湖坊主(コボウズ)
茨城県霞ヶ浦に伝わる妖怪。明治三十年、土浦から蒸気船が乗客三十人を乗せて出航した。船中は賑やかであったが、突然静かになったので船員の一人が様子を見に行くと、乗客が一斉に船員の方へ振り向いた。その顔が全員天狗になっていたので驚愕したが、騒ぎを聞いた他の船員が駆け付けたときには、すでに元に戻っていたという。その後木原で乗客三十人が降りたが、気が付くと子供が一人乗っていた。子供は出たり入ったりを繰り返したが、いつしか消えていた。後に積み荷のワカサギが消えているのに気が付き「湖坊主」の仕業だと気が付いたのだという。
出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳
作者ひとこと:
湖坊主のデザインは、魚の様なヒレの手足を持った、天狗の様な顔の妖怪の姿に描きました。
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