雨宝童子(ウホウドウジ)
雨宝童子は神仏習合の神で、名前は、正しくは「金剛赤精前神雨宝童子(コンゴウセキショウゼンジンウホウドウジ)」という。両部神道では、この雨宝童子は「天照大神(アマテラスオオミカミ)」が日向国に降り立った時の姿を示すとされ(雨宝童子は、天照大神が十六歳で日向国に降り立った時の姿とされる)、「大日如来(ダイニチニョライ。天照大神の本地仏)」の化身ともされる。空海(くうかい)が天長2年(825年)、伊勢の朝熊山で「虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)」を修した折に、天照大神の託宣があり、この託宣に基づいて雨宝童子像を製作したという。「雨宝童子啓白(うほうどうじけいびゃく)」には、雨宝童子は三界諸仏の根本であると説いている。寛文2年(1602年)に金剛證寺の住持・大仲が著した「朝熊岳略縁起(あさまだけりゃくえんぎ)」には、「雨宝童子は全ての人民を救うために天照大神として示現された」とある。雨宝童子は、求福と除病に効験があるという。雨宝童子像は天女形で、頭上に五輪塔をいただき、右手に金剛宝棒をとり、左手に宝珠を持ち、ときに足下に白狸を踏むことがある。雨宝童子は「難陀竜王(ナンダリュウオウ)」とともに「十一面観音(ジュウイチメンカンノン)」の眷属となる。
出典:
エソテリカ事典シリーズ(1)仏尊の事典(学研)
すぐわかる日本の神像 あらわれた神々のすがたを読み解く(東京美術)
作者ひとこと:
雨宝童子のデザインは、頭に五輪塔をいただき、金剛宝棒と宝珠を持った童子の姿に描きました。
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