蟷螂坂(カマキリザカ)
新潟県三島郡片貝町(小千谷市)でいう怪異。昔、人を食うほどの大きな蟷螂(かまきり)が坂にいたが、ある冬の大雪で圧死した。以来、蟷螂の祟りからか、その坂で転ぶと、黒い血の出る鎌傷ができて非常に苦しむという。〔類似〕鎌鼬(かまいたち)。
出典:
『改訂・携帯版 日本妖怪大事典』(角川文庫)
作者ひとこと:
ChatGPTで生成。雪の降り頻るなかを巨大なカマキリが立ち塞がっているシーンをイメージしました。大きさの比較として人間や樹々も描き込み、虫が苦手な人のためにシルエットにしています。
化物坂(バケモノザカ)
秋田県湯沢市稲庭町(いなにわちょう)には、菅江真澄(すがえますみ)が『雪の出羽路』で「さへの神坂を雲深くあるは、小雨そぼる夕ぐれなんど通れば、男は女に逢ひ、女は男に往き会う事あり、又ぬらりひょん、おとろし、野槌(のづち)なんど百鬼夜行することあると、化物坂といふ人あり」と書き記した坂がある。現在でも塞(さい)の神の社(やしろ)はあり、金精(こんせい)さまと山神が祀(まつ)られている。思うに「男が女に逢い、女は男に往き会う」というのは、この人通りの少なそうな場所を利用した逢引(あいびき)のことを指しているのではないか。また、出てくる妖怪が「ぬらりひょん」「おとろし」「野槌」といずれも鳥山石燕(とりやませきえん)『画図百鬼夜行シリーズ』に登場するものなのは、江戸帰りの秋田藩士が肝試しなどした際に広めたのかもしれない。地元の人に聞いてみたが、「化け物坂」などという名前は知らないし、怪談も特にないという。(後半は、参考文献にした『日本怪異妖怪事典 東北』の著者のひとり・戦狐さんによる聞き書き)
出典:
『日本怪異妖怪事典 東北』(笠間書院)
作者ひとこと:
ChatGPTで生成。月明かりのなか、「ぬらりひょん」と「おとろし」が肩を並べ、坂道を歩いているイメージです。化物坂で言及された妖怪のなかでも、拙作『アマテラスの力を継ぐ者』にも登場するのが、この二体だからです。


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