自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2021年3月31日水曜日

「産泰様」


産泰様(サンタイサマ)

日本で信仰されている神。昔は出産の時に命を落とす事も多かった。医療が発達した今日でも不安を感じ、神仏に祈願して安産を願う女性は多い。産泰様は、産婦と赤ん坊の無事安泰を保障する神様である。古来、日本ではお産を不浄として、その汚れを忌む習俗があり、そうした時の産婦は神、または神のいる聖域に近づく事が許されなかった。ところが産泰様だけは、出産時の女性の側にいる事が出来るとされたのである。そういう意味では、出産の時に立ち会うとされる「便所神(ベンジョガミ)」や「箒神(ホウキガミ)」といった家の神と同じ様な性格がうかがえる。一方、子授け・安産の祈願の対象となる産神(ウブガミ)という意味では、基本的に「子安神(コヤスガミ)」と同じ性格を持つと考えられている。ただし、この神様の場合は、もっぱら出産時の母子の安泰という点に祈願の重きがおかれているところに、本来的な特色がある。産泰様のお使いが犬であるという信仰が、群馬県や栃木県の一部にある。犬はしばしば出産や育児に関わる呪いや俗信に登場するが、これは犬が何匹もの子犬を軽く生むからとも、或いは犬に邪霊除けの霊力があるからとも言われる。こうした信仰は、かなりの広がりが見られる様で、例えば茨城県、千葉県、栃木県、福島県、宮城県などの地方では、子安神の信仰に関連した女性達による安産祈願の行事に、犬供養と称して村堺や川岸に犬卒塔婆(いぬそとうば)を立てるという習俗がある。産泰様の神使としての犬も、こうした習俗に見られる様な犬の霊力に対する信仰と、基本的に共通していると見ていいだろう。産泰様の信仰は、関東北部の群馬県や埼玉県北部を中心として広がっている。その総本社と言われているのが群馬県前橋市の産泰神社である。元は三胎神社と呼ばれていたが、江戸時代の頃、前橋城主だった「酒井雅楽守(さかい うたのかみ)」が非常に熱心に産泰様を信仰、新しく社殿を建てた事から産泰神社を改められ、信仰も広がったという。以降、遠方の信者の間では産泰講なども作られ、集団でお参りするといった風習も生まれた。この産泰神社への祈願は、子授け・安産のから子供の無病息災といった子宝・子育て関係、更には病気平癒まで広がっている。安産祈願に参拝した妊婦は、神社で底の抜けた柄杓を授与してもらい、出産の時にその柄杓をしっかり握っていると、まるで底が抜けた様に楽に子供が産めるとされている。そして無事に出産したら、その柄杓を神棚に供える事になっている。

出典:
日本の神々 多彩な民俗神たち(新紀元社)

作者ひとこと:
産泰様のデザインは、おくるみの中に入っている赤ん坊姿の神に描きました。

2021年3月30日火曜日

「悪魔ヶ風」


悪魔ヶ風(アクマガカゼ)

日本に伝わる怪異、または妖怪の一種。悪魔ヶ風は、三重県志摩市片田村(志摩町)に伝わる怪異。この悪魔ヶ風という風にあたってしまうと、あたってしまった人は病気になってしまう。

出典:
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
悪魔ヶ風のデザインは、紙の様に薄くペラペラした細長い手足を持った妖怪の姿に描きました。この妖怪が風に乗って人にあたり、その人を病気にするイメージです。

2021年3月29日月曜日

「キムンクル」


キムンクル

北海道を主な居住圏とする民族であるアイヌに伝わる神、または妖怪の一種。キムンクルは、山に棲む妖怪で、人間に似た姿をしているが一つ目である。また、このキムンクルは人間を食う妖怪である。このキムンクルは「ウェクル」とも呼ばれている。元々キムンクルは、巫女に憑いて神託を授ける神であったが、別名の「ウ・ェ・クル」が「お互いに食い合う人」という意味に捉えられてしまい、人食いの妖怪になってしまった、と言われている。また、日野巌著「日本妖怪変化語彙」では、「アイヌキムンクル」という項目があり、「山男で犬が吠える様な声を出し、煙草を好む」とある。

出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳

作者ひとこと:
キムンクルのデザインは、大きな口と巨大な一つ目(眼球)を持った姿の妖怪に描きました。

2021年3月28日日曜日

「チョーメンコ」


チョーメンコ

日本に伝わる妖怪の一種。チョーメンコは、岩手県に伝わる妖怪である。このチョーメンコは夕暮れまで遊びほうけている子供がいると姿を現す妖怪であると言われているが、このチョーメンコ自身の姿形や、どのような妖怪なのかという所は不明である。

出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳

作者ひとこと:
チョーメンコのデザインは、足袋を履いた一本脚と、裃姿の体と、その体に不釣り合いな程に巨大な頭を持った姿の妖怪に描きました。こんなのが夕暮れ時に子供の前に現れると、子供にとっては恐怖でしかない、というイメージで描いてみました。

2021年3月27日土曜日

「雲男」


雲男(クモオトコ)

日本に伝わる妖怪の一種。雲男は、富山県に伝わる妖怪である。この雲男は雪の降る夜に、入道の姿で現れる。

出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳

作者ひとこと:
雲男のデザインは、能面の様な顔と雲の体という姿の妖怪に描きました。周りには雲を描いてみました。

2021年3月26日金曜日

「コロビッチ」


コロビッチ

日本に伝わる妖怪、または怪異の一種。コロビッチは、岡山県上房地方に伝わる妖怪である。夜道を歩いている人間がいると、塊の様なものが転がって来て、その夜道を歩いている人間の足下に纏わり付いたり、足の周りをぐるぐる動き廻ったりして、その人間が歩くのを邪魔してくる。

出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳
和漢百魅缶

作者ひとこと:
コロビッチのデザインは、この妖怪が人間の足下で動き廻ったり、足元に纏わり付いてくる事から、狸の様な、子犬の様な、オコジョの様な小動物姿の妖怪をイメージして描いてみました。

2021年3月25日木曜日

「馬の目玉」


馬の目玉(ウマノメダマ)

日本に伝わる妖怪、または怪異の一種。馬の目玉は、岡山県苫田郡に伝わる妖怪である。この馬の目玉は名前の通り、馬の目玉だけの妖怪だと言われているが、詳しい事は分かっていない。また、この馬の目玉は「大蛇の輪(ダイジャノワ)」というものなどと共に出るとされているが、こちらの方も詳しい事は分かっていない。

出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳
[妖怪図鑑]新版TYZ

作者ひとこと:
馬の目玉のデザインは、鬣と二本の馬の脚が生えた目玉の姿の妖怪に描きました。

2021年3月24日水曜日

「チウラングル」


チウラングル

北海道を主な居住圏とする民族であるアイヌに伝わる妖怪の一種。チウラングルは、流れの激しい川の石の下にいる妖怪である。この「チウラングル」という名前は「早瀬の下の人」という意味である。

出典:
和漢百魅缶

作者ひとこと:
チウラングルのデザインは、熊の様な六本脚と鰻の様な尾を持った妖怪に描きました。チウラングルは川の石の下にいる妖怪だというので、姿としては、川の石の下にいるカワゲラの幼虫をイメージしてみました。

2021年3月23日火曜日

「イコンタビプ」


イコンタビプ

北海道を主な居住圏とする民族であるアイヌに伝わる幻獣、あるいは妖怪の一種。イコンタビプは、悪い病気を持ち歩く魔魚である。

出典:
神様コレクション
アリアドネの意図
ピクシブ百科事典(「アイヌ神話」のページ)

作者ひとこと:
イコンタビプのデザインは、頭は一つで体が三つある姿の怪魚に描きました。

2021年3月22日月曜日

「国之水分神」


国之水分神(クニノミクマリノカミ)

日本神話(「日本書紀」「古事記」の記紀神話)に登場する神。国之水分神は、「伊邪那岐命(イザナギノミコト)」と「伊邪那美命(イザナミノミコト)」の間に生まれた男女一対の神の「速秋津比古神(ハヤアキツヒコノカミ。男神)」と「速秋津比売神(ハヤアキツヒメノカミ。女神)」の間に生まれた神である。国之水分神は、同じく速秋津比古神と速秋津比売神の間から生まれた「天之水分神(アメノミクマリノカミ)」と対になっている。天之水分神、国之水分神のどちらの神の名前にもある「水分(ミクマリ)」は「水配り(みずくばり)」を意味しており、この「水分」の名前をもつ天之水分神、国之水分神は共に、水の均等な分配を司る神、分水嶺の神とされる。その為、天之水分神と国之水分神は、水源地や水路の分水点、水流の分岐点などに祀られる事が多い。また、水に関わる神という事で祈雨の神ともされ、更に田の神とされる事もある。また水源地に祀られる場合は山の神であるともされている。後の時代になると「ミクマリ」が「ミコモリ(御子守)」と解され、子供の守護神、子授け・安産の神としても信仰される様になった。国之水分神は地上の水の分配を司る神である。

出典:
Wikipedia
コトバンク
神魔精妖名辞典
図解日本神話(新紀元社)
日本の神々完全ビジュアルガイド(KANZEN)

作者ひとこと:
国之水分神は、水に関わる神なので水神のイメージから蛇体の神に描きました。水を分配して田を潤し、稲を育てる感じで、体に苗を付けています。

2021年3月21日日曜日

「天之水分神」


天之水分神(アメノミクマリノカミ)

日本神話(「日本書紀」「古事記」の記紀神話)に登場する神。天之水分神は、「伊邪那岐命(イザナギノミコト)」と「伊邪那美命(イザナミノミコト)」の間に生まれた男女一対の神の「速秋津比古神(ハヤアキツヒコノカミ。男神)」と「速秋津比売神(ハヤアキツヒメノカミ。女神)」の間に生まれた神である。天之水分神は、同じく速秋津比古神と速秋津比売神の間から生まれた「国之水分神(クニノミクマリノカミ)」と対になっている。天之水分神、国之水分神のどちらの神の名前にもある「水分(ミクマリ)」は「水配り(みずくばり)」を意味しており、この「水分」の名前をもつ天之水分神、国之水分神は共に、水の均等な分配を司る神、分水嶺の神とされる。その為、天之水分神と国之水分神は、水源地や水路の分水点、水流の分岐点などに祀られる事が多い。また、水に関わる神という事で祈雨の神ともされ、更に田の神とされる事もある。また水源地に祀られる場合は山の神であるともされている。後の時代になると「ミクマリ」が「ミコモリ(御子守)」と解され、子供の守護神、子授け・安産の神としても信仰される様になった。天之水分神は山頂の水の分配を司る神である。

出典:
Wikipedia
コトバンク
神魔精妖名辞典
図解日本神話(新紀元社)
日本の神々完全ビジュアルガイド(KANZEN)

作者ひとこと:
天之水分神は、水に関わる神なので水神のイメージから蛇体の神に描きました。水を分配して田を潤し、稲を育てる感じで、背中に垂穂を乗せています。

2021年3月20日土曜日

「大斗乃弁神」


大斗乃弁神(オオトノベノカミ)<大苫辺尊(オオトマベノミコト)、大戸摩姫尊(オオトマヒメノミコト)、大富辺尊(オオトマベノミコト)、大苫姫尊(オオトマヒメノミコト)>

日本神話(「日本書紀」「古事記」の記紀神話)に登場する神。大斗乃弁神は、世界が天と地に分かれた後に次々と現れた神々である「神世七代(かみよななよ)」の内の一柱で、大斗乃弁神は、意富斗能地神(オオトノヂノカミ)と一対で神世七代の第五代の神である。意富斗能地神は男神で兄、大斗乃弁神は女神で妹である。意富斗能地神という名前の「地」は「男性」、大斗乃弁神という名前の「弁」は「女性」という意味である。また、意富斗能地神・大斗乃弁神の両方の名前にある「斗(ト)」は、性器の象徴であるとする説もある。また、この意富斗能地神と大斗乃弁神の両神は、固まっていなかった大地が完全に凝固した状態を神格化した神々であるとも考えられている。また、大斗乃弁神という名前の「大」は美称、「斗」は「門・戸」で集落の狭い通路、「乃」は格助詞、「弁」は「女(メ)」の転と解し、この神の名義は「偉大な門口の女」と考えられ、元々は集落の狭い通路にいて、人々から祀られてきた防壁の守護神であったのではないか、という説もある。また、大斗乃弁神と意富斗能地神は、「大所(オオト。大きな家や地所)」の神であるともされ、大斗乃弁神・意富斗能地神は場所の神、居場所の神であるともされている。

出典:
Wikipedia
図解日本神話(新紀元社)
日本の神々完全ビジュアルガイド(KANZEN)

作者ひとこと:
大斗乃弁神のデザインは、意富斗能地神と同じ様な大きな一つ目を持った巨大な怪物の様な姿の女神に描きました。体は土で出来ているイメージです。

2021年3月19日金曜日

「意富斗能地神」


意富斗能地神(オオトノヂノカミ)<大戸之道尊(オオトノヂノミコト)、大戸摩彦尊(オオトマヒコノミコト)、大富道尊(オオトマヂノミコト)、大苫彦尊(オオトマヒコノミコト)>

日本神話(「日本書紀」「古事記」の記紀神話)に登場する神。意富斗能地神は、世界が天と地に分かれた後に次々と現れた神々である「神世七代(かみよななよ)」の内の一柱で、意富斗能地神は、大斗乃弁神(オオトノベノカミ)と一対で神世七代の第五代の神である。意富斗能地神は男神で兄、大斗乃弁神は女神で妹である。意富斗能地神という名前の「地」は「男性」、大斗乃弁神という名前の「弁」は「女性」という意味である。また、意富斗能地神・大斗乃弁神の両方の名前にある「斗(ト)」は、性器の象徴であるとする説もある。また、この意富斗能地神と大斗乃弁神の両神は、固まっていなかった大地が完全に凝固した状態を神格化した神々であるとも考えられている。また、意富斗能地神という名前の「意富」は「大」で美称、「斗」は「門・戸」で集落の狭い通路、「能」は格助詞、「地」は「父親」で男性の親称と解し、この神の名義は「偉大な門口にいる父親」と考えられ、元々は集落の狭い通路にいて、人々から祀られてきた防壁の守護神であったのではないか、という説もある。

出典:
Wikipedia
図解日本神話(新紀元社)
日本の神々 完全ビジュアルガイド(KANZEN)

作者ひとこと:
意富斗能地神のデザインは、大きな一つ目を持った巨大な怪物の様な姿の神に描きました。体は土で出来ているイメージです。

2021年3月18日木曜日

明日から日本編(4)スタート【お知らせ】

2020年12月7日月曜日
「ビサン」



2021年3
月17日水曜日
「ベバルラン



「幻獣編」「シベリア周辺の地域編」「日本編」「中国編」「オセアニア編」「北米編」「中国編(2)」「悪魔・堕天使編」「日本編(2)」「インド・中国編」「オセアニア偏(2)」「日本編(3)」「仏教編」「中国編(3)」「東南アジア編」の15シリーズが終了し、明日からは16シリーズ目の「日本編(4)」が始まります。約100日(約3ヶ月)かけて、全100体を紹介していきます。


お楽しみに。 by ワンタ

2021年3月17日水曜日

「ベバルラン」


ベバルラン

出典元に情報がありません。誰かご存知の方がいましたらコメントください。

作者ひとこと:
ベバルランのデザインは、長い鋭い牙を持った幽霊の様な姿に描きました。

2021年3月16日火曜日

「マリア・マキリン」


マリア・マキリン

フィリピンに伝わる精霊、または女神。マリア・マキリンは、フィリピン北部ルソン島中部にあるラグナ州にある「マキリン山」という山を守護する精霊である。マリア・マキリンは、艶めかしく美しい容姿の女性の姿をしており、このマリア・マキリンは自分が守護しているマキリン山に住んでいると言われている。マリア・マキリンは優しい性格をしており、人間を助ける事も多くあった。ある時、マキリン山の麓に住んでいる農夫の子供達が病気に罹ってしまった。子供達の父親はマキリン山に住んでいるマリア・マキリンに助けを乞うと、マリア・マキリンは父親に、生姜が沢山入っている「ビラオ(竹などで作られた大振りの器。米に混ざったゴミや石を取り除く篩や、料理を乗せる大皿として使われる)」を手渡した。父親はそれを持ち帰って、家で見てみると、ビラオに入っていた生姜は全て金塊になっていた。また、マリア・マキリンは美しい女性の姿の精霊であった為、人間の男性の求婚者も多かった。中でもスペイン人軍人の「ララ大佐」、マニラの学校に通っているメスティーソ(フィリピン人とスペイン人の混血)の学生「ホセリート」、そして農夫の「フアン」の3人は特にマリア・マキリンへの愛が大きかった。しかし、当のマリア・マキリンは、草木や動物達を愛する農夫のフアンを愛していた。やがて、ある満月の夜にマリア・マキリンは自分を愛してくれている男性達を全員マキリン山へと集めて、自分が愛しているのはフアンであると皆に告げた。恋に敗れたララとホセリートはひどく落ち込み、やがてマリア・マキリンの愛を得たフアンをひどく憎悪する様になった。そんなある日、スペイン軍の兵舎が突然火事に見舞われた。ララ大佐は早速、フィリピン人の逮捕を命じたが、逮捕されて牢獄に入れられた者達の中にフアンも混じっていた。捕らえられた者達は連日に渡る拷問の末、一人、また一人と命を落としていった。やがて、ララ大佐とホセリートは共謀し、彼等の陰謀でフアンは兵舎の火付けの張本人として吊るし上げられた。他の投獄者達もこぞってフアンを名指した。フアンは、自分はやっていないと哀願したが、誰も耳を貸さなかった。やがて広場の中央に引きずり出されたフアンは、兵舎への火付けの罪を着せられ、群衆の前で銃殺の刑に処せられる事になった。フアンは銃で撃たれる刹那、声の限りにマリア・マキリンの名を呼んだ。その声はマリア・マキリンの耳に届き、異変を察知したマリア・マキリンは疾風の如くフアンの許へと飛んでいったが、時既に遅くフアンは銃殺され息絶えた後であった。マリア・マキリンはフアンの亡骸を抱きしめ、むせび泣いた。その後、今度は鬼の形相で周りの群衆を睨みつけ、「お前達、なぜ彼を見殺しにした」と叫んだ。一方、そのマリア・マキリンの剣幕に恐れをなしたララ大佐とホセリートは逃げて身を隠した。しかし、フアンに対する仕打ちを知ったマリア・マキリンはララ大佐とホセリートに呪いをかけた。マリア・マキリンの呪いで、ホセリートは原因不明の病で苦しみ悶えながら死に、ララ大佐はフィリピン人とスペイン兵の戦場でフィリピン人に捕らえられて殺された。マリア・マキリンは、フアンが死んで以降、人間の目の前に現れる事はなくなったという。

出典:
Wikipedia(「フィリピンの神話上の生き物」のページ)
犬のクンクンby河村賢一

作者ひとこと:
マリア・マキリンのデザインは、マリア・マキリンが精霊であるので、上半身と分離した両腕だけの女神、または女性の精霊の姿に描きました。

2021年3月15日月曜日

「マナナンガル」


マナナンガル

フィリピンに伝わる怪物、妖怪。マナナンガルは、「アスワン」と呼ばれる吸血鬼の内の一種である。マナナンガルは女性の吸血鬼で、日中は普通の人間の女性の姿をして人間社会に溶け込んで暮らしているが、夜になると背中から大きなコウモリの翼を生やし、そのコウモリの翼を生やした上半身を下半身から切り離して、獲物を探す為、夜空を飛び回る。マナナンガルは妊婦がいる家を見つけると、その家の屋根に取り付き、藁葺き屋根から柔らかく細長い舌を家の中に垂らして、家の中で眠っている妊婦のお腹に、その細長い舌を刺して、妊婦の血を啜る。また、その細長い舌を妊婦のお腹に刺して、更にそのまま子宮に穴を開けて胎児の血や心臓を啜る事もある。また同じ様にして、屋根から細長い舌を垂らして、妊婦の他にも、産まれたばかりの赤子や、子供達の血を啜って餌食にする事もある。また、マナナンガルは美女に化けて、その美貌によって人間の男性を誘惑し、誘惑された男性を人気のない場所まで誘い込んで、本性を現して襲い、その獲物の男性を生きたまま食べる。マナナンガルは人間の心臓や胃、肝臓といった内臓を好んで食べる。日中、普通の人間の女性として暮らしている時、マナナンガルは、まさか自分がマナナンガルである事など自覚していない場合もあるという。マナナンガルは、夜の狩りに行っている間、残された下半身を人気のない場所に隠しておく。マナナンガルを退治する場合は、まずマナナンガルが夜の狩りの間に隠しておいている、その残された下半身を捜すべきである。下半身を捜し当てると、下半身は立ったまま残されているので、その下半身の、上半身との切断面に、塩やニンニク、灰などを塗り付けると、やがて戻って来た上半身は下半身とくっつく事が出来ず、やがて日の出の日光に当たってマナナンガルは消滅する。

出典:
ピクシブ百科事典
Wikipedia(「フィリピンの神話上の生き物」のページ)
ファンタジィ事典

作者ひとこと:
マナナンガルのデザインは、背中からコウモリの様な翼を生やした、上半身だけの姿の女性の吸血鬼に描きました。

2021年3月14日日曜日

「マンババラン」


マンババラン

フィリピンに伝わる魔女。マンババランは、肉食の甲虫を使って相手に呪いをかける「バラン」という黒魔術の使い手の魔女である。マンババランは、バランの黒魔術に使う虫を、いつもは瓶や竹筒の中に住まわせており、この虫に慎重に生姜の根を与えながら飼育している。そして、相手にバランの黒魔術で呪いをかける際には呪文を唱え、瓶や竹筒の中から甲虫を解き放って、その甲虫を呪う相手に襲わせる。甲虫は、相手の体の様々な場所に潜り込んで、そこで痛みや病気を引き起こす。このマンババランの甲虫が引き起こす病気は通常の医療や薬では治療出来ない。やがて、甲虫の引き起こす病気によって死んだ者の体内では、体内にいる甲虫が、体内に卵を産み付け、新たなバランの黒魔術に使う甲虫が産まれる事になる。このマンババランの呪いが見られる地域には「アルブラリオ」、「マナナンバル」、「ソルワナ」と呼ばれる呪術医や聖職者がおり、マンババランの呪いの病気に対して、卵黄を使った治療を行うという。

出典:
ピクシブ百科事典

作者ひとこと:
マンババランのデザインは、マンババランが、肉食の甲虫を使って呪いをかける魔女である事から、首にムカデを巻いていたり、体から様々な虫の脚が出ていたりする虫をイメージする姿の魔女に描きました。

2021年3月13日土曜日

「カプレ」


カプレ

フィリピンに伝わる幻獣、または妖怪。カプレは肌の色が黒く、人間が見上げる程、背の高い巨人である。カプレは髪も髭もボーボーに生えている。この巨人は、ほとんど裸に近い格好をしているが、「バハッグ(フィリピンの少数民族が着用する褌の様なもの)」を着用している。またカプレは、身に着けると体が透明になる「魔法のベルト」というものを持っているとも言われている。またカプレは、常に体から強烈な悪臭を漂わせている。カプレは、ガジュマルやアカシア、マンゴーなどの大木の陰に隠れているとも、これらの大木の上に住み家があり、カプレ自身も大木の上に座っているとも言われている。カプレは葉巻が好物で、大木の上で巨大な葉巻を吸っていると言われている。カプレは悪戯で人間を化かすのを好む。カプレは自分の住み家である大木の近くを通った人間を化かして、その人間の方向感覚を乱し、道に迷わせて、同じ所をぐるぐると巡らせる。もしも、カプレに化かされて同じ所をぐるぐると回る様になったら、着ている服を脱いで裏返しに着ると、その状態から逃れる事が出来るという。また、カプレは気に入った人間の女性にしつこく付きまとう事もあると言われている。

出典:
ピクシブ百科事典(「フィリピンの妖怪」のページ)
犬のクンクンby河村賢一
Wikipedia(「フィリピンの神話上の生き物」のページ)

作者ひとこと:
カプレのデザインは、伝承にある「大木の上に住み家がある」という事から、姿は巨人では無く、大きな葉巻を吸っている巨大な猿の様な姿に描きました。

2021年3月12日金曜日

「金嬰丸」


金嬰丸<グマーン・トーン、クマン・トーン>

タイに伝わる、神々、精霊、妖怪、幽霊たちの総称である「ピー」の内の一種。金嬰丸は、呪術師に使役される使い魔、または守護霊である。この金嬰丸は妊婦の腹を裂くなどして、妊婦の体内から取り出した胎児を火で乾燥させ、その後に、その胎児の全身に金箔を塗るという呪術で造られた人造の使い魔、守護霊である。この様にして造り出された金嬰丸は嬰児の姿をしており、人語を解する。更に、この金嬰丸は強力な神通力を持っている。

出典:
Wikipedia(「ピー信仰」のページ)
ピクシブ百科事典(「タイの妖怪」のページ)

作者ひとこと:
金嬰丸のデザインは、腰布を着け、腕輪や足輪、首飾りなどで身を飾っている子供の姿の精霊に描きました。

2021年3月11日木曜日

「ヌーノ・サ・プンソ」


ヌーノ・サ・プンソ<ヌーノ>

フィリピンに伝わる精霊、または妖精の一種。ヌーノ・サ・プンソという名前は「塚のゴブリン」という意味である。ヌーノ・サ・プンソは、老人の姿をした小さな妖精である。このヌーノ・サ・プンソは、長年人の手が入らず、人々が誰も通らない様な草叢にある蟻塚の中に住んでいる(別の説では、岩の下に住んでいるとも、人間の暮らす人家に隠れ住んでいるとも言われている)。普段ヌーノ・サ・プンソ自身は、住処である蟻塚の中から滅多に姿を現す事はない。しかし、この妖精は自分の住居に足を踏み入れる人間に幸運も不運も与える事が出来る。ヌーノ・サ・プンソは自分の住居である蟻塚を荒らされる事が一番に大嫌いである。もしも、うっかりだとしても、ヌーノ・サ・プンソが住んでいる蟻塚を踏んづけてしまうと、ヌーノ・サ・プンソは激怒して、蟻塚を踏んづけた人間に呪いをかけ、その人間の足を象の脚の様に腫れ上がる病にしてしまう。なので人々は、蟻塚がある草叢を歩く時や、蟻塚を通り過ぎる時に「タビタビポ」(フィリピン語で「どいてください」や「横を通らせていただきます」という意味)と声をかけながら通る。この様な声掛けをして、通る所の付近にいるヌーノ・サ・プンソに通行の許可を求めると、ヌーノ・サ・プンソも通行人に気が付いて、どいてくれると言われている。

出典:
犬のクンクンby河村賢一
ファンタジィ事典
Wikipedia(「フィリピンの神話上の生き物」のページ)
神様コレクション

作者ひとこと:
ヌーノ・サ・プンソのデザインは、この妖精が蟻塚の中に住んでいる事から、老人の頭と蟻の様な虫の体を持った姿に描きました。

2021年3月10日水曜日

「グォイ・ズン」


グォイ・ズン<グオイ・ルン、ブリオ>

ベトナムとラオスの国境タイグェンで、現地の人々に伝承されている怪物、幻獣の一種。または未確認動物(UMA)の一種。「グォイ・ズン」という名前はベトナム語で「野人」という意味である。1972年、ベトナムに撒かれた化学兵器「枯葉剤」の影響を調査中にボー・クィ博士が、タイグェンで現地の人達からグォイ・ズンと呼ばれている二足歩行をする猿の話を聞いた。1982年、ベトナム政府は本格的な調査を開始し、グォイ・ズンの足跡を発見した。この足跡の主は村人から「ブリオ」と呼ばれていた。また、このグォイ・ズンは「グオイ・ルン」とも呼ばれている。「グオイ・ルン」という名前は「森の人」という意味である。このグオイ・ルンは獣人である。体長は1~1.8メートル程。全身に長い毛が生えており、その体毛の色は黒、赤、茶、灰色など様々であるとされる。グオイ・ルンは非常に凶暴で、人間を襲って殺したり、殺して得た人肉を自分の住処である洞窟に持ち帰って食べている、と言われている。

出典:
本当にいる世界の「未知生物」案内(笠倉出版社)
東スポのオカルト評論家山口敏太郎のUMA図鑑([62]ベトナムのジャングルに出没するとされる食人獣「グオイ・ルン」)

作者ひとこと:
グォイ・ズンのデザインは、腰布を着けた類人猿の様な、大猿の様な姿に描きました。

2021年3月9日火曜日

「オラン・ブニヤン」と「オラン・ブニアン」


オラン・ブニヤン<オラン・ブニイ>

西マレーシアのマレー人の民間伝承に伝わる精霊。森に住み、とても小さな精霊達。その名は「声の人」の意。粗野で愚かな妖精とも言われている。単純なため騙されやすいので、彼らが村にやってきて何かを買ったときは法外な値段をふっかけろ、と言われている。

出典:
神様コレクション
幻想動物の事典

作者ひとこと:
オラン・ブニヤンのデザインは、星型の様な姿をした妖精に描きました。小人の様なイメージです。



オラン・ブニアン

森の奥に住むエルフのような神秘的な人々。マレーシアの北西部、ケダ州にあるグヌン・ジュライという山に社会を作り、ここにはオラン・ブニアンの宮殿と田舎がある。人間と同じような生活を送り、ご飯を食べたり服を着たり、結婚や子供を産んだりもする。しかし、オラン・ブニアンは「透明人間」という意味なので、彼らの姿はもちろん建物も見えない。でも運が良ければ見ることができ、グヌン・ジュライに行った男性の話が残っている。その男性は、川で水浴びをしている美女を発見し、その女性がとても綺麗だったので近寄ってみた。ところが、その女性は消えてしまい、気がついたら、男性は深い森の中で迷子になってしまった。ほかにも実話として、ある男性がオラン・ブニアンと結婚した話もある。結婚したある日、その男性は自分の家族に会いたくなり、オラン・ブニアンの世界を出て自分の家族に会おうとした。だが家族や友達は、何年か前にもう亡くなっていたそうだ。

出典:
senyum-セニョ~ム
ピクシブ百科事典(「マレーシアの妖怪」のページ)

作者ひとこと:
オラン・ブニアンのデザインは、豪華な衣装を身に纏っている女性の妖精の姿に描きました。人間の世界とは交わらないように、森や山の奥に隠れ住んでいるエルフの様なイメージや、森や山の奥にある異界の隠れ里にいる仙女のイメージで描きました。


※同じものか判断できなかったので、二つとも載せました。

2021年3月8日月曜日

「チャナック」


チャナック<チャーナック>

フィリピンに伝わる妖怪、あるいは悪霊。チャナックは、赤ん坊の姿をした妖怪である。森の中などで赤ん坊が泣いている。それを見つけた人は、「なぜこんな所に赤ん坊がいるのか」と不審に思いながらも、その赤ん坊に近づき、抱き上げたり、抱きしめようとすると、途端に、その赤ん坊「チャナック」は本性を現し、先程までの赤ん坊の泣き顔から、赤く血走った目と鋭い牙を持つ恐ろしい形相になり、手に生えている鷹の様な鋭い爪でがっちりと、相手の人間の肩を掴むと、そのまま鋭い牙で相手の首に喰らいつき、その人間を喰い殺してしまう。チャナックは森に棲んでいる妖怪で、人間の方向感覚を狂わせる事も出来る。また時折、人間の子供を攫う事もある。また、チャナックは鳥に変身し飛び回る事も出来る。このチャナックは、妊娠中に母親が死んで、この世に生を享ける事が出来なかった胎児の霊であるとも、中絶などで生まれる権利を拒絶された胎児の霊であるとも言われている。またキリスト教が入って以降は、洗礼を受ける前に死んだ赤ん坊の霊であるとも言われている。この「洗礼を受ける前に死んだ赤ん坊の霊」という説では、その様な赤ん坊は死後「辺獄(洗礼を受けないまま死んだが、永遠の地獄に定められてはいない人間が、死後に行き着く場所)」に行き、この辺獄で邪悪な霊に変身して、生きている人間を食べる為に人間の世界に戻って来たものがチャナックであると言われている。また、チャナックが「中絶などで生まれる権利を拒絶された胎児の霊」である場合は、そのチャナックは自分を中絶した母親に復讐する為に現れるという。別の説では、チャナックは悪魔と人間との間に産まれた子供であるとも言われている。チャナックの難を逃れる為には、様々な対策がある。例えば、シャツを裏表に着ているとチャナックは、その滑稽な姿を見て笑い出し、その人間を襲うのをやめて、おとなしく森へと帰るという。また、チャナックは騒音が苦手である為、騒がしい音を立てると、チャナックはその騒音に耐えきれずに逃げ出すという。またチャナックには、魔除けとしてニンニクやロザリオなども有効である。

出典:
ピクシブ百科事典(「フィリピンの妖怪」のページ)
犬のクンクンby河村賢一
ファンタジィ事典
Wikipedia(「フィリピンの神話上の生き物」のページ)

作者ひとこと:
チャナックのデザインは、口に鋭い牙が生えており、手足にも鋭い爪が生えている、赤ん坊の様にも、ぬいぐるみの様にも見える姿の魔物に描きました。

2021年3月7日日曜日

「シグビン」


シグビン<スィグビン、シグベン、ゼグベン、アママヨン>

フィリピンに伝わる幻獣、あるいは怪物。このシグビンの姿は、地域によって様々な姿で伝承されており、シグビンは、角の無い山羊の様な姿とか、蜥蜴の様な烏の姿とか、カンガルーに似た姿であるとか言われている。また、このシグビンは短い前足と長い後ろ足を持っており、後ろ向きに歩き、悪臭を放つ尻尾を持っているともされている。シグビンは人間の子供を餌食として好み、獲物の人間の子供の血を吸って殺し、その子供の心臓は持ち去って、その心臓をお守りとして取っておくと言われている。また、このシグビンは、斑点が付いた体毛、山羊の様な長い顔、兎の様な大きく長い耳、その耳近くまで裂けた口、その口には太い牙を持つ、という姿をしているとも言われている。シグビンはカンガルーの様に前足を持ち上げ、頭を低くしながら後ろ向きに歩くという。また、このシグビンの体臭は吐き気を催す程の臭いであるという。シグビンは夜行性で、獲物の影を通して、その獲物の生き血を吸う事が出来る。また、このシグビンは不死であり、その不死の体を保つ為、時折巣から這い出て来て、人間の子供を襲い、その獲物の人間の子供の心臓を喰らうという。またシグビンは、自分の体を透明にする事が出来るという。このシグビンを飼い、自由に操る事が出来る人々がおり、その様な人々は「シグビナン」と呼ばれている。シグビナンに飼われているシグビンは、飼い主であるシグビナンに富と幸福をもたらすと言われている。

出典:
ピクシブ百科事典(「フィリピンの妖怪」のページ)
犬のクンクンby河村賢一
セブ王

作者ひとこと:
シグビンのデザインは、斑点が付いた体毛、山羊の様な長い顔、兎の様な大きく長い耳、その耳近くまで裂けた口、という伝承の姿で描きました。

2021年3月6日土曜日

「ピー」


ピー

タイの伝統的な伝承、信仰に登場する存在。「ピー」とは、タイ語において「精霊、妖怪、お化け」の類を説明する為に用いられる言葉である。ピーが一般的にどのようなものを指すかというのは、人によって考えに相違があり、一定のイメージは存在しないであろうと言われている。しかし、大まかに分けて解説をすると、バンコクなど都市部では、ピーについて話すと、映画などで現れる死霊がイメージされる場合が多い。なお、英語の「ghost」や日本の霊、お化け、妖怪の類はタイ語ではこの語を用いて表現される。他方、農村部でのピーは、日本で言う、霊、妖怪、小さき神々の総体として存在し、民間信仰の神々としてのイメージが現れてくる。その様なピーには荒神的な性格があり、人々の生活を守護すると同時に、不敬な行いに対しては祟る事がある。一方でピーには自然霊、悪霊、浮遊霊の様なイメージもあり、日本の妖怪の様な性格を持つ。ピーは実体のないものとして存在される場合もあるが、稀に実体を伴っている場合もある。そのピーを信仰する「ピー信仰」は、アニミズム(精霊信仰)の一種である。このピー信仰は、バラモン教、仏教などの外来宗教の伝来以前からタイ族全般に存在したとされる信仰の形態であり、現在でも外来宗教の影響を受けながらも、タイ族の基層の信仰として根強く残っている。ピーの種類は人間へ善行を成すか、悪行を成すかによって大きく、悪霊と善霊に分かれる。善行を成すピーは「テーワダー(諸神)」と同一視される場合があり、一方で、人々から祭祀されない霊が悪霊に変ずるとの見方もある。また、ピー達の間には階層があり、階層間移動も行われる。例えば、浮遊霊は、霊威を見せる事で祠に祭祀される事がある。一方、国の守護霊「ピームアン」であっても、時と共に名を忘れ去られ、人々から祭祀されなくなってしまう事もある。また、ピーは様々な現象を説明する為に用いられる事もある。国、村、個人の盛衰、不幸、病気、天災などはピーに関わるものとして理解される。例えば、村の守護霊であるピーへの供物の不足は、このピーの守護の低下をもたらし、村外の悪霊を村の中に招き入れる事になる。そうして村の中に入って来た悪霊は、天災、不幸な事故、悪疫の流行をもたらすと考えられている。また、植物が腐ったり、人間などが病気になったりする事を「霊が入る(ピー・カオ)」と表現する事がある。特に、病院にいてもなかなか治らない病気はピーによるものと考えられ、憑依儀礼や薬師による治療の対象とされる。

出典:
Wikipedia(「ピー信仰」のページ)

作者ひとこと:
ピーのデザインは、踊る棒人間の様な姿が描かれている多面体の石の様な感じに描きました。これは、奉られているピーのイメージで描いたもので、祠に奉られている感じをイメージしてみました。

2021年3月5日金曜日

「カダクラン」


カダクラン

フィリピンのルソン島北西部の山岳地帯に暮らすティンギアン族が信仰する雷神であり、至高神。カダクランは、「キマット」という忠犬と共に天空に住んでいる。カダクランは、天空で太鼓を叩いて雷を創る。カダクランが飼っている忠犬のキマットは閃光を司る犬で、主人であるカダクランがキマットに命令すると、キマットは稲妻となって、地上の家でも樹木でも人間にでも噛み付く。これが落雷である。この、天空に住む雷神であるカダクランは「最も偉大なる神」と呼ばれているにも関わらず、ティンギアン族の尊敬を受けておらず、祖先霊の方が、ティンギアン族からはるかに大きな崇拝を受けている。これは、ティンギアン族にとって、最も重要なものが葬儀であり、死者が「マグラワ」と呼ばれる地下世界に無事行き着ける事が重要であるからだという。また一説には、カダクランの出自がティンギアン族自身のものではなく、フィリピンを武力支配したスペイン人(カダクランの雷は銃を意味すると考えられる)が転じたものだからともいわれる。

出典:
神魔精妖名辞典
神様コレクション
神様紹介bot(神ボ)

作者ひとこと:
カダクランのデザインは、頭と手だけの、三ツ目で舌を出している鬼神の様な姿に描きました。カダクランは雷神なので、あちこちから稲妻が出ています。

2021年3月4日木曜日

「高台」


高台(カオダイ)

ベトナムにおいて1926年に、「ファム・コン・タック」と「レ・バン・チュン(黎文忠)」によって創立された新興宗教「カオダイ教」における至高神。高台は、ヘブライにおける万物の創造者「ヤーウェ」と、中国神話における最高神で中央の天帝「黄帝(コウテイ)」を融合した混淆神、または、ベトナム道教の最高神「玉皇上帝(ギョクコウジョウテイ)」の事である、ともされている。高台は、「天眼」と呼ばれる、ハートの中の目に象徴される。この天眼は、総本山教会堂の祭壇中央に信者を見下ろす様に設置されている。この天眼は、高台の神の目である。また、この天眼は「宇宙の原理」・「宇宙の至高神」の象徴であり、この天眼はカオダイ教のシンボルマークでもある。カオダイ教自体は、仏教、道教、回教、キリスト教、儒教を統合し、世界主義的な教理を持った宗教だといわれている。カオダイ教では至高神・高台は、第1回目の人類救済の為に釈迦の姿を借り現世へ現れ、第2回目はキリストと老子の姿を借りて現れた。現在、第3回目の人類救済の為に東西諸宗教を統合した、とされている。

出典:
神魔精妖名辞典
Wikipedia(「カオダイ教」のページ)

作者ひとこと:
高台のデザインは、目のあるハートの様な姿に描きました。高台の中にはヤーウェの要素も入っている為、キリスト教などにおける天使の羽が沢山ある姿の神にしてみました。

2021年3月3日水曜日

「ピー・ポープ」


ピー・ポープ<ピー・ポップ>

タイに伝わる、神々、精霊、妖怪、幽霊たちの総称である「ピー」の内の一種。ピー・ポープは、ピーの中でも悪霊のピーの内の一種である。このピー・ポープは、「胆食い」とも呼ばれる悪霊で、このピーは異常な欲望を持ったピーである、とされる。このピー・ポープは、人間の体内に寄生して、その人間の食べたものを吸い取ってしまう。ピー・ポープに取り憑かれた人間は、虚ろな目をしており、異常な言動をする。ピー・ポープに取り憑かれているので、食べ物をいくら食べてもピー・ポープに横取りされてしまう。ピー・ポープに取り憑かれた者は最後には、ピー・ポープに内臓も食い尽くされて死に至る。また、このピー・ポープは、女性の悪霊である、ともされている。

出典:
幻想世界神話辞典
ピクシブ百科事典(「タイの妖怪」のページ)

作者ひとこと:
ピー・ポープのデザインは、人間の体内に取り憑く悪霊なので、寄生虫の姿の魔物に描きました。

2021年3月2日火曜日

「ピー・モーヌン」


ピー・モーヌン

タイに伝わる、神々、精霊、妖怪、幽霊たちの総称である「ピー」の内の一種。ピー・モーヌンは、タイ北部に伝わる霊(ピー)で、このピー・モーヌンは民間の占いに用いられる霊である。このピー・モーヌンは、糸に括り付けた米団子の中にいるとされ、この糸で括り付けた米団子を、甑や鍋の上で揺らし、その米団子の揺れ方の違いが、このピー・モーヌンからの託宣である、とされている。

出典:
Wikipedia(「ピー信仰」のページ)

作者ひとこと:
ピー・モーヌンのデザインは、米粒が集まって出来た、米団子の様な頭と、両手の姿の精霊に描きました。

2021年3月1日月曜日

「チャオティーバーン」


チャオティーバーン<チャオ・ティー>

タイに伝わる、神々、精霊、妖怪、幽霊たちの総称である「ピー」の内の一種。チャオティーバーンは、村霊であり、土地の精霊である。また、このチャオティーバーンは、一定地域を支配、統括する土地神でもある。

出典:
Wikipedia(「ピー信仰」のページ)
エキサイト辞書

作者ひとこと:
チャオティーバーンのデザインは、頭だけの姿の精霊、または神に描きました。