カデシュ(ケデシュ)
エジプト神話に登場する女神。このカデシュは、ラメセス2世の時代から特に崇拝されるようになった女神で、このカデシュはシリア起源の女神である(カデシュはセム系の女神であるという)。このカデシュは、裸体で表される官能的な女神で、名前のカナン語「ケドシャ」は「神聖娼婦」を意味するが、このカデシュは単純な愛欲の女神ではない。カデシュは裸体で、正面を向いてライオンの上に立っており、手には花と蛇を握っている姿をしている。この姿はライオンや蛇など恐ろしいものを従えられる事を意味しており、魔除けの意味も表している。カデシュ信仰は、最初は異国人の間で広まっていたが、新王国時代以降はエジプト人の間でもさかんにカデシュは信仰されるようになった。しかし、カデシュ信仰は公式の信仰ではなく、民間信仰だったため記録が無く、どのようにカデシュが信仰されたかが良くわかっていない。カデシュは、愛と豊穣の女神という性格を持つ。カデシュは、同じシリア起源の女神「アナト」や「アスタルテ」と同一視されており、戦いの女神としての性格も持つ。またカデシュは、エジプトの戦いの女神である「セクメト」とも同一視され、疫病を支配するセクメト同様、病を癒すものとしての性格も得た。カデシュは、エジプト神話上の設定では美人とされ、「セト」を惑わしたともされる。カデシュは「レシェプ」と夫婦とされたが子供はいない。また別の説では、カデシュは、「アムル」の妻であるとも言われている。またカデシュは、「イシス」や「ハトホル」とも同一視されていた。
出典:
神様コレクション
作者ひとこと:
カデシュのデザインは、ライオンの上に乗り、手に花を持った女神の姿に描きました。
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