自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2019年2月11日月曜日

「ひだる神」



ひだる神(ヒダルガミ)

日本に伝わる、山道などを歩いている人間に取り憑き、その人間に空腹感をもたらす悪霊の類。主に西日本に伝わっている。ひだる神に取り憑かれると、歩いている最中突然に激しい空腹感、飢餓感、疲労を覚え、手足が痺れたり体の自由が奪われたりし、その場から一歩も進めなくなり、ひどい時にはそのまま死んでしまう事もある。ひだる神に取り憑かれる場所は大抵決まっており、山道、峠、四辻、行き倒れのあった場所などが多い。土地によっては火葬場や磯でも取り憑かれる。和歌山県では熊野の大雲取、小雲取という二つの山のあたりに餓鬼穴という深い穴があり、その穴を覗いた者は必ずひだる神に取り憑かれた。三重県では人間のみならず、牛までひだる神に取り憑かれた。また、滋賀県甲賀市から伊賀西山に続く御斎峠では、まだ朝もやの晴れない時刻に、ひだる神が異様に腹の膨れた餓鬼の姿で現れ、旅人の前に腹を突き出して「茶漬けを食べたか」と尋ね、旅人が「食べた」と答えると襲い掛かり、旅人の腹を裂いて、その中に残った僅かの飯粒を貪り食った。ひだる神に取り憑かれた時は、すぐに何か食べ物を食べれば、ひだる神によって体が身動き出来なくなる事はなく、ひだる神を防ぐ為、前もって十分な量の食糧を持ち歩くと良い。その為、弁当を持って山道に行く際には、その弁当を食べ尽くさず一口分残すという心得が伝わっている。もし僅かの食べ物の持ち合わせも無い時には、道端に生えている草を口にすれば、どうにか助かる事が出来るし、また掌に指で「米」と書いて舐めても良い。また土地によっては、食べ物を近くの藪に捨てる、身に着けている衣類を後ろに投げると良い、という方法も伝わっている。愛知県や和歌山県では、木の葉でもいいから口に含むと助かるという。また高知県、長崎県、鹿児島県などでは「柴折様」と呼ばれる祠が峠や路傍に祀られており、ここに折った柴を供えて行くと、その場所を通る人はひだる神を避けられる。ひだる神は餓死者や変死者の霊と考えられており、人知れず死んだ者が祀られる事無く、いつしか周囲を彷徨う怨霊となり、自分が味わった苦しみを他人にも味合わせようとしているのだという。また、ひだる神に取り憑かれて死んだ者は、ひだる神同様の怨霊になり、ひだる神がどんどん増えてしまう。また、ひだる神を山の神や水神の仕業とする土地もある。

出典:
Wikipedia

作者ひとこと:
ひだる神のデザインは、御幣の付いた笠を被った、餓鬼の様な姿を描きました。

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