テンカジン
日本の群馬県佐波郡上陽村大字上福島(現在の玉村町)に伝わる妖怪で、怪火または鬼火の一種である。「天火人」と表記される。「旅と伝説」に寄稿した高井義信が「天火人」という漢字をあてたといわれる。テンカジンは提灯程の丸い火の玉で、人の背後から飛び上がり、花火の様に破裂して降り注いで人を昏倒させ、その人の生き血を吸うといわれている。この地の領主であった「那波又太郎」は、上杉謙信に攻め込まれた際に籠城し、地元民に助けを求めたが断られ、恨みを残して死んでいったという。その恨みから那波又太郎の亡魂が「テンカジン」になったとも言われている。また、「テンカジン」の正体は貂であるとも言われている。ある人がテンカジンを刀で斬り、血の跡を辿ると、馬程の大きさもある貂の死体があり、それ以降テンカジンは出なくなったと言う。
出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳
作者ひとこと:
テンカジンのデザインは、鋭い牙の様な歯を持った顔が浮かび上がっている鬼火の姿に描きました。
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