自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2020年3月31日火曜日

「蝦蟇火」



蝦蟇火(ガマビ)

日本の岩手県紫波郡煙山村(現在の矢巾町)に伝わる妖怪で、怪火の一種である。蝦蟇火とは、蝦蟇が毎晩のように火柱を立てると言うものである。大字矢沢にある供養石から毎夜のように火柱が上がっていた。毎夜、火柱が上がるので、ある者が馬の爪切りで火柱を切りつけたところ、火柱は消え去った。翌朝、供養石の様子を見に行くと、大きな、年を経た古蝦蟇が頭を切られて死んでいた。

出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
蝦蟇火のデザインは、炎に包まれた蝦蟇の姿に描きました。

2020年3月30日月曜日

「びっくり坂」



びっくり坂(ビックリザカ)

日本の宮城県伊具郡筆甫村(現・丸森町)に伝わる妖怪、または怪異。裏ノ沢から鷲ノ平へ行く途中にある「びっくり坂」という場所を夜に通ると、冷たい手に顔を撫でられて、びっくりするのだと言う。

出典:
Wikipedia(「頬撫で」のページ)
妖怪邸・妖堂 日記帳(「とりあえず、頬撫で」のページ)

作者ひとこと:
びっくり坂のデザインは、坂の道の脇の草が繋がった藪の様な所から腕が生えていて、坂を通った人の顔を撫でようと待ち構えている感じに描きました。

2020年3月29日日曜日

「狐松明」



狐松明(キツネタイマツ)

日本の山形県や秋田県に伝わる妖怪で、怪火の一種である。山形県や秋田県では「狐火(キツネビ)」の事を「狐松明」と呼ぶ。狐松明は、狐の嫁入りの際に灯されている狐達の松明であると言われている。この狐松明を見る事が出来ると、これから何か良い事の起きる前兆であると言われている。

出典:
Wikipedia(「狐火」のページ)
妖怪邸・妖堂 日記帳

作者ひとこと:
狐松明のデザインは、火が燃えている松明を手に持っている狐の姿に描きました。

2020年3月28日土曜日

「泣息屋敷」



泣息屋敷(ナキヤミヤシキ)

日本の宮城県亘理郡亘理町逢隈に伝わる妖怪、または怪異。長健寺という寺の門前で、夜になると「おぶさったい」と泣き声がした。ある磊落な主人が、この「おぶさったい」と泣く者を背中におぶって、そのまま家に連れて帰ってみると、その者の夜泣きは止み、その者を背中から下ろしてみると、それは黄金であったという。

出典:
宮城妖怪事典(仮)

作者ひとこと:
泣息屋敷のデザインは、泣き顔の仮面を付けた精霊か妖怪の様な姿に描きました。

2020年3月27日金曜日

「瀬坊主」



瀬坊主(セボウズ)

日本の福島県及び宮城県を流れる阿武隈川の、福島県福島市の辺りの川の流れの中に現れると伝わる妖怪。夜、川漁をする者が、阿武隈川の激流の中に佇む人影を見る事があり、その人影が女の場合は「瀬女(セオンナ)」、その人影が男の場合は「瀬坊主」と呼ばれている。瀬坊主は、川の精霊や、水死した人間の亡霊の化身、または、川獺が化けたものであるなど、その正体については様々な説がある。

出典:
Wikipedia
妖怪邸・妖堂 日記帳
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
瀬坊主のデザインは、川獺の様な獣の様な顔と、霊や水の精霊を意識した水の様に不定形な感じの体をした妖怪の姿に描きました。

2020年3月26日木曜日

「瀬女」



瀬女(セオンナ)

日本の福島県及び宮城県を流れる阿武隈川の、福島県福島市の辺りの川の流れの中に現れると伝わる妖怪。夜、川漁をする者が、阿武隈川の激流の中に佇む人影を見る事があり、その人影が女の場合は「瀬女」、その人影が男の場合は「瀬坊主(セボウズ)」と呼ばれている。瀬女は、石女(ウマズメ※月のものを知らない女性、子供を産めない女性)の生霊であるとされ、睡眠中に霊が肉体から抜け出して、川の瀬に姿を現したものであると言われている。石女は月のものの苦痛の無い代わりに、瀬女となる苦行を神から課せられているのだと言われている。

出典:
Wikipedia
妖怪邸・妖堂 日記帳
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
瀬女のデザインは、手足の所が、着物の袖や裾の様にも、金魚のフリフリした胸ビレや尾ビレの様にも見える女の妖怪の姿に描きました。

2020年3月25日水曜日

「湖坊主」



湖坊主(コボウズ)

茨城県霞ヶ浦に伝わる妖怪。明治三十年、土浦から蒸気船が乗客三十人を乗せて出航した。船中は賑やかであったが、突然静かになったので船員の一人が様子を見に行くと、乗客が一斉に船員の方へ振り向いた。その顔が全員天狗になっていたので驚愕したが、騒ぎを聞いた他の船員が駆け付けたときには、すでに元に戻っていたという。その後木原で乗客三十人が降りたが、気が付くと子供が一人乗っていた。子供は出たり入ったりを繰り返したが、いつしか消えていた。後に積み荷のワカサギが消えているのに気が付き「湖坊主」の仕業だと気が付いたのだという。

出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳

作者ひとこと:
湖坊主のデザインは、魚の様なヒレの手足を持った、天狗の様な顔の妖怪の姿に描きました。

2020年3月24日火曜日

「狢の提灯」



狢の提灯(ムジナノチョウチン)

日本の茨城県東茨城郡に伝わる妖怪で、怪火の一種である。夜になると、木の上や林の中、野道の先の方などに、提灯の様な赤い色をした火の玉が、ちらちらと浮かんで現れるというもの。狢達がこの火を点していると言われている。狢の提灯の光は、ぼんやりしていて、光芒が無いので、それと分かるという。

出典:
和漢百魅缶
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
狢の提灯のデザインは、主に狢の事であるとされる穴熊が火の玉を点して、今まさに飛ばそうとしている姿に描きました。

2020年3月23日月曜日

「一口拍子木」



一口拍子木(ヒトクチヒョウシギ)

日本に伝わる妖怪、怪異。栃木県栃木市大平町西山田にある曹洞宗の寺院「大中寺(ダイチュウジ)」に伝わる「大中寺七不思議」の内の一つ。大中寺の東にある山の方から拍子木の音が一回だけ鳴るというもの。ただし、この拍子木の音は住職にしか聞こえず、住職以外の者には、この拍子木の音は聞こえないという。また、この拍子木の音が住職に聞こえた時は、寺に何か異変が起こると言われている。この拍子木の音が聞こえてから、寺が火事になったという話もある。この拍子木の音は天狗の仕業とされていたり、太平権現のお告げであるとされていたり、様々な説がある。

出典:
とある地域の妖怪事典blog(「東山の一つ拍子木」のページ)
日本伝承大鑑(「大中寺 七不思議」のページ)

作者ひとこと:
一口拍子木のデザインは、拍子木を咥えた鬼神の様な頭の、頭だけの妖怪の姿に描きました。

2020年3月22日日曜日

「送り狐」



送り狐(オクリギツネ)

日本の群馬県桐生市梅田町浅部字栗生に伝わる妖怪で、化け狐の一種。昔、この地には化け狐が住んでおり、夜な夜な一つ目小僧や大入道に化けては人々を脅していた。また夜道では大きな倒木に化けて、そこを通る人々の交通を邪魔したりした。ある夜、一人の山伏が夜道を歩いていると、例の化け狐が大木に化けて、その道を塞いでいた。しかし山伏は、この大木は狐が変化したものであると見破り、自身の仙術で逆に化け狐の変化を破って通り過ぎて行った。化け狐はそのままその場所で動けなくなってしまい、翌朝になって人々に見つかり、縛り上げられてしまった。人々は今まで散々この化け狐に化かされて来たので、捕まった化け狐に怨みを込めて「狐汁にしてしまえ」と口々に言って騒いでいる所に、昨夜の山伏がやって来て化け狐に「良いことをすれば良いことがあるが、悪さをすれば、このように悪い目に遭う」と諭した。そして山伏は化け狐に、これからは夜道を歩く人々の道案内をする事を勧め、狐の命を助けて山へ返してやった。以来、この狐は夜道の守り神となり、夜道を歩く人々が迷ったり危ない目に遭ったりしないよう、姿を消して、夜道を歩いている人の後ろの草むらでガサガサ音を立てながら、その人が無事に辿り着くまでの間、後をついて来て、その人の安全を守ってくれた。また、夜道を歩いている人、その人にしか聞こえない声で道を教え、道に迷わないように無事に送り届けた。以来、その辺りでは誰も夜道に迷わなくなり、この狐に送ってもらった人々は狐に感謝の意を込めて、狐に好物である油揚げや赤飯を供えるようになった。そして、いつしか誰となく、この狐を「送り狐」と呼ぶようになったという。

出典:
Wikipedia
和漢百魅缶

作者ひとこと:
送り狐のデザインは、手に短い錫杖と巻物を持った狐の姿に描きました。

2020年3月21日土曜日

「隠しん坊」



隠しん坊(カクシンボ)

日本の栃木県鹿沼市に伝わる妖怪。隠しん坊は、逢魔が時(夕暮れ時)に、外にいていつまでも家に帰らない子供を攫っていく怪物である。隠しん坊は、夕方頃に現れ、遅くまで遊んでいる子供や、かくれんぼをしている子供を攫う妖怪「隠し神」の一種である。

出典:
Wikipedia(「隠し神」のページ)

作者ひとこと:
隠しん坊のデザインは、布をマントの様に羽織った、異様な顔の怪人の様な姿の妖怪に描きました。

2020年3月20日金曜日

「テンカジン」



テンカジン

日本の群馬県佐波郡上陽村大字上福島(現在の玉村町)に伝わる妖怪で、怪火または鬼火の一種である。「天火人」と表記される。「旅と伝説」に寄稿した高井義信が「天火人」という漢字をあてたといわれる。テンカジンは提灯程の丸い火の玉で、人の背後から飛び上がり、花火の様に破裂して降り注いで人を昏倒させ、その人の生き血を吸うといわれている。この地の領主であった「那波又太郎」は、上杉謙信に攻め込まれた際に籠城し、地元民に助けを求めたが断られ、恨みを残して死んでいったという。その恨みから那波又太郎の亡魂が「テンカジン」になったとも言われている。また、「テンカジン」の正体は貂であるとも言われている。ある人がテンカジンを刀で斬り、血の跡を辿ると、馬程の大きさもある貂の死体があり、それ以降テンカジンは出なくなったと言う。

出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳

作者ひとこと:
テンカジンのデザインは、鋭い牙の様な歯を持った顔が浮かび上がっている鬼火の姿に描きました。

2020年3月19日木曜日

「ヤナ」



ヤナ

埼玉県川越市の川越城趾でいう怪異。『十方庵遊歴雑記』にある妖怪、もしくは水神の類。川越城の三芳野天神下にある外堀は、伊佐沼と下で繋がっていたという。この堀には主が棲んでおり、それは「ヤナ」と呼ばれる怪物であった。川越城が攻められて敵兵がこの堀まで来ると、たちまち霧を吹いて雲を起こし、魔風を吹かせて辺りを暗夜のごとく暗くし、水を氾濫させて洪水を起こしたという。敵兵は天守閣が何処にあるのかわからないほどに、方向感覚を狂わされてしまう。そのため、川越城は「霧隠城」とも呼ばれた。城を建築した大田道灌(おおたどうかん)が、ヤナを防衛として利用し、
川越城を守るようにしたのだという。

出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
ヤナのデザインは、タテガミの様な髪を持った巨大な魚の姿の妖怪に描きました。

2020年3月18日水曜日

「送り提灯」



送り提灯(オクリチョウチン)

日本に伝わる妖怪、怪異。本所(東京都墨田区)に江戸時代頃から伝承されている奇談・怪談である「本所七不思議」の内の一つ。提灯を持たずに夜道を歩く者の前に、提灯の様に揺れる明かりが、あたかも人を送って行く様に現れ、あの明かりを目当てに行けば夜道も迷わないと思って近付くと、不意にその明かりは消え、やがて明かりが付くので、近付くとまた消え、これの繰り返しで、いつまで経っても、その明かりに追いつけない、というもの。また、石原割下水では「提灯小僧」といって、夜道を歩いている者の側に小田原提灯が現れ、振り返ると提灯は後ろに回り込み、提灯を追いかけると提灯は姿を消すといった具合に、小田原提灯が前後左右に自在に動き回るという怪異の伝承があり、送り提灯と同様の怪異である。また、江戸時代には向島(現・東京都墨田区向島)で「送り提灯火(オクリチョウチンビ)」と呼ばれる、送り提灯と似た怪異の伝承もあった。ある者が提灯も持たずに夜道を歩いていると、提灯の様な灯火が足元を照らしてくれる。誰の灯火かと思って周りを見ても、人影は無く、ただ灯火だけがある。男は牛島明神(現・墨田区)の加護と思い、牛島明神に提灯を奉納したという。また、もしも牛島明神に提灯を奉納しないと、この提灯火に会う事は無いと言われた。

出典:
Wikipedia
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
送り提灯のデザインは、提灯を持った、蛙の様な顔をした女性の妖怪の姿に描きました。

2020年3月17日火曜日

「送り拍子木」



送り拍子木(オクリヒョウシギ)

日本に伝わる妖怪、怪異。本所(東京都墨田区)に江戸時代頃から伝承されている奇談・怪談である「本所七不思議」の内の一つ。江戸の本所割下水付近を「火の用心」と声を上げて唱えながら拍子木を打って夜回りしていると、自分は打ち終えたはずの拍子木の音が、どこからか別の拍子木の音が聞こえてくるというもの。どこからか聞こえてくる拍子木の音は、同じ様な調子が繰り返し聞こえ、あたかも自分を送っている様に鳴る。しかし夜回りが背後を振り向いても誰もいない。これは、実際には、静まり返った町中に拍子木の音が反響したに過ぎないとの指摘もあるが、雨の日に拍子木を打っていないのに、どこからか拍子木の音が聞こえてきたという話も伝わっている。

出典:
Wikipedia
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
送り拍子木のデザインは、拍子木を手に持った妖怪の姿に描きました。

2020年3月16日月曜日

「犬頭霊神」



犬頭霊神(イヌカシラレイシン)

日本で信仰されている神。犬頭霊神は福神であり犬の霊であるとされ、犬を守り福をもたらす神であるとされている。古くから人間と共同生活を営んできた動物の中でも、犬は狩猟や警備などの役割と共に、精神的な面において人間と強い繋がりを持ってきた。特にその忠誠心の強さは、人間の心の支えとなり、時には人間の危難を救ったりして、多くの忠犬伝説などを生んでいる。また、その本性として備えている優れた嗅覚などからも霊力を持つと考えられてきた。不思議な神通力を発揮する霊的存在としての犬の伝説も生まれ、神に祀られる例も多い。特に霊威を発揮したと語られるのが白犬で、その白犬が神格化されたものが「犬頭霊神」と呼ばれて、愛知県岡崎市宮地町にある神社「糟目犬頭神社」の祭神とされている。社伝によれば、元は領主の飼っていた白犬であったといい、この白犬の伝説が残っている。天正年間(1573~1592)のこと、領主の「宇津左衛門五郎忠茂」が、愛犬の白犬を連れて狩りに出かけたところ、山中で邪気にあたって急に眠気に襲われ、近くの大樹の下で横になった。すると急に愛犬が耳元で激しく吠えた為、心地良い眠りを邪魔された事に激怒した忠茂は、刀を抜くなり犬の首を討ち落としてしまった。その途端に胴体から切り落とされてしまった犬の首は飛び上がって、樹上にいた大蛇に噛み付き、堪らず大蛇が落下した所を忠茂が刀で大蛇を斬り殺した。愛犬は、樹上から忠茂を眠らせて飲み込もうと狙っていた大蛇から主人を守ろうとしていたのである。それを知った忠茂は犬の忠義に感銘するとともに、はやまった自分の行為を悔やみ、その犬の首を葬った場所に社を建て、手厚く祀ったという。家の経済的困窮を助けて福(富)をもたらす話など、類似した忠犬伝説は各地に見られ、犬塚などと呼ばれて祀られている場合もある。また昔話や民話では、犬が地下から金銀財宝を掘り出す不思議な神通力が語られている。犬頭霊神の信仰も、犬の優れた忠誠心と富をもたらす神通力がミックスされて、招福の霊験があると信じられているのである。犬頭霊神は、犬の安全、福徳招来、家内安全などにご利益のある神であるとされている。

出典:
日本の神々 多彩な民俗神たち(新紀元社)

作者ひとこと:
犬頭霊神のデザインは、御幣と大きな鈴が付いた注連縄を付けた、頭だけの白犬の姿の神に描きました。

2020年3月15日日曜日

「大蓮寺」



大蓮寺(ダイレンジ)

日本の埼玉県川越市石原町に伝わる妖怪で、怪火の一種である。「大蓮寺」という名前は、この怪火が、かつてこの地にあった大蓮寺というお寺から出現したので、この名前で呼ばれている。この怪火は9月から2月の小雨の夜に田んぼの小道を歩いていると現れる。この怪火は人の目の前までやって来て、怪火が幾つにも分かれる。この大蓮寺に出会っても、構わずにいれば大蓮寺は自然と遠くに飛んで行ってしまうが、大蓮寺と出会った時に驚いて騒いでしまったり、大蓮寺の火を消そうとしたりすると、大蓮寺はその様な事をした人の目の前を遮ったり、その人の持っている傘に取り付いたりして、その人を酷い目に遭わせるとされている。大蓮寺は怪火であるが、火とはいっても大蓮寺の火は物を燃やす事は無いという。

出典:
妖怪邸・妖怪堂 日記帳
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
大蓮寺のデザインは、顔がある火の玉の様な怪火の姿に描きました。小雨の降る夜の田んぼの上をフラフラと飛び回っているイメージです。

2020年3月14日土曜日

「牛神」



牛神(ウシガミ)

日本で信仰されている神。今は農耕も機械化されて、日本では田畑で働く牛の姿を見る事はほとんど無くなった。しかし、戦後の高度成長期までは、牛は農業を支える重要な労働力として農民に親しまれ、農家の生活を支えていた。それだけに、人々は普段から牛の安全や無病息災を牛の守護神に祈願した。牛の守護神とされているのは、牛馬守護の「馬頭観音」や農業神として信仰される神々など様々だが、特に「牛神」として祀られる神も各地にみられる。近畿地方の農民の間で信仰されている農業神に「野神(ノガミ)」と呼ばれる神様がいる。この野神は本来、水神・農業神としての性格を持っており、豊作を守り、農耕の貴重な労働力である牛馬、特に牛を守る霊力を発揮する神であるともされている。野神の祭日の5月5日の節句には牛を連れてお参りし、牛の無病息災を祈願する習慣もある。この地方には野神の信仰と重なるように、牛神が数多く祀られている。おそらく牛神は元々、野神の一機能として信仰されていたものが、野神から次第に分かれて独立した名称で祀られるようになったものではないかと考えられる。そのきっかけは、自分の飼っている大事な牛が死んだ時に、その牛の霊を鎮魂する為に、野辺に石碑を立てて祀った事である。牛神の本性は農業神であり、牛の霊でもあるのだ。牛神が祀られている場所は、一般に村境、道の辻、山の麓、丘の上などである。その様な場所に「牛神」「牛神さま」と刻んだ石碑を納めた小祠が建っている。他にも石碑だけがぽつんと立っていたり、村境や、山と里の境にあたる場所にある塚や特徴のある樹木(松の老木など)が牛神とされている場合もある。牛神の祭日は、だいたい旧暦7月7日で、この日を「牛の盆」「牛の節句」と呼んで、牛に御馳走を食べさせたりして、牛神にお参りする。この祭りの主役が子供達である事も特徴で、子供達が麦藁で作った牛の人形を牛神に供えたりする習慣もある。もちろん、普段でも新しく牛を買った時、飼っている牛が妊娠した時、仔牛が産まれた時、牛が病気になった時など、ことあるごとに牛神に守護をお願いするのである。牛神は牛の安全や健康を守る神であり、そのご利益は牛の安全、無病息災、安産、仔牛の成育であるとされる。更に農業での豊作や、人々の家内安全にもご利益のある神でもあるとされる。また、牛神を祀る場所は、境の神や道祖神、馬頭観音などと共通する所が多い。これは牛神が境界神としての性格も持っているという事である。

出典:
日本の神々 多彩な民俗神たち(新紀元社)

作者ひとこと:
牛神のデザインは、沢山の御幣や大きな鈴などを付けた、牛の頭の姿の神に描きました。

2020年3月13日金曜日

「風玉」



風玉(カゼダマ)

日本の岐阜県揖斐郡揖斐川町に伝わる妖怪で、怪火または鬼火の一種である。歴史的な大風などの暴風雨が起こった際に現れる球状の怪火で、この怪火の大きさは、器物の盆くらいの大きさであり、明るい光を放っている。明治30年に起こった大風の際には、この風玉が山から出没して、宙を舞っていた。またその時、風玉は、明るい光を放ちながら宙を漂い、出没した山から何度も行き来するという動きをしていた。

出典:
Wikipedia(「鬼火」のページ)
怪異・妖怪伝承データベース

作者ひとこと:
風玉のデザインは、顔が浮かび上がった玉を火が包み込んでいる様な姿に描きました。

2020年3月12日木曜日

「ツンツン様」



ツンツン様(ツンツンサマ)

日本の千葉県安房郡三芳村増間(現在の千葉県南房総市の増間)に伝わる妖怪。増間には通称「トリゴエ」という場所があり、夕方になると、このトリゴエをツンツン様と呼ばれる魔物とも妖怪ともされている存在が通ると言われている。トリゴエをツンツン様が通る時には、生暖かい風が吹き、そうなると、牛等の大型の動物でも怯えてしまうという。

出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
ツンツン様のデザインは、ヤマアラシの様に体に刺の生えた怪物の姿に描きました。

2020年3月11日水曜日

「イワコシンプ」



イワコシンプ

北海道を主な居住圏とする民族である、アイヌに伝わる妖怪。イワコシンプは、人間の異性に懸想して取り憑く動物である「コシンプ」の一種であり、イワコシンプの「イワ」とは「山」を意味し、イワコシンプは人間の異性に懸想して取り憑く、狐などの山林の動物のコシンプの事を言う。イワコシンプは、人間の姿に変化するとされ、取り憑く相手の人間の異性の前に姿を現す際には、人間の絶世の美女の姿に変化して現れるとされる。イワコシンプなどコシンプには善悪二者が存在しているとされ、悪いコシンプは人間に取り憑いて悪事を働くとされる。またコシンプに取り憑かれた人間は、どんな者でも何年かのうちに必ず死んでしまうともされている。アイヌでは、人間の気が狂うのは、他者に呪われたか妖魔が取り憑いたかのどちらかが原因とされ、人間に取り憑いて気を狂わす妖魔とされるのは、淫欲を司るカムイ(アイヌにおいて、神格を有する高位の霊的存在の事)である「パウチカムイ」とコシンプであるとされ、コシンプは人間を狂気に陥れてしまう存在であるとされる。一方、善いコシンプは、取り憑いた相手の憑神(トゥレンペ)になるとされ、憑神となったコシンプは善神として、取り憑いた相手を良い運命や幸せに導いてくれるとされる。

出典:
Wikipedia
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
イワコシンプのデザインは、狐の姿の精霊に描きました。狐の姿といっても、人間に取り憑くので、目には見えない、霊体のイメージです。

2020年3月10日火曜日

「ルルコシンプ」



ルルコシンプ

北海道を主な居住圏とする民族である、アイヌに伝わる妖怪。ルルコシンプは、人間の異性に懸想して取り憑く動物である「コシンプ」の一種であり、ルルコシンプの「ルル」とは「波」を意味し、ルルコシンプは人間の異性に懸想して取り憑く、アザラシなどの海獣類のコシンプの事を言う。ルルコシンプは、人間の姿に変化するとされ、取り憑く相手の人間の異性の前に姿を現す際には、人間の絶世の美女の姿に変化して現れるとされる。またルルコシンプは人魚の様なものであるとされている事もある。ルルコシンプなどコシンプには善悪二者が存在しているとされ、悪いコシンプは人間に取り憑いて悪事を働くとされる。またコシンプに取り憑かれた人間は、どんま者でも何年かのうちに必ず死んでしまうともされている。また、人間を狂気に陥れてしまうものが、コシンプであるとも言われている。ある伝説によれば、ルルコシンプに取り憑かれた女性が良い声で「海へ来い。海へ来い」と誘う歌を歌う事がよくあり、その声は潮の響きの様な良い声であったが、その顔は、いつも呆気の様に無表情であったという。一方、善いコシンプは、取り憑いた相手の憑神(トゥレンペ)になるとされ、憑神となったコシンプは善神として、取り憑いた相手を良い運命や幸せに導いてくれるとされる。

出典:
Wikipedia(「コシンプ」のページ)
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
ルルコシンプのデザインは、アザラシの姿の精霊の姿に描きました。アザラシの姿といっても、人間に取り憑くので、目には見えない、霊体のイメージです。

2020年3月9日月曜日

「土公神」



土公神(ドコウシン、ドクシン、ドクジン)

古代中国で生まれた自然哲学思想と陰陽五行説を起源として、日本で独自の発展を遂げた「陰陽道」における神の一柱。土公神は土を司る神であるとされ、季節によって遊行するとされる土公神は、春は竈に(古い時代、竈は土間に置かれ、土や石で出来ていた)、夏は門に、秋は井戸に、冬は庭にいるとされ、土公神がいる場所(春は竈、夏は門、秋は井戸、冬は庭)の土を動かす工事を行うと、土公神の怒りを買い、土公神の祟りがあるとされた。また、土公神は竈の神でもあるとされ、竈に土公神を祀り、土公神に朝晩必ず灯明を捧げる事、とされた。土公神は不浄を嫌う神であるとされ、土公神を祀っている竈に刃物を向けてはならないとされた。土公神は仏教における「堅牢地神(ケンロウチシン)」(「地天」の事)と同体であるともされている。また、神仏習合において、土公神の本地仏(神の正体とされる仏)は普賢菩薩であるとされる。

出典:
Wikipedia
コトバンク

作者ひとこと:
土公神のデザインは、白目の恐ろしい鬼神の様な顔の神の姿に描きました。

2020年3月8日日曜日

「高神様」



高神様(タカガミサマ)

日本で信仰されている神。高神様は高い所にいる神であるとされ、民間では漠然として神全般を意味するともされる。また高神様は霊威の強い神であるともされ、高神様とされる対象も一定せず、各地の大社の神々の事であるともされれば、天上にいる神の事であるともされた。また高神様は現世利益の神であるともされる。一方で高神様は良く祟る神であるともされている。高神様は天狗と混同される事もあると言う。

出典:
Weblio辞書
コトバンク

作者ひとこと:
高神様のデザインは、高い所や天上にいる神とされているので、雲に乗っている神の姿に描きました。高神様は霊威の高い高貴な神をイメージしたので、顔を隠している姿にしてみました。

2020年3月7日土曜日

「飛び神」



飛び神(トビガミ)

日本で信仰されている神。飛び神は、ある場所に示現するにあたって、その場所へと飛来した神の事を言うとされている。また、他の地から飛来して、新たにその土地で祀られる神の事も飛び神と言うとされる。また、「飛び神」と言う名前から、天空を飛翔する神であるともされる。山形県南置賜郡中津川村では、夜、子供の着物を干しておくと、その着物に「通り神(トオリガミ)」(または、飛び神)と言う神が取り憑くとされた。

出典:
Weblio辞書
コトバンク
怪異・妖怪伝承データベース

作者ひとこと:
飛び神のデザインは、神の御神体である神鏡(しんきょう)に神の眼だけが写っている姿に描きました。この神鏡が空を飛んで別の場所にやって来るイメージです。

2020年3月6日金曜日

「産神」



産神(ウブガミ)

日本で信仰されている神。産神は妊婦と生児を守ってくれる神であり、この神は、出産の前後を通じて、妊婦や胎児・生児を守り、また出産に立ち会い見守ってくれる神であるとされている。日本では「産の忌」があり、出産は穢れ多いものとして、神参りを遠慮させられたが、この産神だけは産の忌の不浄を忌まず、出産の場にやって来て、妊婦と胎児・生児を守護してくれる。また産神は妊娠、安産に効がある神としても信仰されている。出産直後、氏神などから迎えた小石を産飯(出産直後に炊く飯)や酒とともに供える。この小石を「産石(ウブイシ)」と言い、産神の宿った神体の石であるとされる。また東北地方では山の神を産神として伝承しているが、これは山の神が女神で、お産をするという考え方が根拠になっていると思われる。山の神を産神としている地方では、妊婦が産気づくと、夫が馬を引いて山に山の神を迎えに行く。すると、山中で馬が身震いしたり鳴いたりする。それは山の神が馬に乗り移ったしるしであるとされ、そのまま馬を引いて家に帰る。すると間もなく出産となるという。逆に、この山の神(産神)が来ないとお産が出来ないとされる。また山から家に迎えられた山の神は、障子や桟や長持の上に腰掛けているとされた。また産神は、山の神以外にも、箒神や便所神、道祖神、子安神などの神が産神だとして信仰されている。箒神を産神としている所では、箒神が来ないと子供が産まれないといい、女性は箒を跨いではいけないとされた。また出産の際に妊婦の近くに箒を立てたりする。便所神を産神としている所は関東に多く、女性は平素便所をよく掃除すると、綺麗な子供が産まれると言われている。また生児の初宮参りには便所に連れて行き、便所神に米、鰹節を供える風習もある。産神は出産と同時に来て、妊婦と子供を守護するともされ、出産から三日目か、七夜(出産後七日目の祝い)には、その場を立って行くとされた。

出典:
コトバンク

作者ひとこと:
産神のデザインは、臨月の妊婦の様なお腹の女性の精霊か霊の様な神の姿に描きました。

2020年3月5日木曜日

「金精神」



金精神(コンセイシン)<金精大明神(コンセイダイミョウジン)、金精様(コンセイサマ)、カナマラさま>

民間の性神信仰の一種で、男根の形をした御神体を祀った神の一柱である。「金精」以外に、金勢、金清、金生、魂生、根性、根精など、さまざまな当て字がされ、「金」は金色に輝くような、「精」は勢であり精力絶倫な男根を意味しているとされる。広義では男根の形をした御神体を祀った神全般を指すこともあり、栃木県などの一部地域では、同じく男根の形をした御神体を祀った道祖神(塞の神)と習合してしまっている例が多い。しかし、基本的に男根形の道祖神(塞の神)と金精神は異なる神である。縁結びや夫婦円満、妊娠や安産祈願、婦人病や性病などの平癒に霊験があるとされ、ほかにも豊穣や生産に結びつくことから商売繁盛に霊験があるともされる。その根底には豊穣と繁栄の願いがあると見られ、生産に結びつく性器崇拝の信仰から始まったとされている。祀った神社は、東北地方から関東地方にかけての地域に多く見られる。近世まで各地に分布していたが、明治維新後に淫祠邪教(いんしじゃきょう)の典型として弾圧されたため、ほとんどが廃棄され、露骨な形態から風紀上好ましくないものとされ、秘め隠されたり迷信扱いされたりもしてきた。金精神を祀る神社としては、金属製の男根を御神体としている巻堀神社(岩手県盛岡市)や、巨根として知られる道鏡の男根を御神体として祀ったのが始まりとされる金精神社(栃木県と群馬県の境の金精峠)などが有名である。巻堀神社には天保四(一八三三)年に奉納されたという陽物などが今も鎮座し、崇拝されている。熱心な信者は木や石で作った陽物を捧げて祈るという。また、古来より温泉は女陰であるとされていることから、温泉が枯れずに湧き続けるように、男根である金精神を祀っているという温泉も多い。金精神を祀っている温泉としては、大沢温泉(岩手県花巻市)や蒸ノ湯温泉(秋田県鹿角市)などが知られている。

出典:
Wikipedia
図解 日本の神々(学研パブリッシング)

作者ひとこと:
金精神のデザインは、下半身が男根の様な神の姿に描きました。

2020年3月4日水曜日

「聾神」



聾神(ツンボガミ)

日本で信仰されている神。「聾(ツンボ)」とは「耳が聞こえない事、またその人」を意味し、聾神とは耳が聞こえない神の事である。日本では古来より神は、不具者の姿で現れるという信仰がある。盲目の神や片目の神、片足の神等、多数の神が、この様な不具の部分を持っているとも言われている。沖縄県では、火の神が耳の聞こえない神であるとされる。その為、竈や囲炉裏等の火の前で大声を出したり、物音を立てたりするのは、火の神に対して失礼であるとされ、その様な事をする妻は失格とされたと言う。逆に大阪府の今宮戎神社や名古屋の熱田等では、祀られている神が耳が遠い為、神社の羽目板や拝殿の戸を打ち鳴らして、神に知らせたと言う。また屋敷神がキンカ(新潟県等で耳の遠い人の事)であるからと、一升瓶に煎り豆を入れて、それをガラガラ鳴らして屋敷神にお供えする所もある。また聾神は聾であるが故に、耳の病気を救ってくれる神でもあるとされる。また、道祖神を「キンカ様」と呼んで、耳の病の神として、このキンカ様に蝉の抜け殻を年の数だけ供えるという。

出典:
アリアドネの意図

作者ひとこと:
聾神のデザインは、雲に乗った男神の姿に描きました。

2020年3月3日火曜日

「オイツキ様」



オイツキ様(オイツキサマ)

日本で信仰されている神で、岡山県北部、鳥取県、島根県に伝わっており、信仰されている。オイツキ様は境内末社の神として祀られている事が多い。また、オイツキ様を祀る社の祭神が宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)や保食神(ウケモチノカミ)とされる事から、オイツキ様は稲荷神(イナリガミ)と関係がある農村の神であるといわれている。また、オイツキ様は狼と兎と狐の融合した様な姿の「ヤッテイ様」という神使をお使いとしている。

出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳(「とりあえず、オイツキ様とヤッテイ様」のページ)
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
オイツキ様のデザインは烏帽子を被り、狩衣を着て、笏を持った神の姿に描きました。オイツキ様は稲荷神と関係のある神とされているので、狐の様な動物の頭をしています。

2020年3月2日月曜日

「ヤッテイ様」



ヤッテイ様<ヤッテイ狐、オヤテイ狐、オヤテイ様、ヤッテ>

岡山県北部、鳥取県、島根県などに伝わる神「オイツキ様」の使いである。オイツキ様は稲荷神と関係のある農村の神で、このヤッテイ様も、稲荷神社の神使である狐に似た動物の姿をしている。人に憑く狐が多い岡山県でも、ヤッテイ様だけは人に憑かないといわれている。真庭郡落合町(現在の真庭市上河内)の熊野神社に奉納されている銅板絵馬には、狼と狐と兎を足したような、二匹のヤッテイ様の浮き彫りが描かれている。オイツキ様を祀る家に凶事が起こりそうになると、ヤッテイ様は「キャーンキャーン」という普通とは違う尾を引いた鳴き声で知らせ、それでも気づかないでいる場合は雨戸を叩いて知らせるという。頭人(とうにん※ヤッテイ様を祀る祠の主人)がそれに気づくと、すぐに一升枡に米を入れ、家の角に置いて礼を述べるという。

出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳(「とりあえず、オイツキ様とヤッテイ様」のページ)
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
ヤッテイ様のデザインは、伝承通り、狼と狐と兎が融合した様な幻獣の様な姿に描きました。

2020年3月1日日曜日

「小一郎様」



小一郎様(コイチロウサマ)

日本で信仰されている神で、福岡県、大分県、熊本県に伝わっている。特に大分県の国東半島を中心として、小一郎様信仰は分布している。小一郎様を祀っている大部分は社殿を持たない石祀で、他にも大木の根元や藪の中に、御神体が露出して祀られていたり、御神体も無く森のみで祀っている所もある。この小一郎様という神は、災難厄除け、お産、屋敷の神であるとされる。また小一郎様は大変気性が荒く、祟る神であると言われ、小一郎様を祀っている祠を移動させたり、小一郎様が祀られている森の木や、この森の周りの木を伐ったりすると小一郎様が怒り、祠を移動させたり木を伐ったりした人を祟るのだという。その為、小一郎様を祀る森は聖地とされ、誰一人その森に触れようとせず、森は藪の様になっている事が多い。この小一郎様という神がどの様な神かというのにも様々な見解があり、小一郎様は屋敷を守護する神で、その家屋敷に住む人々の祖先を神として祀ったものだとか、福岡県行橋市津積馬ヶ岳にあった馬ヶ岳城の城主「新田小一郎義氏」、若しくは新田氏関係者を神として祀ったもの、久留米市にあった城島城の城主「城島小一郎」を神として祀ったものだとか様々である。「新田小一郎義氏」や「城島小一郎」、新田氏関係者を祀った神が小一郎様であるとした説では、小一郎様は御霊神的な性格が強い神であるとされている。

出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳
佐田地区まちづくり協議会

作者ひとこと:
小一郎様のデザインは、怪火と伴って現れる能面の様な姿に描きました。祖先神であったり、御霊神であったり、祟る神であるともされているので、怖い神のイメージです。