ヤナ
埼玉県川越市の川越城趾でいう怪異。『十方庵遊歴雑記』にある妖怪、もしくは水神の類。川越城の三芳野天神下にある外堀は、伊佐沼と下で繋がっていたという。この堀には主が棲んでおり、それは「ヤナ」と呼ばれる怪物であった。川越城が攻められて敵兵がこの堀まで来ると、たちまち霧を吹いて雲を起こし、魔風を吹かせて辺りを暗夜のごとく暗くし、水を氾濫させて洪水を起こしたという。敵兵は天守閣が何処にあるのかわからないほどに、方向感覚を狂わされてしまう。そのため、川越城は「霧隠城」とも呼ばれた。城を建築した大田道灌(おおたどうかん)が、ヤナを防衛として利用し、
川越城を守るようにしたのだという。
出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳
日本妖怪大事典(角川書店)
作者ひとこと:
ヤナのデザインは、タテガミの様な髪を持った巨大な魚の姿の妖怪に描きました。
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