川熊(カワグマ)
秋田県雄物川でいう妖怪。秋田侯の先代で、謚(おくりな)を天英院という殿様が、あるとき雄物川に舟を浮かべ、鉄砲で猟をしていた。すると突然、水底より黒い毛の生えた手が伸びてきて、鉄砲を奪ってしまった。その後、しばらくしてから、水練の達者な者が雄物川でも一番の魔所といわれる洪福寺淵に潜ったところ、一丁の鉄砲を見つけた。佐竹藩に什宝として伝わる「川熊の御筒」がそれだという。また、雄物川の下流の河辺郡川添村椿川(河辺郡内か?)には、川熊の手というものが伝わっていた。ある船頭が雄物川の岸に舟をつないでいたところ、深夜に激しい水音とともに舟べりに両手をかけるものがいたので、驚いて鉈(なた)でその手を切り落とすと、川熊の手が舟に残された。猫の手のようだったという。以上は菅江真澄(すがえますみ)の『月の出羽路(でわじ)』にある話だが、新潟県の信濃川にも同じような怪物の伝承がある。信濃川では、大水が起こるのは河熊が堤を切ってしまうからだといわれ、「あの土手がつぶれたのは、河熊のしわざにちがいない」などといったそうである。
出典:
『改訂・携帯版 日本妖怪大事典』(角川文庫)
作者ひとこと:
ChatGPTで生成。伝承とは異なり、拙作『アマテラスの力を継ぐ者』に出てくる話に合わせ、川熊が奪っていったものを煙管(きせる)に変更しました。
縊鬼(イツキ)<くびれ鬼(クビレオニ)>
幕末の随筆『反古のうらがき』にみえる妖怪。江戸麹町(こうじまち。東京都千代田区)の某組頭の屋敷で酒宴が開かれたとき、よく酒を飲んでは落語を披露する同心が、約束していたのにもかかわらず姿を見せない。やがてその同心はやってきたが、「今日は急用があるので断りにきた。喰違門(くいちがいもん)に人を待たせているからこれにて」といって、去ろうとする。組頭が「御頭衆の寄り合いで約束を破るとは何事か。わけを話せ」というと、男は「首を括(くく)る約束をした」などと言い出す。そこで、とりあえず男に酒を飲ませて落ち着かせると、そこに、喰違門で首吊り自殺があったという報せがあった。組頭は再度、男にわけを尋ねると、男は「夢のようでよく覚えていないが」と前置きし、次のように語った。
夕方に喰違門のところまできたら、誰かにここで首を括れと言われた。拒否できない気持ちになり、今日はお頭のもとに行く約束をしているので、ひとこと断ってからにしたいと言うと、その人は組頭の門のところまでついてきて、早く行ってこいと言った。それで断りにきたのだという。その何者かの命令は絶対に守らなければいけないと思い、まったく疑問は感じなかったと、男は淡々と語った。「今は首を括る気があるか」と訊かれた男は、自分で首を括る真似をして、「あな、おそろしや」と言ったという。
縊鬼は、名前が示すとおりに、首を括らせようとする一種の霊のようなものなのだろう。同心は組頭の機転で命が助かったが、その身代わりとして他の者が首を括ったようである。
出典:
『改訂・携帯版 日本妖怪大事典』(角川文庫)
作者ひとこと:
ChatGPTで生成。『夜窓鬼談』に描かれた縊鬼をベースに、拙作『アマテラスの力を継ぐ者』に登場するシーンのとおり、子ども部屋での男の子との邂逅を描かせました。
猫鬼(ネコオニ)
福島県いわき市好間(よしま)町の一部地域には、古くから鶏鬼(トリオニ)、猫鬼、狐鬼(キツネオニ)、熊鬼(クマオニ)の四種類の角を持った幻獣の言い伝えがあり、その頭蓋骨やミイラなども残されている。数十年前には猫鬼伝説などを調べる猫鬼研究会というグループも地元にあったが、現在ではこうした“鬼”伝説はほとんど忘れ去られている。猫鬼界にはヒエラルキーがあり、上から天鬼(テンキ)、空鬼(クウキ)、幽鬼(ユウキ)、野鬼(ヤキ)の4階層に分類できる。野鬼は角が1本あるほかは普通の猫と変わらず、特別な能力は持っていない。その頭領は「アメノカツブシノミコト」を代々襲名する。幽鬼は2本の角を有し、人語を解して化けることができ、。頭領は「アメノマタタビノミコト」を代々襲名する。空鬼は3本の角を持ち、人語を含めたあらゆる動植物語を解し、化けるのに加えて地水火風を自由に操ることができる。頭領は「アメノシャミネンノミコト」を代々襲名する。天鬼は神のような存在で、通常は姿を現すことがなく、人に危害を加えず、角がないので普通の猫と区別ができない。頭領は「ネコテラスオオミカミ」を代々襲名する。野鬼、幽鬼、空鬼の身分は死ぬまで変わらないが、修行を積むとどの階層からでも天鬼になることが可能で、天鬼に変ずると自然と角が落ちる。猫鬼たちは天鬼になるために日夜修行に励んでいる。
出典:
『日本の幻獣図譜 大江戸不思議生物出現録』(東京美術)
作者ひとこと:
ChatGPTで生成。三本角の生えた空鬼が、風を操って宙に浮いているイメージです。想像していたのとは違い、取ってつけたような角になってしまいましたが、複雑にしすぎても反映されないので、妥協しました。



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