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2019年8月31日土曜日

「狼外婆」



狼外婆(ロウガイバ)

中国の江蘇省(コウソショウ)などに伝わる昔話に出て来るもの。留守番をしている子供達の元に狼が「お婆ちゃんですよ、開けておくれ」と、やって来るというもの。子供達が戸を開けたとたんに狼は灯りを吹き消してしまうので、狼であるという事が子供達には見えなかったのだが、このお婆ちゃんと名乗る者の言動が色々と怪しいので、「食べると仙力が得られる人参果という実が食べたくないですか? お婆ちゃん、木からもいで来てあげますよ」と持ち掛けて子供達は逃亡。追い掛けて木を登って来た狼を子供達は木から落とし、退治してしまった。

出典:
和漢百魅缶

作者ひとこと:
狼外婆のデザインは、大きな木葉を着物の様に着た二本足で立った狼の姿に描きました。

2019年8月30日金曜日

「庸庸魚」



庸庸魚(ヨウヨウギョ)<鱅鱅魚>

古代中国の地理書「山海経(センガイキョウ)」の東山経に記されている魚。食水という川の中に多く棲息している。庸庸魚は「犂牛(リギュウ。斑牛)」の様な姿の魚(または、牛の頭を持った魚)であり、この魚の鳴き声は豚(または猪の子)の様な声で鳴く。

出典:
和漢百魅缶
神魔精妖名辞典
プロメテウス

作者ひとこと:
庸庸魚のデザインは、牛の様に角を生やした魚の姿に描きました。

2019年8月29日木曜日

「アパスマーラ」



アパスマーラ<アパスマーラプルシャ>

インド神話に登場する邪鬼または悪魔。阿修羅(アスラ)の類であるともされる。アパスマーラという名前は「無知」、「忘却」を意味する。アパスマーラは幼児の様な姿をした魔物で記憶力を失わせる病気や、癇癪を司る悪神である。アパスマーラはシヴァ神の一形態である舞踊神ナタラージャに、その左足で踏み潰されている。仏教ではアパスマーラは「阿跋摩羅(アバツマラ)」と漢訳される。阿跋摩羅は仏法と仏教徒を守護する神々・護法善神(ゴホウゼンジン)の一柱で、夜叉神(ヤシャジン)・青面金剛(ショウメンコンゴウ)に従っている四柱の夜叉「四夜叉」の内の一柱でもある。

出典:
Wikipedia
幻想動物の事典
印度魔物学大全(1)

作者ひとこと:
アパスマーラのデザインは、幼児の様な姿で描きました。三つの目を持っており、邪鬼というので黒い身体にしてみました。

2019年8月28日水曜日

「マホーラガ」



マホーラガ

インド神話に登場する種族。マホーラガという名前は「偉大なる蛇」を意味する(「マハー」+「ウラガ」)。マホーラガは龍に近い種族で、その名前は漢訳では「大腹胸行(ダイフクキョウギョウ)」や「大蠎(ダイモウ)」とも呼ばれる。大蠎とは巨大な蛇(大蛇)の事で、また大腹胸行は大蛇が腹這いで進んで行く様を表している。この様にマホーラガは蛇を神格化した種族だが、同じ様に蛇を神格化したナーガがコブラを神格化したものであるのに対して、マホーラガはより一般的な蛇、特に巨大なニシキヘビの様な蛇などを神格化した種族である。仏教ではマホーラガは「摩睺羅伽(マゴラカ)」と音写される。摩睺羅伽は釈迦如来(シャカニョライ)の眷属である八柱の神々・天竜八部衆(テンリュウハチブシュウ)の一員であり、また千手観音(センジュカンノン)の眷属である二十八部衆(ニジュウハチブシュウ)の一柱であるともされる。摩睺羅伽は蛇の頭を持った人間の姿や、頭に蛇や龍の冠を戴いた人間の姿であるとされる。摩睺羅伽は音楽を司る神であり、同じく音楽を司る緊那羅(キンナラ)と共に帝釈天(インドラ)に眷属として仕えている。摩睺羅伽達は帝釈天の楽師として、横笛を吹いたり、小鼓を打ったりして、同じく楽器を奏でたり、歌を歌ったりしている緊那羅達と共に帝釈天の為に音楽を奏でている。

出典:
Wikipedia
ピクシブ百科事典
神魔精妖名辞典
仏教画伝 極彩色で蘇った一〇八の仏尊(G.B.)

作者ひとこと:
マホーラガのデザインは、琵琶を携えた大蛇の姿に描きました。

2019年8月27日火曜日

「邪魅」



邪魅(ジャミ)

江戸時代中期の画家・鳥山石燕(トリヤマセキエン)による妖怪画集「今昔画図続百鬼(コンジャクガズゾクヒャッキ)」に掲載されている中国の妖怪。解説文では「邪魅は魑魅(チミ)の類なり。妖邪(ヨウジャ)の悪気なるべし」とあり、人間を害する妖怪の総称、山林の悪気を起こして人間を害する妖怪、山神の一種などとして解釈されている。晋時代の中国の書「神仙伝(シンセンデン)」には、あらゆる病気の治療に長けた王遙(オウヨウ)という仙人が、魔物に魅入られた者に対し、地面に牢獄を描いて魔物を呼び出し、正体を現した魔物を牢獄に入れる事で、魔物に魅入られて病気になった者の病気を治した、とあるが、この魔物が邪魅と指摘されている。

出典:
Wikipedia

作者ひとこと:
邪魅のデザインは、凶暴な猛獣の様な姿の妖怪に描きました。

2019年8月26日月曜日

「タクシャカ」



タクシャカ

インド神話に登場する、蛇の姿をした半神の種族「ナーガ」の中でもナーガ達の王達である「ナーガラージャ」の一人。タクシャカという名前は「切るもの」という意味である。聖仙カシュヤパと妻であるカドゥルーとの間に生まれた1000人のナーガの内の一人である。タクシャカはナーガ達の中でも、その性格は特に狡猾である。またタクシャカは雷神インドラの友人でもある。タクシャカは叙事詩「マーハーバーラタ」にも登場している。英雄アルジュナの孫であるパリークシット王が、ある時、狩猟に興じていて獲物の鹿を追って密林に入って行くと、その密林では聖仙シャミーカが瞑想していた。パリークシットはシャミーカに鹿の行方を尋ねたが、瞑想にふけっているシャミーカはパリークシットに気が付かなかった。「王を無視するとは」と立腹したパリークシットは腹いせに近くにいた蛇を一匹殺し、その死骸をシャミーカの頭に乗せて立ち去った。シャミーカの頭に蛇の死骸が乗せられているのを見つけたシャミーカの息子であるシュリンギンは怒り、パリークシットに「この許されぬ侮辱を行ったパリークシットは7日以内に蛇王タクシャカに咬み殺されて死ぬ」という呪いをかけた。パリークシットは、この呪いを知り恐れて、この呪いの対策を練った。パリークシットはタクシャカが近付けない様に宮殿を要塞に変えた。その宮殿は海に立てた巨大な柱の上に建っており、その宮殿自体にも厳重な警備を敷いた。更に、もし咬まれた時の為に蛇の毒の解毒を専門とする医者や呪術師、聖仙を雇って用心に用心を重ねて警戒した。やがて呪いの期限が切れる間近の日の夕刻、タクシャカは眷属のナーガを聖仙に化けさせ、その手にパリークシットに献上させる果実を持たせた。そして自分は虫に変身し、その果実の中に身を潜めた。このナーガの化けた聖仙と、その手に持っている果実はパリークシットの宮殿に潜入した。パリークシットは夕食後デザートの果実を手に取り、果実を切った時、中から虫が這い出てくるのを見つけた。パリークシットは一瞬、驚いたが「蛇が出てくるかと思えば虫か」と安堵の息を吐き、果実にかぶりついた。その瞬間、虫に化けていたタクシャカは元の姿に戻り、パリークシットの首筋に咬み付いて猛毒を注ぎ込んだ。そしてタクシャカは宮殿に雷を落とし天へと飛び上がって姿を消した。雷の為、宮殿は燃え上がり、パリークシットは身体中に回った。タクシャカの猛毒に苦しみながら炎上する宮殿で死んだ。パリークシットの跡を継いだ息子ジャナメージャナ王は父であるパリークシットの亡骸を葬ると、父を殺したナーガ族への復讐を開始した。ジャナメージャナは聖仙達を集め、蛇を犠牲に捧げる供物「サルパサトラ」を行った。サルパサトラの儀式の炎に引き寄せられ、ナーガ族の殆どが焼き滅ぼされた。慌てたタクシャカはインドラの宮殿に逃げ込んだがサルパサトラの炎はインドラの宮殿にも及び、タクシャカを保護していたインドラすらもサルパサトラの炎に焼かれそうになった。慌てたインドラはタクシャカを見放した。タクシャカがサルパサトラの炎に焼かれる寸前に神々は、ナーガであり解毒の女神であるマナサーに助けを求め、マナサーは息子のナーガでありバラモンでもあるアースティーカを遣わした。アースティーカは炎に焼かれそうになっていたタクシャカを助け、マナサーから命じられていたアースティーカはタクシャカとジャナメージャナを仲裁させた。これによってナーガ族は絶滅を免れた。仏教では釈迦如来(シャカニョライ)の眷属である八柱の神々・天竜八部衆(テンリュウハチブシュウ)に所属する竜族を率いる八柱の王・八大竜王の一柱。タクシャカは漢訳では「徳叉迦竜王(トクシャカリュウオウ。龍王とも)」と呼ばれ、他の八大竜王と共に水中の主であり、幾千万億の眷属の竜達を率いている。徳叉迦竜王は「視毒」とも呼ばれ、その竜王が怒って凝視した相手は、息絶える。日蓮宗系において法華経(ホケキョウ)を守護するとされる女神・七面天女(シチメンテンニョ)は徳叉迦竜王の娘とされている。

出典:
Wikipedia
神の文化史事典(白水社)
ドラゴン(新紀元社)

作者ひとこと:
タクシャカのデザインは、林檎の様な果実と髑髏を持った半人半蛇の姿に描きました。

2019年8月25日日曜日

「冷蛇」



冷蛇(レイダ)

中国に伝わる、中国から遥か南方に棲息しているとされる蛇。冷蛇の体は、まるで真冬の氷の様に冷たい。その為、激しい熱病を患った人がいると、その熱病の熱を癒したりする為、この冷蛇が使われた。

出典:
和漢百魅缶

作者ひとこと:
冷蛇のデザインは、体が氷の様に冷たい蛇だとされているので、体に雪の結晶の模様がある蛇の姿に描きました。

2019年8月24日土曜日

「蛩蛩」



蛩蛩(キョウキョウ)

古代中国の地理書「山海経(センガイキョウ)」の海外北経に記されている獣。蛩蛩は北海の水中に棲んでいる。この獣は白い馬の様な姿をした獣である。この蛩蛩は、一旦走り出すと千里の距離を走り抜くという。

出典:
山海経動物記
プロメテウス

作者ひとこと:
蛩蛩のデザインは、北海の水中に棲んでいる馬の様な獣だそうなので、上半身が馬、下半身が魚の姿に描きました。

2019年8月23日金曜日

「落羊頭」



落羊頭(ラクヨウトウ)

中国の北半を支配した女真族(ジョシンゾク)の王朝、金王朝(キンオウチョウ)の貞祐(テイユウ)2年(1214)に起こった怪異。大雷雨と共に天から落ちてきた巨大な羊の頭である。

出典:
和漢百魅缶

作者ひとこと:
落羊頭のデザインは、雨を降らす黒雲に乗った羊の頭を描きました。

2019年8月22日木曜日

「ラークシャシャ・チャラー」



ラークシャシャ・チャラー

仏教の法華経陀羅尼品に登場する、法華経(ホケキョウ)を所持し伝える者を守護する10人の女性の鬼神「十羅刹女(ジュウラセツニョ)の一人。ラークシャシャ・チャラーは仏法に帰依する前は、衆生を殺害しても厭わず、更に幾ら多くの衆生を殺害しても飽き足らない女性の鬼神で、また世の中に色々な障害をもたらす鬼神でもあった。漢訳では「無厭足(ムエンゾク)」、「無著(ムヂャク)」という。ラークシャシャ・チャラーは手に瓶を持っている。

出典:
Wikipedia
仏様の世界

作者ひとこと:
ラークシャシャ・チャラーのデザインは、触手の様な手や5つの眼を持った、異形の女性の鬼神を描きました。手には瓶を持っています。

2019年8月21日水曜日

「ラムバー」



ラムバー

インド神話に登場する、女性のみ存在する水の精の種族アプサラスの一人。ラムバーは神々とアスラが協力して不老不死の霊薬アムリタを作り出すために行った「乳海攪拌(ニュウカイカクハン)」の際に生まれた。ラムバーは大変な美貌の持ち主であった為に、天空神であり雷神であるインドラの策略に彼女が利用された。「パドマ・プラーナ」によると、旱魃を引き起こす巨大な蛇の怪物ヴリトラの殺害を図ったインドラはラムバーに、バラモンでもあったヴリトラを誘惑させ、本来バラモンには禁じられているスラー酒をヴリトラが飲む様にそそのかすよう命じた。ラムバーに誘惑され、スラー酒を飲んだヴリトラは失神し、その隙にインドラはヴリトラを殺した。またラムバーは、聖仙ヴィシュヴァーミトラを誘惑した事もある。ヴィシュヴァーミトラの強大な力を恐れていたインドラはヴィシュヴァーミトラが大苦行に臨んだ時に、その大苦行を妨害する為にラムバーを遣わしたのだった。ラムバーはカッコウに変身したインドラに見守られながらヴィシュヴァーミトラに近づいたが、聖仙はインドラの策略だと見抜き激怒。ヴィシュヴァーミトラはラムバーに呪いをかけて、彼女を1年(1万年とも)の間、大理石に変えてしまった。叙事詩ラーマーヤナではラムバーは富と財宝の神にしてヤクシャ族(夜叉)の王クベーラの息子ナラクーバラの妻とされている。ある時、ラムバーは羅刹王ラーヴァナに犯された事もあった。ラーヴァナはラムバーを一目見て、その美しさに心惹かれて彼女を自分のものにしようとした。ラムバーは、自分はラーヴァナの兄弟であるクベーラの息子の妻だと言って拒んだが、ラーヴァナは「アプサラスには夫などいない」と彼女の言葉を聞き入れなかった。この事実を知ったナラクーバラはラーヴァナに「女性から同意を得ずに犯したなら頭が裂ける」という呪いをかけた。このため後にラーヴァナがラーマ王子の妃シーターを攫った時にもシーターを強引に汚す事が出来ず、シーターの貞操は守られた。また「ヴィシュヌ・プラーナ」ではラムバーは太陽神スーリヤの馬車に同乗する12人のアプサラスの一人とされる。仏教ではラムバーは、法華経陀羅尼品に登場する、法華経(ホケキョウ)を所持し伝える者を守護する10人の女性の鬼神「十羅刹女(ジュウラセツニョ)」の一人とされる。ラムバーは漢訳では名前を「藍婆」、「有結縛」という。ラムバーは仏法に帰依する前は様々な生きとし生けるもの(衆生)に纏わり付いたり、相手を束縛したりして殺害し命を取る女性の鬼神であったとされる。藍婆(ラムバー)は甲冑を身に付け、剣と経巻を持った女性の姿をしている。

出典:
Wikipedia
仏様の世界
萌える! インド神話の女神事典(ホビージャパン)

作者ひとこと:
ラムバーのデザインは、剣と経巻を手に持った裸体の天女の姿に描きました。

2019年8月20日火曜日

「安立行菩薩」



安立行菩薩(アンリュウギョウボサツ)

仏教の法華経(ホケキョウ)の第15章にあたる従地涌出品(ジュウジユジュッポン)第十五の記述によれば、釈迦如来(シャカニョライ)が説法をしていた際に大地が割れ、そこから湧き出た無数の菩薩(この菩薩達を総称して「地湧の菩薩(ジユノボサツ)」)の筆頭である4体の菩薩の内の一体。これらの菩薩達は釈迦亡き後の末法の世において仏法を護持する者達である。また、この4菩薩は仏及び涅槃の境涯を表した語である「常楽我浄」の4つにそれぞれ配当され、安立行菩薩はその内「楽」を表す。

出典:
Wikipedia

作者ひとこと:
安立行菩薩のデザインは、冠を被った菩薩の姿に描きました。

2019年8月19日月曜日

「マナスヴィン」



マナスヴィン

インド神話に登場する蛇族ナーガ達の諸王であるナーガラージャの一人で、仏教では釈迦如来(シャカニョライ)の眷属である八柱の神々・天竜八部衆(テンリュウハチブシュウ)に所属する八柱の王・八大竜王の一柱。漢訳では「摩那斯竜王(マナシリュウオウ。龍王とも)」と呼ばれ、他の八大竜王と共に水中の主であり、幾千万億の眷属の竜達を率いている。マナスヴィンの名前は「大身」や「大刀」という意味である。マナスヴィンは蝦蟇の姿をした竜達を眷属として率いており、蝦蟇形の竜達の長であり、王である。また、ある時、アスラ(阿修羅)達が須弥山の頂上にあるインドラ(帝釈天)の居住・喜見城を攻めた時に放った海水をマナスヴィンが身を踊らせて、その海水を押し戻した。

出典:
Wikipedia
幻想世界事典

作者ひとこと:
マナスヴィンのデザインは、頭に一本の角が生えている太い体を持った大蛇の様な姿に描きました。

2019年8月18日日曜日

「プリティヴィー」



プリティヴィー

インド神話に登場する大地の女神で、古き地母神である。名前は「広き者」という意味である。プリティヴィーは天空神ディヤウスの妻であり、夫との間に雷神インドラや火の神アグニを産みだした。「リグ・ヴェーダ」においては夫のディヤウスと共に現れる事が多い。これは父なる天に対する母なる大地と考えられており、プリティヴィーマータ(母なる大地)はディヤウシュ・ピトリ(父なる天空)との対比で言及され、両数形でディヤーヴァープリティヴィーと呼ばれる一対の天地両神とされる。「リグ・ヴェーダ」では夫のディヤウスと共に天地両神として6篇の独立讃歌を持つが、単体としては1篇3詩篇の独立讃歌にとどまる。その讃歌によれば、プリティヴィーは堅固で山岳を担い、樹木を保ち、道路に富み、大地に活気をもたらすとされる。また「バーガヴァタ・プラーナ」によると、プリトゥ王という王が治める時代に飢餓が起こり、プリトゥ王は大いに怒って弓と矢を持って大地の女神プリティヴィーを探した。プリティヴィーは恐れて牝牛の姿に変身して逃げたが、ついに彼女はプリトゥ王の前に姿を現し、プリトゥ王にプリティヴィーが破壊した穀物などを乳によって蘇生させる事を約束した。ただしプリトゥ王にもその対価の条件として、これからは神々を祀る時に仔牛を神々に提供する事と、大地を平らにする事が要求された。その条件を承諾したプリトゥ王は矢で山々を叩いて崩し、大地を平らにした。それによって人間は農業、牧畜交易が出来るようになった。プリトゥ王はプリティヴィーに生命を与えたので、プリティヴィーの父となり、彼の名をとって大地の女神であるプリティヴィーは、プリティヴィーと呼ばれるようになった。プリティヴィーは仏教では「地天(ヂテン、ジテン)」と呼ばれ、十二天の一柱である。釈迦(シャカ)が菩提樹の下で悟りを開く時、地下から地天が湧出し、釈迦に悟りの証明を与えたとされる。仏教では地天は男神とされる事もある。

出典:
Wikipedia
神の文化史事典(白水社)

作者ひとこと:
プリティヴィーのデザインは、蓮華を持った女神の姿に描きました。

2019年8月17日土曜日

「無辺行菩薩」



無辺行菩薩(ムヘンギョウボサツ)

仏教の法華経(ホケキョウ)の第15章にあたる従地涌出品(ジュウジユジュッポン)第十五の記述によれば、釈迦如来(シャカニョライ)が説法をしていた際に大地が割れ、そこから湧き出た無数の菩薩(この菩薩達を総称して「地湧の菩薩(ジユノボサツ)」)の筆頭である4体の菩薩の内の一体。これらの菩薩達は釈迦亡き後の末法の世において、仏法を護持する者達である。また、この4菩薩は仏及び涅槃の境涯を表した語である「常楽我浄」の4つにそれぞれ配当され、無辺行菩薩はその内「常」を表す。

出典:
Wikipedia

作者ひとこと:
無辺行菩薩のデザインは、羽衣を着けた菩薩の姿に描きました。

2019年8月16日金曜日

「伎芸天」



伎芸天(ギゲイテン)

仏教において仏法と仏教徒を守護する神々「天部」の一柱である天女。伎芸天は身体を天衣や瓔珞(ヨウラク)などで着飾った容姿端麗な天女の姿をしている。左手を上げて天花(花を盛った皿)を捧げ持ち、右手で自らの裙(裳すそ)を摘んでいる。「摩醯首羅天法要」「摩醯首羅大自在天王神通化生伎芸天女念誦法」に説かれた話によると、ある時、摩醯首羅天(大自在天=シヴァ)が天上世界において天女達と楽器を奏でて興じて遊んでいた折、突然、摩醯首羅天の髪の生え際から、とても美しい天女が誕生した。この天女こそ伎芸天であり、伎芸天が楽器を奏でる技芸は第一で、天上世界でも楽器を奏でる技芸においては彼女に勝る者はついに無かった。伎芸天は様々な技芸を素早く修達、成就させる天女神とされる。更には福徳円満の御利益もあり、彼女に祈願した者が富楽を望んで祈ると、伎芸天はその崇拝者の富楽の願いを全て満足させる。そんな伎芸天の仏教に入る以前の出自は不詳で、ヒンドゥー教などで伎芸天に相当する尊格を特定する事が出来ず、伎芸天の梵名も不詳である。父尊の額から生まれ彼女の出自に注目し、伎芸天とギリシャ神話の女神アテナとの関連を指摘する説もある。

出典:
Wikipedia
エソテリカ事典シリーズ(1) 仏尊の事典(学研)

作者ひとこと:
伎芸天のデザインは、花を盛った鉢を手に持った天女の姿に描きました。

2019年8月15日木曜日

「深沙大将」



深沙大将(ジンジャダイショウ)<深沙神、深沙大王、奉教鬼>

仏教における仏法と仏教徒を守護する神々「護法善神(ゴホウゼンジン)」の一柱。大般若経(ダイハンニャキョウ)を守護する十六柱の夜叉神「十六善神(ジュウロクゼンシン)」と共に大般若経を守護している。この深沙大将は観音菩薩(カンノンボサツ)、または多聞天(タモンテン)の化身であるとされる。深沙大将は腰に獣皮と腰布だけを身に付けて上半身は裸の、力士の様に筋骨隆々とした鬼神の姿をしている。顔は忿怒の形相で、首には沢山の髑髏(ドクロ)を繋ぎ合わせた瓔珞(ヨウラク)を掛けている。左手には青蛇を巻き付けている。腹部には童子の顔が付いており、膝部には象の頭をかたどった袴を着けている。深沙大将は砂漠を旅する人間が砂漠で遭遇する危難から救う事を本誓とする神である。砂漠で病気に倒れた者がいると、その病気を癒してやり、砂漠を旅する者を襲おうとする様々な魔事があると、その魔事を追い払う。またインドに様々な経典や仏教の教えを求めて旅に出た、唐の僧侶・玄奘三蔵(ゲンジョウサンゾウ)がその途中、砂漠の流沙で苦難していた時に深沙大将が出現し、玄奘三蔵を苦難から救った。そして玄奘三蔵が砂漠を旅している間、深沙大将は玄奘三蔵を守護した。

出典:
Wikipedia
エソテリカ事典シリーズ(1) 仏尊の事典(学研)

作者ひとこと:
深沙大将のデザインは、仏画などに描かれている半裸の鬼神の姿に描きました。

2019年8月14日水曜日

「矜羯羅童子」



矜羯羅童子(コンガラドウジ)

仏教や密教の信仰対象である尊格の一尊「不動明王(フドウミョウオウ)」の眷属を務めている童子。いつも不動明王の左側に控えており、不動明王の右側に控えている制多迦童子(セイタカドウジ)と共に不動明王の脇侍を務めている。また、不動明王の眷属で明王の命に従い、仏教の修行者や仏教の教えを信じる者を守護する八人の童子「八大童子」の内の一人でもあり、矜羯羅童子は八大童子の第七番目である。矜羯羅童子の梵名は「キンカラ」といい、この名前を直訳すると「何をするべきかを問い、その命令の通りに動く」という意味で、奴僕や従者を指す。この名前は矜羯羅童子の場合は不動明王の奴僕三昧を表すと共に、矜羯羅童子が仏法に対して恭敬である様を意味している。矜羯羅童子は全身が白肉色の十五歳ほどの童子の姿で、頭に蓮華冠をつけている。身体に天衣と袈裟を身に着けている。手は合掌しており、親指と人差し指の間に独鈷杵(金剛杵)を挟んで持つ。または両手で蓮華を持っている事もある。矜羯羅童子は不動明王の慈悲を象徴している。

出典:
Wikipedia
仏教画伝 極彩色で蘇った一〇八の仏尊(G.B.)

作者ひとこと:
矜羯羅童子のデザインは、蓮華を手に持った童子の姿に描きました。

2019年8月13日火曜日

「プレータ」



プレータ

古代インドの宗教における死者の霊や霊魂。名前は「去った者」や「死者」を意味する。バラモン教では死亡してからの一年の期間の霊をプレータと呼び、火葬を始めとする様々な儀礼と、その最後に行われる「サピンディー・カラナ(合霊祭)」によってピトリ(祖霊)の列に加えられるまでの間の死者の霊がプレータである。プレータは家の周りに留まっており、浮遊霊の様なものである。祭祀の対象となる聖なる存在であるピトリへと昇格する前のピトリは不浄の死者霊だとされる。ところが死者に対し上述の一連の儀礼が、生きている子孫が絶えてしまうなどの理由で行われなかった場合、プレータは不浄のままで、それどころか、更に攻撃的な悪霊・ブータになって彷徨う事になってしまう。インドの民間伝承ではプレータは、あまり好ましくない死者の霊魂や悪霊とさえ呼ばれている。民間伝承でのプレータは奇形の人や体の不自由な人、早産した人が死んでしまった後に、この死霊のプレータになるとされた。またプレータは人間の肉を喰らうピシャーチャと一緒になって生きている人間に悪事をなすともされている。仏教ではプレータは「薛茘多(ヘイレイタ)」と呼ばれ、薛茘多は四天王の眷属である八種の鬼族・八部鬼衆の一種で、薛茘多達は増長天に眷属として仕えている。薛茘多は常に飢餓・涸渇に切迫せられている鬼神であり、餓鬼の事とされる。薛茘多(プレータ)は不浄であるから中々、供物が供えられず飢渇にさいなまれており、供物が供えられるのを待っているとされる。また、薛茘多(プレータ)は前世において何らかの罪を犯した者が、この霊になった時に尽きる事の無い飢えに苦しむ様になった存在とされる。

出典:
weblio辞書
コトバンク
Wikipedia
幻想動物の事典
神魔精妖名辞典

作者ひとこと:
プレータのデザインは、幽霊の様な姿に描きました。霊なので摑み所が無い感じだったので、軟体動物の感じも意識して描きました。

2019年8月12日月曜日

「稷」



稷(ショク)

古代中国において祀られた神で穀物の神である。五穀(特に粟など)を司る神で、古代から中国では、この稷に穀物などの豊穣が祈願された。周の時代には稷と、土地の神・社(シャ)を祀る祭祀は重要な国家祭祀とされ、稷は周王朝の始祖とされる后稷(コウショク)と同一視されて、周王朝の祖先として祀られるに至り、稷には国家の祖先として、その国家の守護神としても祀られた。古代中国においては、土地とそこから収穫される作物が国家の基礎であると考えられ、村ごとに祀っていた土地の神「社」と五穀の神「稷」の祭祀(社と稷の祭祀の総称を「社稷(シャショク)」という)は、やがて誕生した古代の王朝の君主が天下を治める為に国家の祭祀として、この社稷を祀る様になった。やがて社稷という言葉は神々の祭祀だけでなく、国家そのものを意味する言葉にもなった。新しい王朝が興ると、まず先に社稷を祀る祭壇と、その王朝の王の祖先を祀る宗廟が設置された。中国では戦争が勃発した時、戦争に勝利した国が敗北した国の社稷の祭壇を破壊し、周囲の森を斬り拓いて祭祀の際の神々と人間達の天地のつながりを絶ち、その国の宗廟(ソウビョウ)や墓を破壊して、それらを祀る祭祀を滅する事によって、則ちその国、国家を滅ぼす事とされた。

出典:
コトバンク
Wikipedia

作者ひとこと:
稷のデザインは、人型の精霊の様な感じをイメージして描きました。

2019年8月11日日曜日

「猙」



猙(ソウ)

中国神話の地理書「山海経(センガイキョウ)」の西山経に記されている獣。章莪山という山の山中に棲んでいる。猙は赤い色の体をした豹の様な姿をした獣で、頭から一本の角が生えており、尻からは五本の尾が生えている。この獣は石をかち合わせた時に出る音の様な声で鳴く。

出典:
神魔精妖名辞典
プロメテウス

作者ひとこと:
猙のデザインは山海経の記述通り、頭から一本の角が生え、五本の尾を持った豹の姿に描きました。

2019年8月10日土曜日

「社」



社(シャ)

古代中国において祀られた神で土地の神である。この社は大地の生産力を神格化した神や、この社を祀る集落や国といった集団の保護神、または、祖先神ともされる。社は樹木や石、封土(人工的、または自然に出来た盛り土)に宿るとされ、人々はその様な樹木や石や封土を祀って、事あるごとにそこに集まって人々同士の団結と親睦を図った。人々は社に農業における祈雨や豊年、豊作を祈り、日蝕の様な天変地異や大水などの災害が起きると、人々は社に生贄を供え、鼓を打って祈りを捧げた。また他の部族や集落、国と戦争になると、出陣に当たって社の祀られている場所に人々は集合して、社に供えられた祭肉を分配し、祭肉にあずかり、社に捧げられた生贄の血を武器に塗って戦争における戦勝を祈願した。この土地神・社と、その社を祀る祭祀は早くも殷(イン)の時代にはあったろうと想定されている。

出典:
コトバンク

作者ひとこと:
社のデザインは、人面を持った杭の様な姿に描きました。地面に打たれた杭で、その土地を司る神のイメージを表してみました。

2019年8月9日金曜日

「天神」



天神(テンジン)

古代中国の地理書「山海経(センガイキョウ)」の西山経に記されている神。恒山(桓山とも)という山の山中にいる神で、牛の様な姿をしており、八本脚で頭が二つあり、尻からは馬の尾が生えている。この神の鳴き声は勃皇(詳細不明)の様な鳴き声である(または、この神の鳴き声は吹奏楽器を吹いている様な鳴き声であるともされる)。この神が出現した国は、どこでも必ず戦争になる(この神の「天神」というのは、この神の固有名称ではなく、天の神という意味か)。

出典:
プロメテウス
神魔精妖名辞典

作者ひとこと:
天神のデザインは、山海経の記述通りに二つの頭と八本の脚と馬の尾を持った牛の様な姿に描きました。

2019年8月8日木曜日

「ブータ」



ブータ

インドの民間伝承などに伝わる、夜中に人間を食べる悪霊・吸血鬼の類。ブータナとも呼ばれたり、ヒンディー語ではブートと呼ばれる。事故死、自殺、刑死などで急死し、プレータと呼ばれる浮遊霊となった死者の霊は、死後11日目に跡取り息子によって供養されなければ家を守護する祖霊ピトリとなる事が出来ず、ブータになってしまい墓地で排泄物や腸を食べ、たまに知らないで近寄って来る生きた人間を騙して襲い、その人肉を喰らうようになる。ブータは人間に近付く時に人間に変化するが、その化けた人間は鼻声で話し、しかもその人間には影が無い為、識別出来る。ブータの性格は傲慢で、人の話に全く耳を傾けず、ブータに襲われた人間がブータから逃げる事が出来ても、その人間はやがて重病となって死んでしまう。また、ブータは人間に化けて旅人の邪魔をするだけの比較的無害な場合もある。人間達がウコンを燃やすとブータは人間に近づく事が出来無いとか、ブータに出会っても指を鳴らすとブータは逃げていくという説もある。仏教ではブータは「富単那(フタンナ)」と漢字で音訳された。富単那は四天王の眷属である八種の鬼族・八部鬼衆の一種で富単那達は広目天に眷属として仕えている。

出典:
Wikipedia
図説 幻獣辞典(幻冬舎)

作者ひとこと:
ブータのデザインは、お腹の膨れ上がった餓鬼の様な鬼の様な姿に描きました。

2019年8月7日水曜日

「后稷」



后稷(コウショク)

中国神話に登場する農業の神で、五穀の中でも最も優れた穀物である稷(キビ)を司る神。更には周王朝の始祖で姫姓の祖先でもある姓は姫、諱は棄、号は稷。「史記(シキ)」周本記によれば、帝嚳(コク)の元妃(正妃)であった姜嫄(キョウゲン)が、ある日、野原に出掛けて巨人の足跡を見つけ心楽しくなってその足跡を踏み感応して一年後子供を産んだ。姜嫄はこれを不吉な事だと思って、産まれた赤子を道に捨てたが牛馬が踏もうとせず、今度は林に捨てようとしたが、たまたま山林に人手が多かった為、捨てられず、今度は氷の上に捨てたが飛鳥達が赤子を暖めたので、姜嫄は不思議に思って、ついに赤子を手元に置いて育てる事にした。それ故にこの赤子は「棄」と名付けられた。棄は成長すると農耕を好み、農業に関して天才さを発揮し、麻や菽(マメ)を植えて喜んだ。帝堯(ギョウ)、帝舜(シュン)、禹に農師として農事を司る長官として仕えたが、後に諸侯に封じられ、后稷と号した。后稷は死後、人々に農耕神として祀られた。彼の死後、子の不窋が後を嗣いだ。

出典:
Wikipedia
神の文化史事典(白水社)

作者ひとこと:
后稷のデザインは、頭髪や手足が穀物で出来た姿に描きました。

2019年8月6日火曜日

「年」



年(ネン)

中国や台湾に伝わる怪物。年は口と角が異常に大きい龍の姿で、人間の言葉を話す事が出来るが、その声はとても不快で非常に大きい。その性格は獰猛で貪欲、ずる賢い。年はいつもは深山や深海に棲んでいるのだが、365日に一度、非常に空腹になって人里にやって来る。そして旅人の姿に変化して、哀れな旅人のふりを装い、家々の戸口を叩く。その旅人を哀れんで戸口を開けた人間は、元の姿に戻った年に食い殺されてしまう。何の対策もなかった時代、人々はただ悪戯に年の犠牲になっていた。しかし、ある年の大晦日、一人の見ず知らずの老人がこの里に現れて、年に怯える村人に知恵を授けた。それによると、魔除けとなる赤い色の紙を戸口に貼るという事だった。これにより年は人里にやって来るものの、人々に手出し出来なくなり、ただ悔しげに鳴くばかりとなった。後に、この恐ろしい声をなんとか遠ざけようと、一人の村人が爆竹を焚いた。すると年はこの爆竹の音を大いに恐れ、二度と人里へ現れる事はなかった。この戸口に赤い魔除けの紙を貼ったり爆竹を焚いたりする習慣は、今も「過年(グオニエン)」=新年に盛んに行われている。

出典:
カラー版徹底図解 幻獣事典(新星出版社)

作者ひとこと:
年のデザインは、鋭い角を持った龍の姿に描きました。沢山、人間を食べて肥え太った感じで、貪欲さをイメージしました。

2019年8月5日月曜日

「武羅」



武羅(ブラ)

古代中国の地理書「山海経(センガイキョウ)」の中山経に記されている、神天帝(黄帝)の秘密の都である青要山という山を司り治めている。武羅は人面で全身に豹の模様があり、小さな腰(細い腰)で口の中には白い歯が並んでいる。耳には金や銀の耳輪を付けて飾っている。武羅は鳴玉がぶつかる時の音の様な声で鳴く。

出典:
プロメテウス
神魔精妖名辞典
幻想動物の事典

作者ひとこと:
武羅のデザインは、豹と人間が合わさった様な女性の神の姿に描きました。

2019年8月4日日曜日

「制多迦童子」



制多迦童子(セイタカドウジ)<制吒迦童子、制託迦童子>

仏教や密教の信仰対象である尊格の一尊「不動明王(フドウミョウオウ)」の眷属を務めている童子。いつも不動明王の右側に控えており、不動明王の左側に控えている矜羯羅童子(コンガラドウジ)と共に、不動明王の脇侍を務めている。また、不動明王の眷属で明王の命に従い、仏教の修行者や仏教の教えを信じる者を守護する八人の童子「八大童子」の内の一人でもあり、制多迦童子は八大童子の第八番目である。制多迦童子の梵名は「チェータカ」といい、サンスクリットでは、この名は「奴僕」や「従者」を意味する。制多迦童子は全身が紅蓮色の十五歳ほどの童子の姿で、頭髪を束ねて五つの髻(モトドリ)にしている。上半身は裸で、頸と肩に天衣を無造作に巻き付けている。左手には金剛杵を持ち、右手には金剛棒を持っている。制多迦童子の性格は瞋心悪性であるともされる。制多迦童子は不動明王の方便(衆生を救う手だて)を象徴する童子とされ、不動明王の本心を知らない衆生には忿怒の表情で接するとされる。この童子の全身が紅蓮色なのは、その忿怒の怒りの表れだと考えられている。

出典:
Wikipedia
仏教画伝 極彩色で蘇った一〇八の仏尊(G.B.)

作者ひとこと:
制多迦童子のデザインは、髪を五つの髻に結いあげている半裸の童子の姿に描きました。

2019年8月3日土曜日

「避役」



避役(ヒエキ)

中国の唐代に荒唐無稽な怪異記事を集録した書物である「酉陽雑爼(ユウヨウザッソ)」に書かれている、南方の国にいるとされる幻獣。大型の蜥蜴(トカゲ)かヤモリの様な姿をしており、脚が長く体色は青と赤で、鬣(タテガミ)の様に頭から背にかけて肉の突起がある。この避役は時間帯に合わせて体の色を十二色に変える事が出来、別名で「十二時虫」や「十二辰虫」と呼ばれていた。また、この避役は毒を持っている。なお、カメレオンは漢字で「避役」と書き、この幻獣の避役が由来となっている(カメレオンは「避役」の他にも「変色竜」とも呼ばれる)。

出典:
Wikipedia
和漢百魅缶 避役
RandDマネジメント ドットコム

作者ひとこと:
避役のデザインは、大きなヤモリの様な姿に描きました。

2019年8月2日金曜日

「マーラー・ダーリー」



マーラー・ダーリー

仏教の法華経陀羅尼品に登場する、法華経(ホケキョウ)を所持し伝える者を守護する10人の女性の鬼神「十羅刹女(ジュウラセツニョ)」の一人。マーラー・ダーリーは瓔珞(ヨウラク)を手に持っている女性の鬼神である。漢訳では「持瓔珞(ジヨウラク)」、「持華(ジケ)」という。

出典:
Wikipedia
仏様の世界

作者ひとこと:
マーラー・ダーリーのデザインは、瓔珞の様な触手の腕を持った、異形の女性の鬼神の姿に描きました。

2019年8月1日木曜日

「ピシャーチャ」



ピシャーチャ

インド神話に登場する種族で、悪鬼か悪霊の様な鬼神の一種。人の肉を喰らう食人鬼で、ヴェーダでは喰屍鬼とも呼ばれている。ピシャーチャ達は墓地を根城にし、暗闇を好み、人間を襲ってその人肉や血液を食べる。更にピシャーチャは人間の屍肉も好んで喰らい、夕暮れ時の火葬場でピシャーチャ達がブータやヴェータラ、ヤクシャなどの悪魔達と共に集まって跳梁し、その悪魔達の群れを見た人間は9ヶ月以内に死ぬという。更にピシャーチャは人間に視認出来ない様に自在に姿を変える事が可能で、人間があくびをした瞬間に口から入り込んで、取り憑いてしまう。その為インドでは、あくびをする時は口を手で覆ったり指を鳴らしたりして、ピシャーチャなどの悪霊が付け入る隙を作らない様にするといわれ、「アタルヴァ・ヴェーダ」には人間に取り憑いたピシャーチャを追い出す為の薬草やマントラ(呪文)が記されている。ピシャーチャの誕生には諸説あり、ブラフマーによって創られたとも、様々な悪鬼の母であるクローダヴァサーから産まれたともいわれる。ピシャーチャは「ヤジュル・ヴェーダ」ではアスラやラクシャーサと共に邪悪な悪鬼として語られ、「リグ・ヴェーダ」ではピシャーチャはインドラに打倒される存在とされている。なお、ピシャーチャは男性名詞で女性のピシャーチャはピシャーチーと呼ばれる。仏教では「毘舎遮(闍)」「畢舎遮」と音写された。この悪鬼達は人肉や人間の精気を食べる。また毘舎遮の足は反り返っているとされ、「反足」や「反足羅刹」などとも呼ばれる。毘舎遮は四天王の眷属である八種の鬼族・八部鬼衆の一種で毘舎遮達は持国天に眷属として仕えている。

出典:
Wikipedia
ピクシブ百科事典
神魔精妖名辞典

作者ひとこと:
ピシャーチャのデザインは、生き血の入った杯を持ち、人間の腕を食べようとしている一本角の鬼の様な姿に描きました。