自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2019年12月26日木曜日

すみません、本日からお休みします。

来年が子年ということで、大国主(オオクニヌシ)命が主催する酒宴に、マゴラカさんは招待されたそうです。その準備のために、昨日から根の堅洲国(ネノカタスクニ)へ出かけてくると言ったっきり、音信不通になってしまいました。ですが、マゴラカさんのことなので大丈夫でしょう。最後に連絡がきたとき、マゴラカさんの声の後ろのほうで、炎が燃えるような音がしていました。……たぶん、マゴラカさんのことなので(割愛)。少々心配になってきた僕は、安否確認のために、根の堅洲国へ向けて旧鼠(キュウソ)を遣わすことにしました。ちょうど「オセアニア編(2)」が終わったので、マゴラカさんが戻ってき次第、次のシリーズを始める予定です。

by ワンタ

2019年12月25日水曜日

「アグリ」



アグリ

パプアニューギニアに伝わる精霊。パプアニューギニアでは祭りの最後に皆で音楽を奏でるという。この時は踊りながら全員で笛を吹くという。この祭りの最後に奏でる音楽というのは霊を呼ぶ為の音楽で、もし、この時に霊がやって来た場合は、人間が奏でる音以外の音がすると言われている。この音は「ピッタガス」と呼ばれており、このピッタガスは祭りに参加している皆が興奮している時でないと出ないという。この音楽以外の音、ピッタガスがした場合は、全員がとてもいい気持ちとなり、そうなると、ピッタガスの音も一段と高くなると言われている。このピッタガスが聞こえた時こそ、祭りの場所に精霊であるアグリが現れた瞬間であると言われている。アグリが現れた後、祭りの人々はアグリと共にダンスをする。やがて、明け方になると人々は、祭りで使った全ての物を川に流し、アグリにも森に帰ってもらうという。このアグリは、また、霊界の女王の様な存在であるとも言われている。また、祭りではアグリを呼ぶ為に歌われる「精霊アグリの歌」という歌もあるという。

出典:
妖怪世界遺産

作者ひとこと:
アグリのデザインは、アグリが目に見えない精霊のイメージから、半透明のクラゲやクリオネの様な姿をイメージした感じに描きました。

2019年12月24日火曜日

「デンゲイ」



デンゲイ<デゲイ、ンデンゲイ、ンデゲイ>

フィジーの神話に登場する神で、至高神、創造神である。デンゲイは「ロウ・ヴ族」という根の神々の首領であり、デンゲイはフィジーの神々の内で、最も偉大で最も強い神であるとされている。デンゲイは蛇神であり、巨大な蛇の姿をしている(またデンゲイは上半身は巨大な蛇だが、下半身は段々石になっていき、そのまま下半身は大地と一体化している姿であるともされる)。デンゲイは聖なる山の「ナカウヴァンドラ山(カウヴァンドラ山とも)」の洞窟に住んでおり、デンゲイが眠くなり蜷局(トグロ)を巻いて、眠くなって目を閉じると世界は夜になり、デンゲイが目覚めて目を開けると世界は朝になった(朝になると美しい黒い鳩の「トゥルカワ)がデンゲイを起こす)。またデンゲイが洞窟内で動いたり、寝返りを打ったり、体の向きを変えたりすると、それが地上で地震となって起こった。デンゲイには「ロコモトゥ(ロコモツとも)」という息子がいた。ある日、ロコモトゥはデンゲイに命じられて、その時まだ珊瑚礁の海が広がるだけだった下界に、大地を作る事になった。ロコモトゥは海に入ると海底の土を掻き寄せて、珊瑚礁の間を盛り上げて大地を創った。この時、ロコモトゥが長い服を引き摺った部分には砂浜が出来、服を引っ張り上げて動いた時には、その部分の海岸は岩場となった。ある日、デンゲイが二個の卵を産むと、その卵から男の「ロコラ」と女の「ウト」が生まれた(この二つの卵は鷹の卵であり、デンゲイが温めて孵(カエ)したともされる)。男女の二人はデンゲイからバナナを与えられて育てられていたが、ある日二人はデンゲイに「もう、バナナの食事に飽きた」というと、デンゲイは二人にタロ芋と、タロ芋を調理する為の火の起こし方を教えた。他にもロコラとウトにデンゲイは様々な技術を授けた。ロコラには「カウサムバリア」という兄弟がいた。ある日、デンゲイはロコラとカウサムバリアの兄弟に、沢山の人々が乗れる大きなボートの造船技術を授けた。デンゲイは兄弟に造船技術など様々な技術でフィジーの支配者となるよう命じた(この頃、フィジーの人々はボートを造る事も出来ず、島の外を知らなかった)。兄弟は様々な技術を持っていたので、瞬く間にフィジーの島々を統べる支配者となった。やがて兄弟にも子や孫、子孫が出来、ロコラを首長とする、この一族は「船大工族」と呼ばれ、船大工族はフィジーの島々を統べる強大な王国となった。船大工族は「ナンダヴェア」という大きな町を築いた。ナンダヴェアにはデンゲイもしばしば訪れて、更に多くの知識を授けた。ナンダヴェアの町は富み栄え、やがて船大工族は豊かな生活を送れる様になり、次第に傲慢になり、労働も自分達が支配した他の部族の人々にさせて、朝遅くまで寝ている様になった。しかしながら、美しい黒い鳩トゥルカワがデンゲイの洞窟の前で鳴くと、デンゲイが目覚め「朝だ。さあ起きて仕事を始めろ」とナンダヴェアの町に向けて大声で命ずるのだった。ある時、ロコラ達、船大工族はもう働きたくないと再三、デンゲイに訴えたがデンゲイには聞き入れられなかった。それどころか日頃、他の部族を奴隷にして酷使している事や、船大工族の怠惰さをデンゲイは船大工族の代表のロコラとカウサムバリアに指摘し、叱責した。船大工族は遂にデンゲイに反旗を示し、デンゲイとの戦いに備え、奴隷達を酷使して強固な土塁を持つ要塞を築いた。その様子を見たデンゲイは、それでもロコラ達が分別を取り戻す事を期待していた。しかし、ある日、ロコラはデンゲイを起こす役目の黒い鳩トゥルカワを射殺し、デンゲイに謝罪するどころか、デンゲイを挑発した。この行為に、デンゲイも遂に堪忍袋の緒が切れて激怒し、船大工族とナンダヴェアの町に災いをもたらそうとした。しかし己の技術を過信するロコラ達、船大工族は怖れず、更に土塁を高くしていった。その様子を見たデンゲイはナンダヴェアの町とその付近に大雨を降らせた。すると、海はみるみる水位を増し、海岸も、やがて船大工族が築いた土塁をも超えた。遂に海水はナンダヴェアの町になだれ込み、ロコラを始め船大工族と人々の大半を水に沈め、富み栄えたナンダヴェアの町も全く海の下に葬られた。生き残った人々はボートや筏で逃げ出し、船大工族は各地に分散したが、かつて自分達が支配していた部族の土地に逃れて、かつて自分達が従えていた部族の首長の下で奴隷となり働くよりなくなった。

出典:
Wikipedia
神魔精妖名辞典
龍学 ―dragonology― ⇒ンデンゲイと表記
神の文化史事典(白水社) ⇒ンデゲイと表記

作者ひとこと:
デンゲイのデザインは、男の「ロコラ」と、女の「ウト」が入っている二つの卵を頭に乗せた、巨大な蛇の姿に描きました。

2019年12月23日月曜日

「ロノ」



ロノ

ハワイ神話に登場する神で、神々の中でも主要な四柱の神々である四大神の一柱。ロノは豊穣神であり、平和、農耕を司る神である。またロノは農業に関連する天候や天気を司り、雲や雷鳴、嵐や虹を天に現し、地上に実りをもたらす雨季を到来させる神である。またロノは、創造神の「カネ」、戦神の「クー」と並んで、最初に存在した三神の一柱であるとされる。また神話では、ある時ロノは地上の女を娶(メト)る為、兄弟達を地上に派遣して、妻となる女性を捜させた。すると、滝の畔で鳥と暮らしている「カイキラニ」という美しい娘を発見したので、ロノは虹を伝って地上に降り立ち、彼女に求婚した。二人は結ばれ、結婚し所帯を持った。二人は幸せだったが、ある時、一人の首長がカイキラニに横恋慕し、彼女に求愛の歌を歌ったところ、それを耳にしたロノは嫉妬に怒り狂い、カイキラニに不義を疑ったロノは妻を殴り殺した。我に返ったロノは後悔し、更に後にカイキラニの無実を知り、余りの後悔からロノは狂人の様になって島を徘徊し、出会う人全てにレスリングを挑む様になった。その後ロノは亡き妻の名誉の為に新年の祭り「マカヒキ」を始めた。その後ロノは人々に豊穣と沢山の食料を持って帰ってくると約束し、新型のカヌーを作って乗り込むと、海の向こうにあるカヒキ(ハワイの人々の伝説の故郷)に向けて船出して旅立った。ロノがカヒキからハワイに戻って来る時には、ロノが木々に覆われ、ココ椰子の木に溢れ、鶏や豚が溢れる様に無数にいる豊かな島に乗ってハワイに再来すると人々は信仰した。ロノはハワイの新年である、収穫祭「マカヒキ」の主神である。マカヒキはプレアデス星団(昴)が日没後すぐ東の空に出る様になって(現在の11月末)最初の新月から始まり、その後4ヶ月はマカヒキである。この4ヶ月のマカヒキの時期は延々と祭りであり、ハワイの人々は、この4ヶ月の間、農耕や漁業などを休んで休息して(生活に必要最低限の仕事以外は全て中止)人々は遊びやゲームにいそしみ、戦争もマカヒキの間は一切行わない。マカヒキの間、ロノを祀るヘイアウ(聖所)では、長い木を組み合わせてTの字を作り、この木の上にロノの姿を模(カタド)った木像を祀り、Tの字の横の木には白い大きな布を垂らして、その大きな布の上から鳥の羽根の飾りや、シダなどを垂らした。この大きな白い布や飾りなどを垂らしたT字状の木は「ロノマクア」と呼ばれ、ロノを象徴するものであった。またマカヒキの期間中は、戦神クーなど他の神々のヘイアウでも、高く立てた棒に白い布を掲げて、この時期はロノが治めるマカヒキの期間である事を示した。

出典:
Wikipedia
ハワイの神話と伝説
神の文化史事典(白水社)

作者ひとこと:
ロノのデザインは、ロノを象徴するT字状の木・ロノマクアを依り代の様にして姿を現したロノをイメージして描きました。

2019年12月22日日曜日

「リー」



リー

ニュージーランドの先住民であるマオリの民間信仰に登場する精霊。リーは女性タイプの海の精霊で、人魚の様な存在であるとされる。

出典:
Wikipedia ⇒「人魚」のページ

作者ひとこと:
リーのデザインは人魚というよりも、女性の半魚人の様な姿に描きました。

2019年12月21日土曜日

「マタウ」



マタウ

ニュージーランドの先住民であるマオリの伝説に登場する巨人。マタウは人間に近い姿をした巨人で、ニュージーランドの南島の平原に住む人々を餌食にしていた。ある時マタウは美しい少女「マナタ」を攫い、彼女を魔法を使って拘束し奴隷にした。マナタの恋人である「マタカウリ」は彼女を探してあらゆる場所を探し歩いたあげく、ようやく巨人マタウがマナタを隠している場所を見つけた。しかしマタカウリの力では、どうしてもマナタを解放する事が出来なかったが、マナタの涙が彼女を拘束しているロープに落ちた時、彼女を拘束していた魔法が解けた。しかし、二人は何処に隠れても恐ろしいマタウに見つけられる事が分かっていた。そこでマタカウリはマタウを倒す事にした。マタウを探しに行ったマタカウリは、シダの茂みに覆われた山中の穴の中でぐっすりと眠っているマタウを見つけると、素早く周囲の枯れたシダに火を点けた。最初マタウは暖かさを感じて火に足を引き寄せたが、すぐに焼ける様な熱さと煙に襲われ、逃げ出す前に煙で窒息死してしまった。その後、炎があまりに激しく燃えた為に、マタウの巨大な体は溶けて、溶けた体は地面深くに染み込んだ。その体が溶けながら、どんどん沈んで行くにつれて、その場所には大きな裂け目が出来た。しかしマタウの心臓は溶けずに残り、しかも、その心臓には超自然的な力があった。その心臓の鼓動は止まらず、鼓動しながら心臓からは水が溢れ出て、マタウの体が溶けて大きな裂け目が出来た場所は湖となった。マタウが死んでから長く経った今でも心臓は水を送り出し、その湖を満たしている。

出典:
世界の怪物・神獣事典(原書房)

作者ひとこと:
マタウのデザインは太い尾が生えた、鬼や怪獣をイメージした巨人の姿に描きました。胸には心臓の部分にハート型の黒い模様があります。

2019年12月20日金曜日

「ンッガレヴ」



ンッガレヴ

メラネシアのレパース島に伝わる魔王。レパース島では人間が死ぬと、その体から霊魂である「タムテギ」が出る。タムテギは死後すぐには生前の体の周りから離れないが、100日すると体の周りから離れて、バヌアツのアンバエ島にあるマナロ火山の火口湖近くの噴火口から「ロロンボエトギトギ」という冥界へと向かう。そのマナロ火山の火口湖の近くの噴火口にいるのがンッガレヴである。タムテギは噴火口に辿り着くと、噴火口においかかる樹に登り、ンッガレヴが何処にいるかと叫ぶ。すると「陽気」が立ち上るが、これはンッガレヴの出した合図で、その後、霊魂であるタムテギはンッガレヴに自分を受け取ってもらう。

出典:
幻想動物の事典

作者ひとこと:
ンッガレヴのデザインは、マントと腰布を纏った巨大な鬼の様な姿の魔王に描きました。

2019年12月19日木曜日

「ウォンジナ」



ウォンジナ<ウォンジーナ>

オーストラリアの先住民であるアボリジニの中でも、キンバリー地区に住むアボリジニの神話に登場する精霊。ウォンジナはアボリジニの神話である天地創造の時代の物語「ドリームタイム」に登場する精霊であり、ドリームタイムの物語の時代である、太古の時代の始源的な生き物でもある。ウォンジナは沢山いて、一体、一体全く姿が違う。ウォンジナの内の一体である「ワシタカのワラナ」は二つの卵を残して「フクロウのジュグン」に投げ棒とブーメランで殺された、というドリームタイムの物語があったり、別のウォンジナの「ワラガンダ」は天に昇って天の河になった、という物語もある。ウォンジナ達は太古の時代に存在したが、彼等は今のオーストラリアに存在する様々なものの前身であった。またウォンジナはアボリジニの人々のトーテムを介して現在も生きられているともされている。またウォンジナ達は岩肌に自らの姿を描き、描き終わったウォンジナは近くの聖なる池に下りてゆくという伝説もあり、ウォンジナが下りて行った聖なる池では人々がウォンジナのエネルギーをいつでも入手する事が出来るとされている。岩絵に描かれたウォンジナの姿は必ず白地に描かれ、ウォンジナの頭部には赤か黄色の太い帯状に描かれた後光の様な頭飾りがある。ウォンジナの両目と鼻は連結しており、口は無い。ウォンジナは雨と雲を司る精霊であり、降雨の神であるともされる。ウォンジナに口が無いのは、もしウォンジナに口があったら絶え間なく雨が降り続けるからだとされる。

出典:
コトバンク
神魔精妖名辞典
神の文化史事典(白水社)

作者ひとこと:
ウォンジナのデザインは雲の上に座り、稲妻と雨を表す流れる水を持った姿に描きました。

2019年12月18日水曜日

「ルマカカ」



ルマカカ

ニュージーランドの先住民であるマオリの伝説に登場する海の巨人。伝説ではある日、二人の兄弟が魚釣りをしていたところ、沢山魚が釣れて兄弟が乗っていたボートが魚でいっぱいになった。すると、そこへ波間からルマカカが姿を現し、自分にも獲物の分け前を要求した。兄は何匹かの魚を巨人の方へ放ってボートで逃げた。しかし、それで満足しなかったルマカカは、また兄弟のボートに付きまとい、兄弟もボートで逃げながらルマカカに魚を放っていたので、遂には獲った魚が全部無くなってしまった。それでもまだルマカカは飽き足らずに、兄弟のボートに付きまとい魚を求めた。遂に必死になった弟が自分の腕を切り落としてルマカカに投げ与える事を提案し、兄は渋々ながら弟に言われた通りに実行した。安全な陸地に辿り着くにはまだ長い道程があったからだ。だがルマカカは弟の腕を食べ尽くして更に要求を続け、弟の残った腕、弟の足の一本、弟の残ったもう一本の足と与えた。結局ルマカカは弟の両腕、両足を全て食べ尽くし、ようやく満足した。兄弟もようやく陸地に辿り着いたが、両腕両足を切り落とされた弟は既に死んでいた。嘆き悲しんだ足は弟の胴体を祖父の所に持って行った。兄と祖父は悲しみに暮れながら弟を埋めた。すると弟を埋めた所から木が生えてきて、この木が地上で最初のココヤシの木であった。それ以来、人々はココヤシから必要なもの全てを供給するようになった。

出典:
世界の怪物・神獣事典(原書房)

作者ひとこと:
ルマカカのデザインは、鱗や鰭が生えている半人半魚の巨人の姿に描きました。

2019年12月17日火曜日

「ンガン・フォークフォーク」



ンガン・フォークフォーク

ミクロネシア南部にある諸島、カロリン諸島にあるコスラエ島(クサイエ島)に伝わる存在。ンガン・フォークフォークは幽霊の事である。名前の「ンガン」は「精霊」、「フォークフォーク」は「汚い」という意味である。

出典:
幻想動物の事典

作者ひとこと:
ンガン・フォークフォークのデザインは、触手の様な手をした霊体をイメージした姿に描きました。

2019年12月16日月曜日

「ローペン」



ローペン

パプアニューギニアのニューギニア島とニューブリテン島の間にある火山島、ウンボイ島などに伝わる怪物、または未確認動物。ローペンという名前は原住民の言葉で「空飛ぶ悪魔」という意味である。この怪物は一見すると大きな鳥の様な姿だが、翼長2~7mもある翼は皮膜がある蝙蝠(コウモリ)の様な翼で、その翼には3本の鉤爪が生えている。体は無毛で体色は灰色か茶褐色、長く尖った嘴(クチバシ)の中には鋭い牙が生えている。また、細長い尾を持っており、その細長い尾の先は菱形になっている。またローペンは尖った耳を持ち、舌が二股に割れているという言い伝えもある。ローペンは滑空しながら飛行するが、時にローペンは夜間も飛行する姿を目撃されており、その時ローペンの体は発光しているとされる。現地では夜間、発光しながら飛行するローペンの光を「ローペンライト」と呼んでいる。ローペンは屍肉を好んで食べる。墓地に土葬で埋葬された死体があると、ローペンが掘り起こして食べる。しかし、稀に生きている人間を襲う事があり、撒き餌漁の時にローペンが襲撃してくると言われている。

出典:
ピクシブ百科事典
幻想世界事典
本当にいる世界の「未知生物」案内(笠倉出版社)

作者ひとこと:
ローペンのデザインは、伝えられている描写通りに、翼竜の様な姿に描きました。

2019年12月15日日曜日

「ルアヒネ・マタ・マオリ」



ルアヒネ・マタ・マオリ

ニュージーランドの先住民であるマオリの民話や伝説に登場する、人食いの女怪物。ルアヒネ・マタ・マオリは人間を餌食とする怪物で、人間に警戒されない様に魔法を使って人間の姿に変化する事も出来る。しかし、この怪物の実体は巨大で醜い姿をしている。ルアヒネ・マタ・マオリは人間に変化し、相手に親切にするふりをして、犠牲者を引きつける。マオリに伝わる物語の中では、ルアヒネ・マタ・マオリのいる島に上陸してしまった人間の男「パオワ」を、人間の姿に変化したルアヒネ・マタ・マオリは一緒に食事をしようと誘った。しかしパオワは、この相手に怪しい物を感じ、危険を察して逃げた。だがルアヒネ・マタ・マオリは、魔法の赤土を自分の体に塗って海に飛び込み、泳いで、カヌーを漕いで逃げるパオワを追い掛けて来た。パオワはルアヒネ・マタ・マオリに追い掛けられて、岸の洞穴に逃げ込み、洞穴の入口に巨岩でバリケードを作り、洞穴の中で火を起こして料理を作った。パオワを追い掛けて来たルアヒネ・マタ・マオリは洞穴の中のパオワがもう逃げられないと思い、じっくり洞穴の前で待った。するとパオワがバリケードにしている巨岩の隙間から料理をルアヒネ・マタ・マオリに差し出した。料理を受け取ったルアヒネ・マタ・マオリがその料理を食べると、この怪物は、この料理を気に入った。すると洞穴の中のパオワが、今度は自分が料理を貴方の口に入れてあげようと言い、その前に、この洞穴の前の巨岩をどかすから、巨岩をどかす間は目を閉じておいてくれ、とも言った。ルアヒネ・マタ・マオリは言われた通り目を閉じて、更に口も大きく開けて、巨岩がどかされるのを待った。パオワは怪物が目を閉じているのを確認し、巨岩をどかし、更に料理だと偽って、ルアヒネ・マタ・マオリの大きく開けた口の中に赤々と燃える炭を詰め込んだ。口の中に燃える炭を詰め込まれたルアヒネ・マタ・マオリは死んでしまった。

出典:
世界の怪物・神獣事典(原書房)

作者ひとこと:
ルアヒネ・マタ・マオリのデザインは、トカゲの様な女性の怪人の姿に描きました。

2019年12月14日土曜日

「バニップ」



バニップ<バンニップ、ブンイップ、バンイップ、バニープ、ブニィープ、バニヤップ>

オーストラリアの先住民であるアボリジニの神話や伝説、伝承に登場する怪物。バニップはオーストラリアの川や湖などの水辺に生息している。バニップは頭は鳥、胴体がワニという姿をしており、体には毛が生えているとされる。また他の説ではカバに似ているというものや、体は毛むくじゃらで長い腕と鉤爪を持つという説もある。またバニップの体の高さは約13フィート(3.962m)もあるとされ、更にバニップの目は異様な光を放つ。また時折バニップは凄まじい吠え声を上げる。いつも水中にいるバニップは、時に陸に上がって来るとも言われており、バニップは陸上では二足歩行をするとされる。バニップは卵を産む怪物とされ、バニップの卵はエミューの卵の2倍程の大きさであるという(因みにバニップの卵は食べると不味いらしい)。バニップは非常に凶暴な怪物で、人間を攫って貪り喰ったり、人間、特に女性を好んで襲う。逆に人間がバニップの子供を攫うと、子供バニップの母親が激しく怒り、人家を水攻めにして一帯に洪水を引き起こすとされる。アボリジニの神話である天地創造の時代の物語「ドリームタイム」では、バニップは、自然界の善なる精霊「ビアーミ」と敵対する悪霊であるとされる。ドリームタイムの物語の中に、バニップが登場する話は少なくない。作家の草野巧の著書によれば、バニップは巨大な蛇の様な体型をしているが頭は鳥で、固い嘴(クチバシ)を持つとされる。しかし、バニップは人を襲い食らう怪物で、目撃者は皆食い殺される為、その姿を確実に知っている者はいないという。乾期の間は土に掘った穴の中に隠れ、雨期になると活動を始めるとされる。その鳴き声は「ブー」と唸る様な響きがあり、雨期の間はあちこちでバニップの鳴き声が聞かれるという。また博物学者、生物学者、民俗学者である「南方熊楠」は、1911年の河童に関する「柳田国男」宛の書簡の中で、バニップ(南方熊楠は「ブンイップ」と書く)について紹介している。

出典:
Wikipedia
世界の「神獣・モンスター」がよくわかる本(PHP文庫)

作者ひとこと:
バニップのデザインは、鳥の頭と鱗に覆われたワニを意識した胴体、海竜の様な鰭(ヒレ)、魚の尾鰭を持った姿に描きました。

2019年12月13日金曜日

「ンガン」



ンガン

ミクロネシア南部にある諸島、カロリン諸島にあるコスラエ島(クサイエ島)に伝わる存在。ンガンは精霊の事である。

出典:
幻想動物の事典

作者ひとこと:
ンガンのデザインは、木や木の葉をイメージした姿の精霊に描きました。

2019年12月12日木曜日

「マエロ」



マエロ

ニュージーランドの先住民であるマオリの伝説に登場する種族。マエロは、マオリ達がニュージーランドに辿り着く前から、ニュージーランドに棲んでいた巨人族である。マエロは全身毛むくじゃらで、手足には長い爪が生えている。マエロは、その爪で魚を刺して捕まえる。

出典:
神魔精妖名辞典

作者ひとこと:
マエロのデザインは、全身毛むくじゃらな猿の様な姿の巨人に描きました。手には長い爪が生えています。

2019年12月11日水曜日

「ナモンジョック」



ナモンジョック

オーストラリアの先住民であるアボリジニの神話・伝説である、天地創造の時代の物語「ドリームタイム」に登場する人物。ナモンジョックはアボリジニ達の祖先の一人である。しかし、ある時ナモンジョックは、実の妹と近親相姦の掟を破って、ナモンジョックは巨大なワニへと姿を変えられてしまった。ノーザンテリトリーにある国立公園「カカドゥ国立公園」内のノーランジーの岩絵に、このナモンジョックの姿が描かれている。

出典:
旅色プラス(〈動画つき〉元秘境ツアー添乗員・とまこが撮影!恐竜の世界?!巨岩の中のアボリジナル壁画がアートすぎる【連載第41回】)
プレジャーハンターの旅日記(⇒オーストラリア:ノーザンテリトリー ダーウィンと世界遺産カカドゥ国立公園の旅)
サライ.jp|小学館の雑誌『サライ』公式サイト(⇒太古への旅!カカドゥ国立公園でアボリジニ壁画を観賞する【オーストラリア・ノーザンテリトリーの魅力】[PR])

作者ひとこと:
ナモンジョックのデザインは、直立したワニの姿に描きました。

2019年12月10日火曜日

「ングー」



ングー

ニュージーランドの先住民であるマオリに伝わる存在。ングーは幽霊の事である。

出典:
幻想動物の事典

作者ひとこと:
ングーのデザインは、雲の様な生き物か精霊の様なものに乗った影の様に黒い姿、祖霊をイメージした姿に描きました。

2019年12月9日月曜日

「モハモハ」



モハモハ

オーストラリアの先住民であるアボリジニの伝承や伝説に登場する海竜、または未確認動物。モハモハはグレートバリアリーフに棲息しているとされており、この怪物はクイーンズランド州の沿岸やグレートバリアリーフの島、マグネチック島などで目撃されている。モハモハは巨大なカメに似た姿をしており、カメに似た胴体は濃い灰色や茶褐色、虹の様に長い首を持ち、尾は魚類に似ている。足は鱗の様になっているとも、指が分かれているともいわれている。1980年、マグネチック島を訪れていた、学校の教師であり、博物学者のシャーリー・ロヴェルという女性が海中から海岸に這い上がるモハモハを目撃、モハモハと1.5mという至近距離で30分間観察した。30分後モハモハは尾を引きずりながら海中へと這い出て行ったという。モハモハは古くから現地の先住民達の間では目撃されていたようで、最古の目撃証言は1882年にまで遡り、1882年にもモハモハが現れ、その時にはモハモハは真っ直ぐ立ち上がり、住民達を押し倒したりして暴れ回ったと伝えられている。

出典:
東スポのオカルト評論家山口敏太郎のUMA図鑑(⇒【103】グレートバリアリーフに棲む伝説の海竜「モハモハ」)
未確認生物と世界の謎chahoo(⇒モハモハと言う名の特殊な未確認生物)
本当にいる世界の「未知生物」案内(笠倉出版社)

作者ひとこと:
モハモハのデザインは、蛇の様に長い首と魚の様な尾鰭を持ったウミガメの様な姿に描きました。

2019年12月8日日曜日

「ンガーララ・ヌイ」



ンガーララ・ヌイ

ニュージーランドに伝わる怪物。ンガーララ・ヌイは巨大なトカゲの様な姿をした怪物で、口の中にある歯は鋭く尖っており、また、背中にはギザギザの背鰭(セビレ)が生えている。この怪物は川沿いの洞窟に棲んでいる。

出典:
幻想動物の事典

作者ひとこと:
ンガーララ・ヌイのデザインは、背中に背鰭が生えたオオトカゲの姿に描きました。

2019年12月7日土曜日

「バラギンジ」



バラギンジ

オーストラリアの先住民であるアボリジニの伝承に登場する精霊。バラギンジは雷を司る神、または精霊である「ナマルゴン」の妻である。バラギンジの姿は、ノーザンテリトリーにある国立公園「カカドゥ国立公園」内のノーランジーの岩絵に描かれている。

出典:
地球ワーキングトラベラー見聞記
鳥バカ日記(⇒《アボリジニの壁画》ダーウィン・カカドゥ探鳥記5)
旅色プラス(⇒〈動画つき〉元秘境ツアー添乗員・とまこが撮影! 恐竜の世界?! 巨岩の中のアボリジナル壁画がアートすぎる【連載第41回】)

作者ひとこと:
バラギンジのデザインは、ノーランジーの岩絵に描かれているバラギンジの姿を元にして描きました。

2019年12月6日金曜日

「ンゲン」



ンゲン

ミクロネシア南部にある諸島、カロリン諸島にあるポンペイ島(ポナペ島)とモアキロア環礁(モキル環礁)に伝わる存在。ンゲンは精霊、霊魂の事である。

出典:
幻想動物の事典

作者ひとこと:
ンゲンのデザインは、円の形をしている精霊の姿に描きました。

2019年12月5日木曜日

「ワル」



ワル

オーストラリアのヨーク岬とパプアニューギニアとの間にあるトレス海峡に位置する諸島、トレス海峡諸島の東部の諸島に伝わる死霊。人間は死ぬと、その体から霊魂または死霊であるワルが抜け出て、体から抜け出たワルは、西方にある「ボイグ」という島に行くとされている。

出典:
幻想動物の事典

作者ひとこと:
ワルのデザインは、玉の様な体のカエルの様な姿に描きました。

2019年12月4日水曜日

「ナーブルウィンブルウィン」



ナーブルウィンブルウィン

オーストラリアの先住民であるアボリジニの神話や伝承に登場する精霊。ナーブルウィンブルウィンは、とても危険な精霊で、手に持った大きなヤム芋で人間の女性を殴る。そして殴り殺した女性を食べてしまう。ナーブルウィンブルウィンは扇子を開いた様な形の頭をしている。

出典:
神魔精妖名辞典
神様コレクション

作者ひとこと:
ナーブルウィンブルウィンのデザインは、手に大きなヤム芋を持った、頭が扇子を開いた様な形の精霊の姿に描きました。

2019年12月3日火曜日

「ナマルゴン」



ナマルゴン<ママラガン>

オーストラリアの先住民であるアボリジニの伝承に登場する雷を司る神、または精霊。ナマルゴンという名前は「雷男」という意味であるとされる。ナマルゴンは乾期の間は池の底で暮らしており、雨期になると天辺に上がり雷雲の中にいる。ナマルゴンが声を発すると、その声は雷鳴になり、ナマルゴンが肘と膝にある石斧を叩きつけて雷を作る。ノーザンテリトリーにある国立公園「カカドゥ国立公園」内のノーランジーの岩絵にはナマルゴンの姿が描かれており、長細い体と、足の付け根に生えた尻尾(の様なもの)、そして触覚の様に頭から伸びる二本の雷が象徴的に描かれている。

出典:
神魔精妖名辞典
幻想世界神話辞典
Wikipedia(雷神一覧)

作者ひとこと:

ナマルゴンのデザインは、ノーランジーの岩絵に描かれているナマルゴンの姿を元にして描きました。

2019年12月2日月曜日

「レワトゥ・ニ・ナンブア」



レワトゥ・ニ・ナンブア

フィジーに伝わる女霊。レワトゥ・ニ・ナンブアは生きている人々を殺したり、病気にしたりする女霊である。

出典:
幻想動物の事典

作者ひとこと:
レワトゥ・ニ・ナンブアのデザインは、クリオネやエイをイメージした、一つ目の女性の魔物の姿に描きました。

2019年12月1日日曜日

「レワトゥ・モモ」



レワトゥ・モモ

フィジーに伝わる女の邪霊。レワトゥ・モモは人間の男を見つけると、その男を誘って一緒に暮らすふりをする。しかし、レワトゥ・モモの誘いに乗って、一緒に暮らす様になった男は死に至る事になる。

出典:
幻想動物の事典

作者ひとこと:
レワトゥ・モモのデザインは、人間の女性とトカゲの様な爬虫類が合わさった怪人の様な女悪魔の姿を描きました。