけで、枯れ木のようだった痩せこけた体が、大福のような肉づきになった。黄色い目はビー玉のようで、真っ白な毛並みの中で左目だけが黒い毛で囲まれ、片目だけを殴られて隈取りされたようである。登場直後での感想は、鈴芽いわく、ずいぶんと哀れを誘う顔つきだという。
すずめの椅子(スズメノイス)
「すずめの戸締まり」に登場する存在。黄色いペンキが塗られた、木造りの古い小さな椅子。災いが出てこないよう、開いてしまった扉に鍵をかけて回る「閉じ師」の仕事をしている宗像草太(ムナカタソウタ)が、とある拍子に、岩戸鈴芽が幼少期に使っていた子供用の椅子に憑依(?)してしまった姿。口はないが、会話は可能のようだ。背板には、目に見立てて彫った凹みが二つあり、脚は一本欠けている。ダイジンによる呪いだと考え、白い猫を追いかけるもフェリーで見失い、もとに戻すため椅子の姿のまま、草太は鈴芽とともに、ダイジンが向かったであろう愛媛へ行くこととなった。
出典:
『小説 すずめの戸締まり』新海誠(角川文庫)
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