自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2025年7月9日水曜日

「ハントゥ・ソンケイ」


ハントゥ・ソンケイ<ハンツー・ソンケイ>


作者ひとこと:
ハントゥ・ソンケイの姿は、大きな眼と長い鼻、長い腕を持った、胸から上だけの姿の魔物に描きました。

2025年7月7日月曜日

「ハントゥ・シブル」


ハントゥ・シブル<ハンツー・シ・ブル>


作者ひとこと:
ハントゥ・シブルのデザインは、漂う燐火、怪火の群れを引き連れた、悪魔、または魔物の様な姿に描きました。

2025年7月4日金曜日

「ハントゥ・デネイ」


ハントゥ・デネイ


作者ひとこと:
ハントゥ・デネイのデザインは、蹄のある手足を持った、獣の様な姿の妖怪、または精霊の姿に描きました。

2025年7月2日水曜日

「あごの精」


あごの精(アゴノセイ)<ベス・ダグ>

マレーシアに伝わる妖怪の一種。マレーシアでは、耳下腺炎(いわゆる【おたふく風邪】の事)を引き起こすのは、この「あごの精」が原因だと言われている。この妖怪は、路上、中でも狭い道に棲んでいて、歩きながら左右に唾を吐く悪癖がある。そのあごの精が吐く唾がかかってしまった人は、おたふく風邪になってしまうという。おたふく風邪というのは流行性のものだから、おたふく風邪が流行った時には、きっとこの妖怪の動きが活発になっているのだろう。

出典:
ピクシブ百科事典(「マレーシアの妖怪」のページ)
妖怪世界遺産

作者ひとこと:
あごの精のデザインは、頭と手と足だけの姿をした妖怪に描きました。

2025年6月30日月曜日

「月の精」


月の精(ツキノセイ)<ベス・ブラン>

マレーシアに伝わる妖怪の一種。この月の精は、月に棲んでいる妖怪である。この月の精は、月の明るく輝く夜に、月光が照らしている所の大地へ降りてくると言われている。こんな時に子供が月を見たりすると、わけもなく泣き出して止まらなくなってしまうという。また、この月の精は、果実の季節になると、ジャングルの中の、小さな丘の上に棲むようになり、「オイ、オイ」と鳴いて、人間を誘い出し、その人間を食べてしまうとも言われている。

出典:
ピクシブ百科事典(「マレーシアの妖怪」のページ)
妖怪世界遺産

作者ひとこと:
月の精のデザインは、顔がある三日月の様な姿をした妖怪に描きました。

2025年6月27日金曜日

「ハントゥ・カユ」


ハントゥ・カユ<ハンツー・カユ>


作者ひとこと:
ハントゥ・カユのデザインは、牙の生えた大きな口と、八本の細長い腕を持った魔物の姿に描きました。

2025年6月25日水曜日

「愚鈍の精」


愚鈍の精(グドンノセイ)<ベス・ブドル>

マレーシアに伝わる妖怪の一種。愚鈍の精は、マレーシアのジャングルの中の、木の上を棲家としている妖怪で、愚鈍の精のいる木の下を通る人間に向かって、愚鈍の精は木の葉や果実を投げつける。これに当たってしまった人はとても愚かになってしまうと言われ、この妖怪の名前を、<愚鈍の精>という。すなわち、この愚鈍の精は<人間を愚鈍にさせてしまう妖怪>なのであるという。

出典:
ピクシブ百科事典(「マレーシアの妖怪」のページ)
妖怪世界遺産

作者ひとこと:
愚鈍の精のデザインは、頭と、そこから生えた二本の腕だけの姿をした妖怪に描きました。

2025年6月23日月曜日

「ワン・ハンデッド」


ワン・ハンデッド<ベス・ティン・ニウェイ>


マレーシアに伝わる妖怪の一種。このワン・ハンデッドは、マレー半島の低い丘に棲んでいる妖怪である。ワン・ハンデッドは、胸から腕が1本だけ伸びている姿をしている。このワン・ハンデッドは、人間から色々な事を学びたがっている。その為、ワン・ハンデッドは人間と出会うと、笑って、その人間に付いて来る。もしワン・ハンデッドに捕まってしまうと、その人間の姿は他の人間達からは見えなくなってしまい、ワン・ハンデッドと、ワン・ハンデッドに捕まった本人の二人だけが、お互いの姿を見る事が出来る、という状況なってしまう。ワン・ハンデッドはこうして、人間との対話を行うのである。ワン・ハンデッドに捕まってしまった時は、ワン・ハンデッドが満足する様な話をしたり、教えてあげたりすれば、ワン・ハンデッドはその人をすぐに解放してくれる。しかし、ワン・ハンデッドが満足しないと、満足するまでなかなか帰してもらえない。下手をすると一生ワン・ハンデッドに捕らわれたままになってしまう事もある。一説にはワン・ハンデッドは女性をひきつける方法を知ろうとして、それを人間から学びたくて、人間を攫うのだとも言われている。

出典:
アリアドネの意図
ピクシブ百科事典(「マレーシアの妖怪」のページ)
妖怪世界遺産

作者ひとこと:
ワン・ハンデッドのデザインは、胸から腕を1本だけ生やしている姿の妖怪に描きました。

2025年6月20日金曜日

「ハンプバック」


ハンプバック<ベス・ブンコック>


マレーシアに伝わる邪悪な精霊、または魔物、妖怪の一種。このハンプバックは、角の様に長くピンと伸びた耳と耳まで裂けた口を持ち、うなじから背中にかけて鋭いトゲが生えた姿をしている。見るからに邪悪な顔つきで、西洋で言われる「悪魔」に似ている。このハンプバックは、長い間人が住むことなく放置された古い空き家に出現する。ハンプバックは身軽で、空き家の中を動き回っている。この空き家に足を踏み入れた人間がいると、ハンプバックは襲い掛かり、即座に捕まえて、その捕まえた人間の背中の背骨を捻じ切ってしまう。また、これと同じ名前(ハンプバック、ベス・ブンコック)で呼ばれているものが、ジャングルの木々の上に棲みついているともいわれる。こちらは自身が棲み処としている木の根っこを歩いたり、跨いだりする不届き者がいると、その不届き者の背中を襲って、腎臓が痛む慢性的な病を患わせてしまうという。両者は同一ではないが、襲われると似たような症状になるので同じ名前で呼ばれている。

出典:
ピクシブ百科事典
神統録@ウィキ
妖怪世界遺産

作者ひとこと:
ハンプバックのデザインは、背中にトゲの生えている獣の様な姿の魔物に描きました。

2025年6月18日水曜日

「ビディ」


ビディ<ベス・ビディ、ハントゥ・ブソン>


ビディは、マレー半島のマレーシアに住むジャ・フー族が伝承する妖怪である。このビディは獣の様な耳を持ち、手足が長く、腹が風船の様に膨らんだ姿をした妖怪である。このビディは、マレーシアの川の中の泥や、川床の穴の中に棲んでいるといわれる。この妖怪が何を食べているのかという事はよく分かっていないが、知られているのは、この妖怪が自分の住処である川の中で小便をするという事である。このビディの小便には毒素が含まれているらしく、時々川で泳ぐ人が足から腹にかけて痛みを感じる事があるのは、その川を住処にしているビディの小便によるものだと考えられている。すなわちこの妖怪は、川の水を汚染するのである。小便の混じった水のせいで痛みを感じるくらいだから、もし誤ってこの水を飲んで(または、口の中に入って)しまったら、生命に関わる大事となるのは必至だ。また、大事にいたらなくても、この妖怪の姿と同じ様に腹が膨らむ事があるというので、人々は大変このビディを恐れている。

出典:
ピクシブ百科事典
妖怪世界遺産

作者ひとこと:
ビディのデザインは、大きく膨れた腹と、長い手足を持った妖怪の姿に描きました。

2025年6月16日月曜日

「土の精」


土の精(ツチノセイ)<ベス・ブミ、ハントゥ・ブミ>

土の精は、マレー半島のマレーシアに住むジャ・フー族が伝承する妖怪である。この土の精は、腕にあたるものが無く、魚の背の様な形の禿頭で、上顎に一本、下顎に二本の牙を持つ姿をしているという。この土の精は土中に棲んでおり、昼夜問わず人間の子供に取り憑く。この土の精に取り憑かれた子供は気を失って倒れてしまい、ひどい場合はそのまま死んでしまう事もあるという。遊んでいて、また歩いているところを不意に襲われ、それっきりという事になるわけで、子供にとっては、この土の精は恐怖の対象であり、子供の親にとって土の精は忌むべき存在である。この様に土の精は、子供に取り憑いては気を失わせ、最終的には殺してしまうという怖ろしい精霊であるとされている。この土の精は、土の中にいるという事だけで、その範囲はとてつもなく広く、出没は気まぐれである。

出典:
ピクシブ百科事典
妖怪世界遺産

作者ひとこと:
土の精のデザインは、口の中に牙を持った、大きな頭の妖怪に描きました。

2025年6月13日金曜日

「ハントゥ・リンバ」


ハントゥ・リンバ


作者ひとこと:
ハントゥ・リンバのデザインは、ラフレシアの様な頭を持った魔物の姿に描きました。森に住んでいる魔物のイメージです。

2025年6月11日水曜日

「ハントゥ・バカル」


ハントゥ・バカル


作者ひとこと:
ハントゥ・バカルのデザインは、ジャングルに住んでいる妖怪、または悪霊だというので、イラストのハントゥ・バカルは、ジャングルにいるウツボカズラの様な姿をした妖怪に描きました。

2025年6月9日月曜日

「猫児卵」


猫児卵(ネコノタマゴ)

猫の顔のような、小さい冬瓜くらいの大きさをしたふしぎな卵のようなかたちのもの。普段は地中にいるが、栗の花の咲く五月ころにだけ土から出て来るという。玄紀先生「日東本草図纂(にっとうほんぞうずさん)」(巻十二)にみられるはなし。武蔵国の中延(東京都品川区)の摩耶寺の山林で切り出しておいた木の下にこれを見つけたので、掘り出そうと思って寺から鋤を借りて来たら、もう地中深くにもぐってしまっていたという。大陸に伝わる地中にいる土の妖怪「墳羊(フンヨウ)」の仲間ではないか、という補註も施されているが詳細は不明である。

出典:
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)

作者ひとこと:
猫児卵のデザインは、猫の様な顔を持った、卵形の生き物の姿に描きました。

2025年6月6日金曜日

「隠しん坊」


隠しん坊(カクシンボ)



作者ひとこと:
隠しん坊のデザインは、坊主頭の怪物の姿に描きました。

2025年6月4日水曜日

「隠し坊主」


隠し坊主(カクシボウズ)


作者ひとこと:
隠し坊主のデザインは、五つの眼を持った、僧侶の様な姿をした妖怪に描きました。

2025年6月2日月曜日

「金山毘売神」


金山毘売神(カナヤマビメノカミ)


日本神話に登場する、鉱山の神。「古事記(こじき)」では、「火之迦具土神(ヒノカグツチノカミ)」を生んだ「伊邪那美神(イザナミノカミ)」が陰部を火傷し、床に臥せって嘔吐した際、「金山毘売神(カナヤマビメノカミ)」とともに誕生した。「日本書紀(にほんしょき)」一書(あるふみ)にも同様の話が載っているが、「金山彦(カナヤマビコ)」の一柱しか誕生していない。天の岩屋戸の段に、「天の金山の鉄を取りて、『鍛人天津麻羅(カヌチアマツマラ)』を求(ま)ぎて、『伊斯許理度売命(イシコリドメノミコト)』に科(おほ)せて鏡を作らしめ」とある。この神がここに出てくるのは、火から鍛冶鍛工に想い及んでのことであろうが、「へどが鉱石を火で溶かした有様に似ている所からの連想」(「大系本古事記」)という。下の屎、また尿になれる神云々のくだりと考えあわせると、おそらくこうした連想が働いているものと思われる。

出典:
古事記注釈 第一巻(ちくま学芸文庫)
日本書紀 一(岩波文庫)

作者ひとこと:
金山毘売神のデザインは、金属で出来た身体を持った女神の姿に描きました。手には鉱石を持っています。

2025年5月30日金曜日

「金山毘古神」


金山毘古神(カナヤマビコノカミ)<金山彦>


日本神話に登場する、鉱山の神。「古事記(こじき)」では、「火之迦具土神(ヒノカグツチノカミ)」を生んだ「伊邪那美神(イザナミノカミ)」が陰部を火傷し、床に臥せって嘔吐した際、「金山毘売神(カナヤマビメノカミ)」とともに誕生した。「日本書紀(にほんしょき)」一書(あるふみ)にも同様の話が載っているが、金山彦しか誕生していない。天の岩屋戸の段に、「天の金山の鉄を取りて、『鍛人天津麻羅(カヌチアマツマラ)』を求(ま)ぎて、『伊斯許理度売命(イシコリドメノミコト)』に科(おほ)せて鏡を作らしめ」とある。この神がここに出てくるのは、火から鍛冶鍛工に想い及んでのことであろうが、「へどが鉱石を火で溶かした有様に似ている所からの連想」(「大系本古事記」)という。下の屎、また尿になれる神云々のくだりと考えあわせると、おそらくこうした連想が働いているものと思われる。

出典:
古事記注釈 第一巻(ちくま学芸文庫)
日本書紀 一(岩波文庫)

作者ひとこと:
金山毘古神のデザインは、金属で出来た身体を持った男神の姿に描きました。

2025年5月28日水曜日

「波邇夜須毘売神」


波邇夜須毘売神(ハニヤスビメノカミ)<埴安神(ハニヤスノカミ)、埴山姫(ハニヤマビメ)、埴山媛>

日本神話に登場する、土の神。「古事記(こじき)」では、「火之迦具土神(ヒノカグツチノカミ)」を生んだ「伊邪那美神(イザナミノカミ)」が陰部を火傷し、床に臥せって糞尿をした際、「波邇夜須毘古神(ハニヤスビコノカミ)」とともに誕生した。「日本書紀(にほんしょき)」一書(あるふみ)にも同様の話が載っているが、埴山姫(埴山媛)の一柱しか誕生していない。また、「伊弉諾尊(イザナキノミコト)」と「伊弉冉尊(イザナミノミコト)」のあいだに生まれた子(「埴安神」)として、普通に誕生するような挿話もある。「和名抄」に、「釈名云、土黄而細密曰埴」とあるように、ハニとは土器や染料に使う、粘土のことをいう。「記伝」には、「字鏡」に泥物をつくるをネヤスとあるのに従い、この神の名義はハニネヤスだとしている。このハニは、埴輪のハニでもある。糞と埴との連想と、埴を火で焼いて土器をつくることとが重なっているのであろう。

出典:
古事記注釈 第一巻(ちくま学芸文庫)
日本書紀 一(岩波文庫)

作者ひとこと:
波邇夜須毘売神のデザインは、体が土で出来ている女神の姿に描きました。手にはミズゴケと水藻を丸めた玉と、水の入っている瓢で出来た柄杓を持っています。

2025年5月26日月曜日

「波邇夜須毘古神」


波邇夜須毘古神(ハニヤスビコノカミ)<埴安神(ハニヤスノカミ)>

日本神話に登場する、土の神。「古事記(こじき)」では、「火之迦具土神(ヒノカグツチノカミ)」を生んだ「伊邪那美神(イザナミノカミ)」が陰部を火傷し、床に臥せって糞尿をした際、「波邇夜須毘売神(ハニヤスビメノカミ)」とともに誕生した。「日本書紀(にほんしょき)」一書(あるふみ)にも同様の話が載っているが、「埴山姫(ハニヤマビメ。埴山媛)」のみの誕生で、ハニヤスビコ、あるいはハニヤマビコという神は登場しない。また、「伊弉諾尊(イザナキノミコト)」と「伊弉冉尊(イザナミノミコト)」のあいだに生まれた子(「埴安神」)として、普通に誕生するような挿話もある。「和名抄」に、「釈名云、土黄而細密曰埴」とあるように、ハニとは土器や染料に使う、粘土のことをいう。「記伝」には、「字鏡」に泥物をつくるをネヤスとあるのに従い、この神の名義はハニネヤスだとしている。このハニは、埴輪のハニでもある。糞と埴との連想と、埴を火で焼いて土器をつくることとが重なっているのであろう。

出典:
古事記注釈 第一巻(ちくま学芸文庫)
日本書紀 一(岩波文庫)

作者ひとこと:
波邇夜須毘古神のデザインは、体が土で出来ている男神の姿に描きました。手には鍬を持っています。

2025年5月23日金曜日

「豊雲野神」


豊雲野神(トヨクモノノカミ)


「古事記(こじき)」によると、「国之常立神(クニノトコタチノカミ)」の次に生まれた、七番目の神だという。神世七代(かみよななよ)においては、二世代目に生まれた神である。神名の由来は、はっきりとはしていないが、漢字を見る限り、大地に浮かぶ豊かな雲であろうか。国之常立神についで生まれたと考えれば、天と地の中間に位置する神と思われる。ただし、神名に「雲」が含まれた例は豊雲野神しかなく、借字(しゃくじ。漢字の意味に関係なく音を表したもの)の疑いがあり、それに基づくと「野の神」であるとも考えられる。「日本書紀(にほんしょき)」の本文では、「豊斟渟尊(とよくむぬのみこと)という名前で書かれ、三番目に生まれた神とされる。一書(あるふみ)でも、「豊国主尊(トヨクニヌシノミコト)」「豊組野尊(トヨクムノノミコト)」「豊香節野尊(トヨカブノノミコト)」「浮経野豊買尊(ウカブノノトヨカフノミコト)」「豊国野尊(トヨクニノノミコト)」「豊齧野尊(トヨカブノノミコト)」「葉木国野尊(ハコクニノノミコト)」「見野尊(ミノノミコト)」の別名が書かれ、これらも同一のものと考えられている。先に生まれた神々と同様「身を隠した」と書かれ、それ以降の一切の記述はなく、神話に絡んでくることもない。「先代旧事本紀(せんだいくじほんぎ)の「神代系紀」には、豊国主尊の名前で書かれている。二世代目の神として、国常立尊とともに生まれたとされる。ここでも別名として、豊斟渟尊・豊香節野尊・浮経野豊買尊の記載あり。トヨはもともと擬音語であり、のちに転じて、豊富なことを形容する語となった。古代日本において「a」「o」「u」の母音は結合しやすく、また、交替しやすい音でもある。それとは別に「m」と「b」も交替しやすい。日本語の「h(は行)」は奈良時代頃、両唇音(りょうしんおん。上下の唇を使って発音する)の「f(ふぁ、ふぃ、ふぅ、ふぇ、ふぉ)」であったとされ、さらに古い時代は「p(ぱ行)」であったと推測される。そのため「は行」の子音は、同じように唇を閉じたのちに発音する「b(ば行)」「m(ま行)」とも結びつきやすかった。そういう長い間、口承によって信仰された神だったため、「クモ」「クム」「カフ」「カブ」など多くの変化を見せたと考えられる。また、一度「豊斟渟」や「豊組野」と文字化されたものを、トヨクムヌ・トヨクムノと読まず、トヨクミヌ(toyokuminu)・トヨクミノ(toyokumino)と読んだことで、トヨクニヌ(toyokuninu)やトヨクニノ(toyokunino)という形で「豊国主」や「豊国野」が生じたと思われる。最後の「見野」は、頭につけるべき「ク」が抜け落ちてしまったものと見られる。「葉木国」だけは、どの神名ともかけ離れているが、その由来については明確なものが存在しない。ただ、日本書紀の一書第二には「葉木国、此云播挙矩爾」という注記があり、この当時から「ハコクニ」という読み方だったと考えられる。面白い話としては、「豐(豊)」の古体字に「丰(現在、中国で使われている簡体字)ふたつに豆」という形があり、その上部「丰丰」が「葉」の上部に似ているので、文字を正しく読めなかった人物が、その字を「葉」かと疑い「木」を書いて置いたところ、それが次の書写者によって、日本書紀に取り入れられてしまった、といった説である。

出典:
神さま別に読む「古事記」「日本書紀」

作者ひとこと:
豊雲野神のデザインは、雲に覆われた野で出来た身体を持っている、巨大な神の姿に描きました。

2025年5月21日水曜日

「天鏡尊」


天鏡尊(アマノカガミノミコト)

「日本書紀(にほんしょき)」の一書(あるふみ)にのみ登場する神である。「国常立尊(クニノトコタチノミコト)」の子であり、「天万尊(アメヨロヅノミコト)」の親である。さらにその一書には、天万尊が「沫蕩尊(アワナギノミコト)を生み、その沫蕩尊が「伊弉諾尊(イザナギノミコト)」を生んだと書かれている。名義は未詳であり、天鏡尊も天万尊も、宋史日本伝の引く年代記のほかには確認できない。それによれば「初主号天御中主。次曰天村雲尊。其後皆以尊為号。次天八重雲尊。次天弥聞尊。次天忍勝尊。次膽波尊。次万魂尊。次利々魂尊。次国狭槌尊。次角龔魂尊。次汲津丹尊。次面垂見尊。次国常立尊。次天鏡尊。次天万尊。次沫名杵尊。次伊弉諾尊。次素戔烏尊。次天照大神尊。次正哉吾勝速日天押穂耳尊。次天彦尊。次淡尊。次彦瀲尊。凡二十三世。並都於筑紫日向宮」とある。この系譜について津田左右吉は、クニノトコタチからイザナギまでの順が一致することを指摘し、一書は書紀編纂前に生じた神々の系譜の変形のうちで、最も新しいものであり、それが奝然(ちょうねん)の時代(938年~1016年)までに、さらに潤色を加えられるに至ったのであろうと推測している。アメヨロヅという名は、孝徳天皇(第36代。654年没)の国風諡号にも見える。あるいは、この伝承となにか関係があるのだろうか。

出典:
日本書紀 一(岩波文庫)

作者ひとこと:
天鏡尊のデザインは、頭が鏡になっている神の姿に描きました。

2025年5月19日月曜日

「天火人」


天火人(テンカジン)


群馬県上陽村上福島(現・玉村町)に伝わる怪火。ふわふわと飛びまわって背後から飛びあがって花火のように飛び散り、びっくりしたひとが倒れている間に生き血を吸ったりしたという。上杉家に攻め寄せられて討死した那波又太郎の亡霊がこれになったといわれる。また、馬ぐらいの大きさの貂が化けていた火であったともいい、ある飛脚が火を斬って大貂が死んでいるのが確認されて以後、出没しなくなったと語られていた。「てんかじん」ということばの意味は不明瞭で、「天火人」という用字は『旅と伝説』に報告文を寄せた高井義信の独自なあて字であると明記されている。また同記事は「那波氏」や「那波郡」なども含め登場する【那】の字が全て【邦】という活字で組まれてしまっていたミスがあり、「邦波又五郎」と紹介されることもある。

出典:
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)

作者ひとこと:
天火人のデザインは、鬼の様な顔がある怪火の姿に描きました。

2025年5月16日金曜日

「ヌグ」


ヌグ


パプアニューギニアに伝承されている魔物、または怪物の一種。別名を「ラビ」ともいう。このヌグは、ワニに似た姿で、足はヒクイドリに似ているという。ヌグは奇声を発し、このヌグの声を聞くと、女性や子供は失神してしまう者もでるという。また一方で、このヌグは神であるという説もある。大規模な狩猟儀礼が行われるとき男性たちは二つのクロコダイルの彫像を中心として踊るが、それらのうちひとつは「ヌグ」と呼ばれる神の表現であるという。ヌグは人間の姿で表現されることもある。彫像は豚の脂肪を塗られ、カヴァ酒が捧げられる。

出典:
幻想世界神話辞典
ピクシブ百科事典
幻想動物の事典

作者ひとこと:
ヌグのデザインは、ヒクイドリのトサカ、肉垂、足、羽毛を持ったワニの姿の怪物に描きました。

2025年5月14日水曜日

「アトバラナ」


アトバラナ


ニューギニアに伝わる妖怪、または悪しき精霊の一種。このアトバラナは、人間をマラリアにする妖怪である。アトバラナは、昼はジャングルの奥深くに隠れているが、夜になると活動し始めるという。ニューギニアでは、アトバラナが家に入ってくるのを避けるため、部屋の中で火を燃やして煙を充満させ、入り口の戸を閉めておく。さもないと、夜になるとアトバラナがジャングルからやって来て、入り口の戸の隙間から屋内に侵入して人間を襲い、襲った人間をマラリアにしてしまうからである。アトバラナには雄と雌がおり、夕方(または夜)になると雌の方は「ボーボー」という鳴き声を出す。雄の鳴き声はまた異なるらしい。

出典:
幻想動物の事典
ピクシブ百科事典

作者ひとこと:
アトバラナのデザインは、獣の様な姿の妖怪に描きました。

2025年5月12日月曜日

「𩹂魚」


𩹂魚(イギョ)

古代中国の地理書「山海経(センガイキョウ)」の西山経に記されている怪魚、または怪蛇。𩹂魚は、西山の楽遊山を西に流れて稷沢に注ぐ、桃水という川に多く生息している魚である。𩹂魚は四本の脚をもつ蛇の様な姿をしている(𩹂魚は、蛇の様な胴体に脚が四本生えた姿をした魚である、とも)。この𩹂魚は魚を食う(魚を主食としている、とも)。

出典:
幻想類書
幻想動物の事典
神様コレクション
ピクシブ百科事典
神魔精妖名辞典
山海経 中国古代の神話世界(平凡社ライブラリー)

作者ひとこと:
𩹂魚のデザインは、水かきのある四本脚をもった蛇の様な姿に描きました。

2025年5月9日金曜日

「ウグジュクナーパク」


ウグジュクナーパク


アラスカのイヌイットの伝承と信仰に登場する巨大な齧歯類の動物。このウグジュクナーパクは、非常に長い、物をつかむのに適した尻尾を持つ巨大なネズミとされる。その尻尾を使って海獣の皮を張った木造の小舟である「ウミアク」をひっくり返し、なかから犠牲者をつかみ出す。ウグジュクナーパクの毛皮は猟師が使うような武器では傷つけることはできず、また滅多にない聴力とスピードを持っている。つまり、このウグジュクナーパクは特に危険な生物ということであり、猟師も漁師もウグジュクナーパクが棲む島には決して近づかない。

出典:
世界の怪物・神獣事典(原書房)

作者ひとこと:
ウグジュクナーパクのデザインは、「物を掴むのに適した尻尾」という特徴を、イラストでは、尻尾の先に手を付けて、本当に掴めるという感じにした、巨大なネズミの怪物に描きました。

2025年5月7日水曜日

「䖪鼠」


䖪鼠(シソ)


作者ひとこと:
シソのデザインは、体に鼠の毛を生やし、鼠の様な尾を持った鶏の姿の怪鳥に描きました。

2025年5月5日月曜日

「コグクプク」


コグクプク



アラスカのベーリング海沿岸に住むイヌイットの伝説と伝承に登場する怪物。コグクプクは、地中に棲息する巨大な怪物で、地表に出る事なく穴を掘り進めて、食物を探す事を強いられているが、コグクプクが地下にいる、より大きな理由は、コグクプクは、日の光を浴びると死んでしまう為である。真冬に一夜だけ、暗闇の中に姿を現わす。しかし、地表に長く留まり過ぎて太陽の光のために死んでしまったものは、今では白く色褪せた巨大な骨になっている。これがこの地方で発見されたマンモスの骨の説明になっている。

出典:
世界の怪物・神獣事典(原書房)

作者ひとこと:
コグクプクのデザインは、大きな耳と長い牙を持った怪物の姿に描きました。

2025年5月2日金曜日

「アマロック」


アマロック(アマロク)



イヌイットの伝承や神話に登場する怪物の一種。このアマロックは、巨大な狼である。アマロックは、夜間ひとりで狩りをする人間に襲い掛かり、貪り喰うと言われている。

出典:
幻想動物の事典
世界の怪物・神獣事典(原書房)

作者ひとこと:
アマロックのデザインは、巨大な狼の姿に描きました。

2025年4月30日水曜日

「タケラ」


タケラ


イヌイットに伝わる精霊の一種。このタケラは、使い魔にされるという。

出典:
神様コレクション

作者ひとこと:
タケラのデザインは、まん丸い体の精霊の姿に描きました。

2025年4月28日月曜日

「タックヒシマ」


タックヒシマ


イヌイットの伝説に登場するシャーマンの守護霊。タックヒシマは、東グリーンランドのイヌイットのシャーマンの守護霊である、ともされる。

出典:
神様コレクション
幻想世界神話辞典

作者ひとこと:
タックヒシマのデザインは、長い尾をもった人型の精霊の姿に描きました。

2025年4月25日金曜日

「甚毒」


甚毒(ジンドク)



作者ひとこと:
甚毒のデザインは、8本脚を持った昆虫の様な姿の虫に描きました。イラストの甚毒は、体内に凄まじい猛毒を持っているというイメージです。

2025年4月23日水曜日

「班駁」


班駁(ハンバク)


作者ひとこと:
斑駁のデザインは、体中に斑模様がある、四つ目の蛙の様な姿の虫に描きました。

2025年4月21日月曜日

「嗽喉」


嗽喉(ソウコウ)



作者ひとこと:
嗽喉のデザインは、トゲトゲした姿の虫に描きました。このトゲで人の咽に刺さるイメージです。

2025年4月18日金曜日

「復肥」


復肥(フクヒ)


作者ひとこと:
復肥のデザインは、黒い体のミミズの様な姿の虫に描きました。

2025年4月16日水曜日

「朱厭」


朱厭(シュエン)


作者ひとこと:
朱厭のデザインは、テナガザルの様な姿の怪獣に描きました。

2025年4月14日月曜日

「公耳」


公耳(コウジ)

中国に伝わる妖怪の一種。不成澗(ふせいかん。不詳。澗は谷川の意味。水のない枯れ谷を指したものか)の精は名を公耳という。ウサギのようで、屋上にのぼって鼓(あるいは鼓の音か?)に遭えば、これを見る。現れたら捕まえることができる。

出典:
復元白沢図 古代中国の妖怪と辟邪文化(白澤社)

作者ひとこと:
公耳のデザインは、体に鱗を生やした、ウサギの様な姿の妖怪に描きました。

2025年4月11日金曜日

「土螻」


土螻(ドロウ)


作者ひとこと:
土螻のデザインは、頭に四本角を生やし、口の中に牙を生やした羊の姿に描きました。

2025年4月9日水曜日

「賈詘」


賈詘(カクツ)

中国に伝わる妖怪の一種。千歳の木は、その中に「蟲(チュウ。動物全般を指す)」が宿る。名は賈詘と言う。姿は豚のようで、頭が二つある。煮て食べると、犬肉の味がする。

出典:
復元白沢図 古代中国の妖怪と辟邪文化(白澤社)

作者ひとこと:
カクツのデザインは、頭が二つある豚の姿に描きました。木の精らしいので、体から木の新芽が沢山生えてきています。

2025年4月7日月曜日

「従従」


従従(ジュウジュウ)


作者ひとこと:
従従のデザインは、六本の脚を持った犬の様な姿の獣に描きました。

2025年4月4日金曜日

「意」


意(イ)

中国に伝わる妖怪の一種。意は、豚のような姿をしている。その名で呼べば(「意」と名を呼べば)逃げ去る。この意は、ふるい臼の精である。

出典:
復元白沢図 古代中国の妖怪と辟邪文化(白澤社)

作者ひとこと:
意のデザインは、臼から、豚の前脚と後ろ脚、尻尾が生えている姿に描きました。

2025年4月2日水曜日

「山𤟤」


山𤟤(サンキ)


作者ひとこと:
山𤟤のデザインは、冠をかぶった人の様な頭と、犬の様な体を持った獣の姿に描きました。

2025年3月31日月曜日

「疾」


疾(シツ)

中国に伝わる妖怪の一種。疾は、小児のような姿で、一本足である。見かけて名を呼べば(「疾」と名を呼べば)、害はなし。

出典:
復元白沢図 古代中国の妖怪と辟邪文化(白澤社)

作者ひとこと:
疾のデザインは、一本足の子供の姿の妖怪に描きました。

2025年3月28日金曜日

「諸懐」


諸懐(ショカイ)


作者ひとこと:
諸懐のデザインは、頭に四本角を生やし、大きな口には牙をたくさん生やした、牛の様な姿の怪獣に描きました。

2025年3月26日水曜日

「疑父」


疑父(ギフ)

中国に伝わる妖怪の一種。疑父は、尾が長い犬のような姿をしている。これを呼べば(「疑父」と名を呼べば?)逃げ去る。この疑父は、ふるい軍(軍は軍営の意で、古戦場でかつて軍営を置いた場所を指したものか)の精である。

出典:
復元白沢図 古代中国の妖怪と辟邪文化(白澤社)

作者ひとこと:
疑父のデザインは、尾が長い犬の様な姿に描きました。

2025年3月24日月曜日

「喜」


喜(キ)<善(ゼン)>

中国に伝わる妖怪の一種。左右の山石から水が湧き出て、その渓流が千年途切れることが無ければ、その精の名は「喜(善)」という。この喜の姿は、子供のようで色黒である。その名で呼べば(「喜(善)」と名を呼べば)、飲食を取らせることができる。

出典:
復元白沢図 古代中国の妖怪と辟邪文化(白澤社)

作者ひとこと:
喜のデザインは、頭も手足も真っ黒な子供の姿の妖怪に描きました。喜は渓流の精であるらしいので、手足には水かきもつけてみました。

2025年3月21日金曜日

「トゥクトリアク」


トゥクトリアク


イヌイットに伝わる精霊の一種。自然の精霊。このトゥクトリアクは、鹿の守護霊である。

出典:
神様コレクション

作者ひとこと:
トゥクトリアクのデザインは、鹿の姿をした精霊に描きました。

2025年3月19日水曜日

「ノエサーナック」


ノエサーナック


イヌイットに伝わる精霊の一種。このノエサーナックは、鹿皮の服を着て仮面をかぶった、女性の姿をしているという(鹿皮の服を着て鹿皮の仮面をかぶった、華奢な足の女性の姿をしているとも言われている)。

出典:
神様コレクション
アリアドネの意図
西洋神名事典(新紀元社)

作者ひとこと:
ノエサーナックのデザインは、鹿皮の服を着て、顔に仮面をつけた、髪の長い女性姿の精霊に描きました。

2025年3月17日月曜日

「アクセルローク」


アクセルローク<アクセローク>


イヌイットに伝わる精霊の一種。アクセルロークは、岩の精霊である。このアクセルロークは、恵み深い精霊である。アクセルロークは、荒涼とした土地の傾いた石やグラグラした石に住んでいる。

出典:
マゴラカBLOG
神様コレクション
西洋神名事典(新紀元社)

作者ひとこと:
アクセルロークのデザインは、体が岩石で出来ている人型の精霊に描きました。