ハナススリハナアルキ
ハラルト・シュテュンプケが著したとされる「鼻行類(びこうるい)」の中で紹介されている、奇妙な構造を持つ動物の一種。鼻行類の原産地は、日本軍の捕虜収容所から脱走したスウェーデン人のエイナール・ペテルスン=シェムトクヴィストが発見した、南海のハイアイアイ群島である。ハナススリハナアルキは、ツツハナアルキ科のハナススリハナアルキ属に分類される。ハナススリハナアルキは、小形のハツカネズミ大の動物であるとのこと。この種族は、ハイダダイフィ島の流れの緩やかな小川の岸辺に生息するとされ、水の上に張り出した植物の茎にしがみつくようにとまっている。餌の捕まえ方が変わっており、長く伸びた鼻から細く長い糸を、鼻水のように水中へ垂らす。粘着力のあるこの糸に、小形の水生動物がくっついたところを、獲物(主として甲殻類や幼虫であるが、稀に小さな魚も含まれる)をある程度釣り上げてから、その極端に長い舌で鼻先から嘗めとる。これらの挙動緩慢で鈍感な小動物は、防衛手段としてよく動く長い尾を備えている。尾の先端には毒腺があり、その毒液は、毛が変形して生じた中空の爪に流れ込むようになっている。たいていは小群をなして暮らしているので、全員が一斉に尾を振り回して身を守ることができるという。
出典:
鼻行類(平凡社)
作者ひとこと:
ハナススリハナアルキのデザインは、長い鼻から鼻水の様な細く長い糸をたらした、小動物の姿に描きました。
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