自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2019年6月30日日曜日

「サルヴァ・サットヴァ・オージョーハーリー」



サルヴァ・サットヴァ・オージョーハーリー

仏教の法華経陀羅尼品に登場する、法華経を所持し伝える者を守護する10人の女性の鬼神「十羅刹女(ジュウラセツニョ)」の一人。サルヴァ・サットヴァ・オージョーハーリーは仏法に帰依する前は、一切の生きとし生ける生き物(衆生)の精気を奪う女性の鬼神だった。漢訳では「奪一切衆生精気(ダツイッサイシュジョウショウゲ)」、「取一切精(シュイッサイショウ)」という。

出典:
Wikipedia
仏様の世界

作者ひとこと:
サルヴァ・サットヴァ・オージョーハーリーのデザインは、背中に羽が生えていて、手を合掌している女性の鬼神の姿に描きました。

2019年6月29日土曜日

「ケーシニー」



ケーシニー

仏教の法華経陀羅尼品に登場する、法華経を所持し伝える者を守護する10人の女性の鬼神「十羅刹女(ジュウラセツニョ)」の一人。ケーシニーは髪の毛が多く、振り乱した髪が異様な姿をしている。手には幡を持っている。漢訳では「多髪(タハツ)」、「被髪(ヒホツ)」という。

出典:
Wikipedia
仏様の世界

作者ひとこと:
ケーシニーのデザインは、多い髪の毛を束ねて、手に幡を持った女性の鬼神の姿に描きました。

2019年6月28日金曜日

「金剛夜叉明王」



金剛夜叉明王(コンゴウヤシャミョウオウ)

密教における明王の一尊で、明王達の内、中心的役割を担う5名の明王・五大明王の一尊として北方に配され、北方の守護神である。金剛夜叉明王は梵名を「ヴァジュラヤクシャ」といい、原義は「金剛杵の威力を持つ夜叉」という意味である。名前の「金剛杵・ヴァジュラ」は元々インド神話の神々の帝王・インドラが持つ雷を放つ武器で、金剛夜叉明王の「雷=どのような障害をも貫く聖なる力を持つ神」を意味している。また名前の「ヤクシャ」は人間を喰らう鬼神を意味する。実は金剛夜叉明王は元々は人間を襲っては喰らう恐るべき魔神(夜叉)であり人間達の畏怖の対象であったが、後に大日如来の威徳によって善の心に目覚め、後に仏教の守護神である五大明王の一角を占める仏にまでなった。仏教に帰依した金剛夜叉明王は悪人だけを喰らうようになったとも、人間達の煩悩や悪行を喰らい尽くすようになったとも言われ、ここから「敵や悪を喰らい尽くして善を護る聖なる力の神」とされる。金剛夜叉明王は悪人、悪事を取り除き、苦難や災いを解消する法の本尊として信仰され、日本においては古くから敵を打ち破る、戦勝祈願の仏として広く武人達に信仰された。また金剛夜叉明王を祈念すると食欲減退、食べ物が食べられない状態の病が治るとされている。また密教では金剛夜叉明王の印を結び真言を唱えると、人に愛される様になるという修法が伝えられている。金剛夜叉明王は3つの頭と6本の腕を持ち、正面の頭の顔には5つの眼、左右の頭の顔には3つの眼がある姿をしており、青黒い色の肌をしている蓮華の花(蓮華座)の上に立ち、6本の腕の手にはそれぞれ、五鈷杵(ゴコショ、金剛杵)、五鈷鈴(コンゴウレイ、金剛鈴)、弓、箭(セン、矢)、宝輪、長剣(宝剣)を持っている。

出典:
Wikipedia
エソテリカ事典シリーズ(1) 仏尊の事典(学研)
仏教画伝 極彩色で蘇った一〇八の仏尊(G.B.)

作者ひとこと:
金剛夜叉明王のデザインは伝えられている通り、3つの頭と6本の腕を持った姿に描きました。

2019年6月27日木曜日

「夸父」



夸父(コホ)

古代中国の神話に登場する巨人(または巨人の部族の名前)。夸父は炎帝神農(エンテイシンノウ)の子孫であり、神農の子孫である大地を統括する地母神・后土(コウド)の生んだ信という者が生んだのが夸父である。夸父は北方の地にある、その頂が天まで届く大きな山・成都戴天に住んでいた。夸父は両耳に一匹ずつ黄蛇を耳飾りとして付け、右手に青い蛇を持ち、左手に黄色い蛇を持っている。夸父という名前の「夸」は「誇」に通じ、名前は「自らを誇大評価する男、驕る男」の意味である。名前の通り夸父は大いに自分の力量を過信しており、それに驕り、ある時夸父は太陽と競争しようと思った。夸父は太陽を追って原野を走り続け、とうとう太陽を太陽が沈む谷まで追い詰める事が出来た。しかし夸父は喉が渇いたので、水を飲みに黄河に行き黄河の水を全て飲み干したが足りず、更に渭水に行き渭水の水を全て飲み干したが、これでも喉の渇きを癒すには足りなかった。そこで北方にある大澤という千里四方もある湖に行って湖の水を飲もうとして大澤に行こうとしたが、その途中あまりの喉の渇きで死んでしまった。夸父は杖を持っていたが、夸父が死んで捨てられたその杖から木の芽が繁茂して、杖は広大な桃の木の林になった。また三皇五帝の一人・黄帝と炎帝神農の子孫である神・蚩尤(シユウ)が争った涿鹿(タクロク)の戦いでは夸父は蚩尤側に付き、黄帝側と戦った。しかし最後は黄帝側の女神である黄帝の娘・魃(バツ)に倒されて殺されたとも、黄帝に直属していた鷹(タカ)の様な翼を持つ巨大な竜・応竜に倒されて殺されたともされる。

出典:
Wikipedia
プロメテウス
神の文化史事典(白水社)

作者ひとこと:
夸父のデザインは、両耳に一匹ずつ蛇を付け、両手にも一匹ずつ蛇を持った巨人の姿に描きました。

2019年6月26日水曜日

「酸与」



酸与(サンヨ)

古代中国の地理書「山海経(センガイキョウ)」の北山経に記されている怪鳥。景山という山に棲息する。蛇の様な姿の鳥で頭には目が6つあり、4つの翼を持ち、脚が3本ある。名前はこの鳥の鳴き声(つまり「酸与」と鳴く)から命名された。酸与が現れた国には恐慌が起こる。

出典:
幻想動物の事典
神魔精妖名辞典

作者ひとこと:
酸与のデザインは、山海経の記述から蛇の胴体と尾、6つの目がある鳥の頭と4つの翼と3つの脚がある姿に描きました。

2019年6月25日火曜日

「アグニ」



アグニ

インド神話に登場する火の神。その姿は赤色の体に炎の衣を纏い、二つの頭を持ち腕が二本で、口の中に七枚の舌を持った姿とも、全身が燦然と輝き、髪は炎で出来ており、背中と顔がバターに塗られ、口の中に舌を3枚または7枚持った麗しい姿とも、髪が炎で出来ており、三つの頭を持ち口の中に3枚または7枚の舌を持ち、黄金の顎と歯を持った姿ともされる。アグニは火の神であると共に火そのものを象徴している。アグニは天上にあっては太陽として輝き、空中においては稲妻として煌めき、地上では人間達の儀式で使う祭火として燃える。家庭内では竃の火として、森では山火事として燃える。また、人間の体内や動物の体内では食物の消化作用(消化の火)として存在し、栄養を全身に行き渡らせて人間や動物達に健康をもたらし、また人間達に子孫繁栄や財産(家畜)の増大などをもたらす。また人間の心の中で怒りの炎、思想の火、霊感の火としてもアグニは存在し燃える。アグニは自らを信奉する者を守護し、彼等を害する悪魔達を炎で焼き払い、容赦なく悪魔達を全滅させ、信奉する者を危機から守護し救済する。またアグニは、地上の人間達と天上の神々の仲介役を務めており、人間達が儀式で使う祭火の中にいるアグニは、人間達が神々への供物として祭火の中に投じたバター(ギー)やチーズなどの供物を煙に乗せて神々の元へと運び、また神々を祭場へ召喚する役割を担う。インドではアグニは初期ヴェーダ時代から信仰されてきた古い神で、悪魔を除く力を持つ清浄な神として人々に盛んに崇拝された。「リグ・ヴェーダ」では冒頭でアグニへ讃歌が捧げられ、アグニへ捧げられた讃歌の数は神々の帝王・インドラへ捧げられた讃歌に次いで数が多く、アグニは神々の中でも極めて重視されていた。アグニの起源は、竃の火など火を崇拝する拝火信仰と考えられ、古代ペルシアを起源とする宗教「ゾロアスター教」に登場する火の神・アータルと起源を同じくする。アグニは創造神ブラフマーの創造した蓮華から誕生したとする説や、太陽または石から生まれたとする説、天空神・ディヤウスと地母神・プリティヴィーの間に生まれたとする説がある。アグニはあまりにも空腹であった為、誕生後直ぐに両親を食い殺したとも言われる。後の時代になるとアグニは、世界を護る八柱の守護神の一柱に据えられた。この八柱の神々は、それぞれが各方位を守護しており、アグニは東南の方角を守護する。しかし時代が下るにつれてアグニは影が薄くなっていき、叙事詩「ラーマーヤナ」では魔王・ラーヴァナによって尻尾に火を付けられたヴァナラ(猿族)の英雄・ハヌマーンの治療をするために登場した程度である。仏教では火天と呼ばれ、足が3本または2本で、腕が4本または2本の仙人の姿をしており、火天后及び多くの仙人、天女達を眷属にしている。火天は八方(東西南北の四方と東北、東南、西北、西南)を護る八方天に天地の二天と日月の二天を加えた十二柱からなる仏法の護法善神「十二天」の一柱である。火天は十二天では東南の方角を守護している。

出典:
Wikipedia
神の文化史事典(白水社)
ゼロからわかるインド神話(イースト・プレス)

作者ひとこと:
アグニのデザインは、二つの頭と四本の腕を持った姿で描きました。

2019年6月24日月曜日

「刑天」



刑天(ケイテン)<形天、邢天。(ケイヨウ)形夭、刑夭、邢夭>

古代中国の神話に登場する神。古代中国の地理書「山海経(センガイキョウ)」によると刑天は帝(恐らくは黄帝)と中原(中華文化の発祥地である黄河中下流域にある平原)から遠く離れた西南方に位置する常羊の山近くで神の座(恐らく天帝の座)を掛けて争うが、帝に敗れて刑天は首を刎(ハ)ねられ、その首を常羊山に埋められるが、頭の無い刑天は両乳を目に臍を口に変え、干(カン、盾)と戚(セキ、斧)を手に持って闘志剥き出しの舞を続け、帝の軍相手に暴れて戦い続けた。刑天の首が埋められた常羊山は三皇五帝の一人・炎帝神農(エンテイシンノウ)の生地という説がある。また刑天は炎帝神農氏の命で「扶犂(フリ)の楽」という曲と「豊年(ホウネン)の詠」という詩から成る「下謀(カボウ)」を作ったと伝えられる。その事から刑天は神農の臣下であったと考えられる。一方で帝と刑天が戦った常羊山の北方には数箇国を隔てるものの黄帝の末裔の住む軒轅(ケンエン)の国があったというので、帝と刑天の闘争は炎帝神農氏と同じ三皇五帝の一人である黄帝との闘争の余波であり、常羊山から軒轅国に至る一帯で行われたものであったと考えられる。劉宋(リュウソウ)の文学者・陶淵明(トウエンメイ)は「読山海経」と題する連作五言詩の第10首で、刑天の故事を題材に「刑天干戚を舞わし、猛志固(モト)より常に在り」と詠み讃えたように、後世には刑天は敗北してなお屈しない精神の象徴とされている。

出典:
Wikipedia
幻想世界 幻獣事典(笠倉出版社)

作者ひとこと:
刑天のデザインは、頭の無い胴体に目と口がある姿に描きました。片手に斧、もう片手に盾を持たせました。

2019年6月23日日曜日

「ヴァースキ」



ヴァースキ<婆素鶏(バスケイ)>

インド神話に登場する、蛇族ナーガ達の諸王であるナーガラージャの一人。地下世界パーターラの支配者で、ボーガヴァティーを都とする。ヴァースキは長大な胴体を持ち、猛毒を有する。神々とアスラ達が不老不死の霊薬・アムリタを作り出す為に乳海攪拌(ニュウカイカクハン)を実行した時には、乳海に巨大亀クールマが入り、その背中に大マンダラ山を載せ、大マンダラ山にヴァースを絡ませ、神々はヴァースキの尾を、アスラ達はヴァースキの頭を持ち、互いに引っ張り合う事で山を回転させ、海がかき混ぜられた。ヴァースキは体が強く引っ張られ、苦しんだヴァースキが口からハラーハラという毒を吐いた。毒は乳海に落ちてアムリタを汚そうとしたが、シヴァがハラーハラを呑み込んで事無きを得た。シヴァの妻・パールヴァティーは夫が毒を飲み込まないように、その首を絞め、シヴァを救った。しかしハラーハラがシヴァの喉を焼いた為、シヴァは首から上が青黒くなった。そのためシヴァの別名をニーラカンタ(青い喉)と言うようになった。ヴァースキは口から毒・ハラーハラが抜けてヴァースキは清浄な存在となり神々の仲間入りをした。こうしてヴァースキは聖なる蛇王となり、この功績を称えてヴィシュヌはヴァースキを腰に巻き、常に武器として持ち歩く事にした。また大洪水の時には人類の祖マヌの乗る方舟が大波に流されない様に魚、マツヤの角と方舟の舳先を結ぶ綱の役をヴァースキが担い、マツヤがヒマラヤ山頂まで方舟を引っ張った。こうしてマヌは大洪水を生き残り人類の始祖となり、地上に生命を再生させた。仏教では釈迦如来の眷属である八柱の神々、天竜八部衆に所属する竜族を率いる八柱の王・八大竜王の一柱「和修吉竜王」と呼ばれ、他の八大竜王と共に幾千万億の眷属の竜達を率いている。和修吉竜王は九頭の姿とされ、日本では九頭龍王・九頭龍大神と呼ばれ、九頭一身の姿だと言われた。また元の伝説では頭が千ある事から多頭龍王とも呼ばれる。和修吉竜王は世界の中心にそびえる山・須弥山を守り、小さい龍や細い龍を取って食べていた。

出典:
Wikipedia
ドラゴン(新紀元社)

作者ひとこと:
ヴァースキのデザインは、人間の上半身と蛇の頭と蛇の下半身を持った姿に描きました。

2019年6月22日土曜日

「キンナラ」



キンナラ

インド神話に登場する音楽を司る神々、または精霊。その姿は半人半馬であり馬の頭と人間の体とも、人間の上半身と馬の下半身の姿ともされる。女性のキンナラ・キンナリーは美しい天女の姿をしている。キンナリーは、いつもは天界にいるが時折、地上に舞い降り、水浴びなどして遊んでいる時がある。タイなど東南アジアでは、キンナリーは上半身は人間の女性、下半身は鳥の半人半鳥の姿をしているとされる。キンナラ・キンナリーは宇宙の創造神ブラフマーの爪先からヤクシャ(夜叉)と共に生まれた。キンナラ達は音楽を司る神で、特に歌が美しく、カイラス山にあるアラカーという都でアラカーに居住している富と財宝の神で、ヤクシャ族の王でもある「クベーラ」に薬師として仕え、クベーラの為に音楽を奏でたり、歌を歌ったりしている。仏教では緊那羅と呼ばれ、釈迦如来の眷属である八柱の神々、天竜八部衆の一員である。また、緊那羅は乾闥婆と共に帝釈天の眷属である。緊那羅は神にも人にも畜生にも鳥にも当たらない、半身半獣の生物とされるため「人非人」ともいう。「大樹緊那羅所問経」1に、香山の大樹緊那羅が釈迦仏の前で8万4千の音楽を演奏し、釈迦十大弟子の一人・摩訶迦葉がその妙なる調べに本来の気性や威儀を忘れて立ち上がって踊った、という故事がある。

出典:
Wikipedia
図説 幻獣辞典(幻冬舎)

作者ひとこと:
キンナラのデザインは、馬頭人身の姿に描きました。

2019年6月21日金曜日

「奇肱国人」



奇肱国人(キコウコクジン)

中国に伝わる伝説上の人種。古代中国では西方に位置する国に住んでいるとされた。古代中国の地理書「山海経(センガイキョウ)」の海外西経によると、奇肱国は三身国(サンシンコク)・一臂国(イッピコク)の北にあり、奇肱国人は人間に似た姿をしているが、腕は一つしか無く、顔には目が三つある。馬に乗って移動する。類書である王圻の「三才図会(サンサイズエ)」では奇肱国人は殷の湯王の時代に飛車(風力によって動く乗物。空中を飛行する事が出来る車)を造り、奇肱国人はそれに乗って移動した事があるという解説が記されている。三才図会では奇肱国人がどのような姿をしているのかといった描写は無く、載せられている絵では通常の人間の姿で描かれている。日本の「和漢三才図会」や奈良絵本「異国物語」などでも、この解説や描写は使われている。ホルヘ・ルイス・ボルヘスの「幻獣辞典」では三眼一臂で飛車というものに乗るという「太平広記」に収録された古文を典拠とした解説が記されている。

出典:
Wikipedia
コトバンク

作者ひとこと:
奇肱国人のデザインは、三眼一臂の姿で背に飛車を表す羽根の生えた車輪を描きました。飛車を造ったというので、手に金槌を持たせてみました。

2019年6月20日木曜日

「獬豸」



獬豸(カイチ)

中国に伝わる伝説上の動物。その姿は大きい獬豸は牛、小さい獬豸は羊に似ている。全身、濃くて黒い体毛に覆われ、頭の真ん中から長い一本角が生えている。獬豸のこの角を折った者は死んでしまう。この動物は水辺に住むのを好む。獬豸は人間達の間に紛争が起きると、一本角を使って理が通っていない一方を突き倒す(獬豸はその後、突き倒した人間を食べるともいわれる)。次第に獬豸はより正義感のある性格付けがなされてゆき、正義や公正を象徴する祥獣(瑞獣の一種)となった。獬豸の名前の「豸」の字は、足の無い虫や背中の長い獣を意味する同音字で、本来は「廌」と書く。廌は「法治」の「治」と同音であり、「法(灋)」の正字にも含まれている事から、古くから中国人は「法治」の精神を獬豸を使って表現した。古代中国では法律を執行する役人が被った帽子(法冠)に獬豸が飾られ、その帽子を獬豸冠(カイチカン、獬冠とも)と称した。清の時代の役人の着物にも獬豸が刺繍されていた。また自分が葬られる際の副葬品として、獬豸の工芸品を選ぶ人もいた。また寺では獬豸の化身として羊を飼育した。

出典:
Wikipedia

作者ひとこと:
獬豸のデザインは、一本角を持った黒い体毛の牛の様な姿に描きました。

2019年6月19日水曜日

「ガルーダ」



ガルーダ<ガルダ、ガルラ、ヴァイナテーヤ、ガルトマーン、スパルナ、ラクタパクシャ、スレーンドラジット、ラサーヤナ>

インド神話に登場する、炎や太陽の様に光り輝き、熱を発する神鳥。その姿は単に鷲(ワシ)の姿だったり、人間に翼が生えた姿で描かれたりするが、一般的には頭と嘴(クチバシ)、手足の爪、翼が鷲の鳥頭人身の姿で、顔は白く、翼は赤く、金色に輝く身体を持った巨大な姿で描かれる。ガルーダの母は聖仙カシュヤパの妻ヴィナターである。創造神プラジャーパティの一人、ダクシャにはヴィナターとカドゥルーという二人の娘がいた。二人は共に聖仙カシュヤパに嫁ぎ妻になった。しかし、ヴィナターとカドゥルーの姉妹は仲が良くなかった。あるときカシュヤパは二人の願いを叶えると約束し、カドゥルーは1000匹のナーガを息子とする事を望み、ヴィナターはカドゥルーの子達より優れた二人の息子を望んだ。やがてカドゥルーは1000個の卵を、ヴィナターは二個の卵を産んだ。二人は卵を500年温め続け、やがてカドゥルーの卵からは次々と蛇のナーガ達が産まれた。まだ子供が産まれないヴィナターは焦り、自分で一つの卵を割ってしまう。卵の中からは、まだ身体が完全に出来ておらず上半身しかない子供、暁の神アルナが出て来た。不完全なまま卵から出されたアルナは母のヴィナターを憎み、母に対して500年の間、競った相手の奴隷になるという呪いをかけた。ある日ヴィナターとカドゥルーは乳海攪拌(ニュウカイカクハン)から生まれ、太陽を牽引する馬ウッチャイヒシュラヴァスの色について、この馬は何色かという賭けをした。負けた方は勝った方の奴隷となる約束である。ヴィナターは馬の全身が全て白いと主張したのに対して、カドゥルーは馬の体は白いが尻尾だけ黒いと主張した。実際にはヴィナターの言うとおり全身が白い白馬なのだが、絶対に負けたくないカドゥルーは息子のナーガ達に命じてナーガ達の体を黒く染め、馬の尾に絡みついて黒く見せたイカサマをした。二人は馬を確認に行くと馬の尾は黒かった為ヴィナターは賭けに負け、カドゥルーの奴隷になった。やがてヴィナターのもう一つの卵からガルーダが産まれた。ガルーダは自力で卵を割って出て来て、産まれてすぐ巨大な鳥の姿になり、強い光を放った。ガルーダの光に神々は震え上がり、神々はガルーダを賛美してガルーダの放つ光と熱を収めさせた。ガルーダは母の元へ飛んで行くと、そこで目にしたのはカドゥルーやナーガ達から奴隷として扱われている母ヴィナターの姿だった。ガルーダは母に対して何故このようになったのか尋ねた母から、カドゥルーとナーガ達のイカサマによって奴隷となった事を聴くとガルーダは、イカサマによって母を奴隷にしたナーガ達に対して強い憎しみを抱き、同時に母を自由にしてあげたいと考えた。そこでガルーダはナーガ達に母を解放して欲しいと懇願した。するとナーガ達は飲んだ者に不死が得られる聖水アムリタを持ってくれば願いを叶えてやると約束した。ガルーダは母の為、アムリタのある天界へと飛んだ。ガルーダが天界に乗り込むと、神々はアムリタを守る為ガルーダに襲い掛かった。しかし、襲い掛かった風神であり戦神のヴァーユはじめ多くの神々は、ガルーダに打ち倒された。アムリタを守る多くの罠もガルーダはすり抜けて突破し、ついにガルーダはアムリタを手に入れた。しばらく行くとヴィシュヌと出会った。ヴィシュヌはガルーダの勇戦を見ており、ガルーダのその勇気と力に感動しガルーダを認め、ガルーダの願いを叶えてやる代わりにヴィシュヌはガルーダに自分のヴァーハナ(乗り物)にならないかと申し出た。ガルーダはヴィシュヌの申し出を受け入れ、ガルーダはアムリタを使わずとも不死を得たいと願った。ヴィシュヌはこの願いを承知し、ガルーダはヴィシュヌによって不死となった。それ以来ヴィシュヌとガルーダは主従関係でヴィシュヌは自分のヴァーハナをガルーダにした。ついに母の元に戻ろうとするガルーダの前に、神々の帝王インドラが襲い掛かって来た。インドラは手に持ったヴァジュラ(金剛杵)から多数の激しい雷をガルーダに向けて放つが、ガルーダはこれをものともしない。インドラはヴァジュラが全くガルーダに効かないのを見ると、ガルーダに永遠の友情の誓いを申し込んだ。ガルーダも自分の強さを鼻にかける事をせず、インドラに敬意を表し、自ら羽根を一枚抜き落とした。ガルーダもインドラも共に相手との友情を望み、永遠の友情を結んだ。ガルーダは友になったインドラの頼みに応じ、ナーガ達から母を解放できればアムリタを天界に返すと約束した。代わりにガルーダもインドラに、自分は憎きナーガ達蛇族を常食にしたいと申し出て、それもインドラに承認された。そして一旦、約束を守る為にガルーダはアムリタをナーガ達の元に持ち帰った。そしてアムリタをクシャ草の上に置いた。そしてナーガ達にアムリタを飲む前には清めの沐浴をしてから飲まねばならないと告げた。ナーガ達は喜び、母ヴィナターは解放された。ナーガ達が沐浴をしている隙に約束通りインドラが現れ、アムリタを天界に持って行った。沐浴し終わったナーガ達は騙された事に気付いたが、最早どうしようもなかった。それでも諦めきれないナーガ達は、どうにかしてアムリタを舐めようとアムリタの置かれていたクシャ草を舐め回したが、この時、鋭いクシャ草がナーガ達の舌を二つに裂いてしまった。それ以来ナーガをはじめとした蛇達の舌の先が二股になった。ガルーダは人々に恐れられているナーガ達をはじめとした蛇、竜達を食べる、または退治する聖鳥として人々に崇拝されている。仏教では迦楼羅天(迦楼羅王(カルラオウ)、食吐悲苦鳥(ジキトヒクチョウ)とも)と呼ばれ、釈迦如来の眷属である八柱の神々、天竜八部衆の一員である。また千手観音の眷属である二十八部衆の一員でもある。迦楼羅天は仏法守護の神で鳥頭人身で有翼、時には四本の腕を持つ。龍や蛇を踏みつけており、篳篥(ヒチリキ)や横笛を吹く事もある。口から金の火を吹き、赤い翼を広げると336万里にも達する。ガルーダがヴィシュヌのヴァーハナであったように、迦楼羅天も那羅延天(ナーラーヤナ、ヴィシュヌの異名)の乗り物を務めている。仏教において毒蛇や雨風を起こす悪龍は煩悩の象徴とされ、龍や蛇を常食としている迦楼羅天は毒蛇、悪龍から人々を守り龍蛇を喰らう様に衆生の煩悩(貪・瞋・癡の三毒)を喰らう霊鳥として信仰されている。密教では迦楼羅を本尊とした修法で降魔・病除・延命・防蛇毒に効果があるとする。また祈雨・止風雨の利益があるともされる。また不動明王の背後の炎は迦楼羅天の吐く炎、または迦楼羅天そのものの姿であるとされ、「迦楼羅炎」と呼ばれる。

出典:
Wikipedia
神の文化史事典(白水社)
ゼロからわかるインド神話(イースト・プレス)

作者ひとこと:
ガルーダのデザインは、鳥の翼を持った鳥頭人身の姿に描きました。片手にアムリタの入った壺を持っています。

2019年6月18日火曜日

「蠱雕」



蠱雕(コチョウ)

古代中国の地理書「山海経(センガイキョウ)」に記されている怪獣、または怪鳥。「山海経・南山経」にある、草木が生えておらず、金石(金属鉱物と玉石、即ち翡翠)が多い鹿呉山に棲んでいる(一説には鹿呉山の水中に棲んでいるとも)。その姿は、頭は鷲(ワシ)に似て角が一本生えており、豹(ヒョウ)に似た体を持っている。その鳴き声は、人間の赤ん坊の泣き声のようである。蠱雕は人間を襲って食べる。

出典:
プロメテウス
神魔精妖名辞典

作者ひとこと:
蠱雕のデザインは、一本角が生えた鷲の頭と、豹の様な体の姿に描きました。

2019年6月17日月曜日

「ガンダルヴァ」



ガンダルヴァ<楽乾闥婆王、健達婆、犍達縛、健闥婆、乾沓和、乾沓婆、彦達縛、犍陀羅、香神、嗅香、香陰、香音天>

インド神話に登場する、天界や空中に住む半神半獣の存在。その姿は獣の様に毛深い半人半獣の姿とも、肩から黄金の鳥の翼を生やした赤い逞しい体の人間の男性の上半身と鳥の下半身を持った半人半鳥の姿ともされる。また、頭には八角形の角が生えているともされる。ガンダルヴァ達は酒や食物を口から摂取する一般的な食事はせず、香りを栄養とし香りを嗅ぐことを食事としている。また、ガンダルヴァ自身の体からも常に香りが発せられている。ガンダルヴァの出生には様々な説があり、聖仙カシュヤパと妻アリシュターの間の子であるとも、創造神ブラフマーから生まれたとも言われる。また、水の精アプサラスと共に創造神プラジャーパティのばらばらになった身体から生まれたともされる。ガンダルヴァは6333柱おり、全て神々の帝王インドラに仕えており、大勢の神々が居る天界の宮殿で美しい音楽を奏でて神々を喜ばせる天の楽師隊である。天の宮殿で神々の宴が催された時、ガンダルヴァ達は音楽を奏で、ガンダルヴァ達の音楽に合わせてアプサラス達が舞い踊る。また、ガンダルヴァ達は神々の飲料ソーマを守護する任務も担っている。多くのガンダルヴァ達は女好きで肉欲が強いが、インドでは未婚の女性は結婚する前に一度、ガンダルヴァ、酒の神ソーマ、火の神アグニの妻になるという言い伝えから、ガンダルヴァは処女を保護する守護神でもある。女性のガンダルヴァもいるが、多くのガンダルヴァの妻はアプサラスである。ガンダルヴァとアプサラスの夫婦は結婚や妊娠、多産や豊穣を象徴するが、彼等は一方で人間に狂気を引き起こす事もあり、狂気を治療する為、ガンダルヴァやアプサラスに供物が捧げられる。仏教では乾闥婆と呼ばれ、香りを栄養とする為、あちこちを訪ね歩くため、食香、尋香行とも呼ばれる。乾闥婆は釈迦如来の眷属を務める八柱の神々、天竜八部衆の一員で帝釈天(インドラ)に仕えており、音楽を奏でて仕えている。また、仏教を守護する四天王に仕える八つの鬼神、八部鬼衆の一員でもあり東方を護る守護神、持国天の配下である。

出典:
Wikipedia
神の文化史事典(白水社)
ゼロから分かるインド神話(イースト・プレス)
仏教画伝 極彩色で蘇った一〇八の仏尊(G.B.)

作者ひとこと:
ガンダルヴァのデザインは、翼の生えた半人半獣の姿に描きました。天の楽師であるので、手には笛を持っています。

2019年6月16日日曜日

「怨鬼」



怨鬼(オンキ、エンキ)

中国に伝わる妖怪。人々の悲しみや恨めしさが固まって生まれた霊鬼。色々な姿に変化しては、あばら家や古い墓場に夜な夜な現れる。また、恨みを晴らそうと祟りをなす死者の霊や怨霊も怨鬼と言う。

出典:
和漢百魅缶
コトバンク

作者ひとこと:
怨鬼のデザインは、悲しみや恨めしさが固まって生まれた妖怪なので、異様な姿に描きました。

2019年6月15日土曜日

「雨師妾」



雨師妾(ウシショウ)

古代中国の地理書「山海経(センガイキョウ)」に記されている神。雨を司る神で、その姿は全身が黒い体毛で覆われ、両手にそれぞれ一匹ずつ蛇を持つ。また左耳には青色の蛇を巻き付け、右耳には赤色の蛇を巻き付けている。名前の「雨師」は雨の神を意味し、「妾」は女の人がへりくだってものを言う時に使う文字である。その事から雨師妾は女神であるともされる。

出典:
和漢百魅缶
妖怪キッズ
プロメテウス
山海経動物記・表紙

作者ひとこと:
雨師妾のデザインは、両耳に蛇を巻き付けて、両手に蛇を持った姿に描きました。女神ともされるので、女神の姿に描きました。

2019年6月14日金曜日

「烏枢沙摩明王」



烏枢沙摩明王(ウスサマミョウオウ、ウスシマミョウオウ)<烏枢瑟摩、烏蒭沙摩、烏瑟娑摩、烏枢沙摩、烏蒭沙摩明王>

密教における明王の一尊。真言宗・天台宗・禅宗・日蓮宗などの諸宗派で信仰される。天台宗に伝わる密教・台密では明王達の内、中心的役割を担う5名の明王・五大明王の一尊として北方に配される。その姿は顔に三つの目がある一つの頭という事は共通で、腕の数が2本、4本、6本と様々な説がある。また、3つの頭に8本の腕であるともされる。主に右足を大きく上げて片足で立った姿である事が多いが、蓮華の台の上に半跏趺坐(ハンカフザ)で座る姿の時もある。全身が火炎に包まれており、髪は火炎の勢いで大きく逆立ち、顔は忿怒相である。また、複数ある手には輪宝、弓矢、羂索(ケンサク)、戟(ホコ)、剣、棒、金剛杵(コンゴウショ)などの武器を持つが、何を持っているかは諸説ある。烏枢沙摩明王は梵名を「ウッチュシュマ」といい、この名は元来、火の神アグニを指す。アグニは、この世の一切の穢れと悪とを焼く尽くす功徳を持つ神で、仏教に包括された後も烈火で不浄を清浄と化す神力を持ち、心の浄化は元より日々の生活のあらゆる現実的な不浄を清める功徳があるとする幅広い解釈によって、あらゆる層の人々に信仰されてきた火の仏である。烏枢沙摩明王は不浄を浄化するとして、真言宗、天台宗、禅宗系の宗派や日蓮宗系の宗派の寺院では便所に祀られる事が多い。また、日蓮宗では火神・厠の神として信仰される。また、樹木の精霊の祟りによる災い、毒蛇の害、悪鬼の祟りを回避する力も持ち、安産に利益がある仏ともされている。静岡県伊豆市の明徳寺などでは、烏枢沙摩明王は下半身の病に霊験あらたかな仏であるとの信仰がある。また烏枢沙摩明王は、胎内にいる女児を男児に変化させる力を持つ明王とも言われ、平安時代には男子出生を願い、胎内の子供が女児であっても、祈念すれば男児に変じるとされた修法「烏枢沙摩変成男子法」の本尊として実際に祈祷が行われた事が、公家の日記類などから知られている。また男児を求めた戦国時代の武将達にも、烏枢沙摩明王は広く信仰された。

出典:
Wikipedia
エソテリカ事典シリーズ(1) 仏尊の事典(学研)
仏教画伝 極彩色で蘇った一〇八の仏尊(G.B.)

作者ひとこと:
烏枢沙摩明王のデザインは、4本腕に武器を持った恐ろしげな姿を描きました。

2019年6月13日木曜日

「陰諧」



陰諧(インカイ)

中国に伝わる猛毒を持つ怪鳥「鴆(チン)」のうち、雌の鴆の事を陰諧と呼ぶ。

出典:
神魔精妖名辞典

作者ひとこと:
陰諧のデザインは、頭に飾り羽があり、顎の部分に鶏の様なヒダヒダのある鳥の姿を描きました。

2019年6月12日水曜日

「ヴァーユ」



ヴァーユ

インド神話に登場する風神。「リグ・ヴェーダ」にはヴァーユの他にもヴァータという風神が登場するが、ヴァータは自然現象としての風をそのまま神格化した神であるのに対して、ヴァーユはより擬人化が進み、風を支配する独自の人格神と考えられる。「リグ・ヴェーダ」の宇宙創造賛歌によれば、ヴァーユは原人プルシャの生気(プラーナ)から生まれた。ヴェーダの自然を司る神々の中でもヴァーユは重要な位置を占め、ヴァーユに捧げられた賛歌も多く、火の神アグニ、太陽神スーリヤと共にバラモン教三大神として祀られた重要な神である。またヴァーユは雷神インドラとも密接に結び付き、ヴァーユは神々の長であるインドラと並ぶ神だとして言及される。ヴェーダの神々は三界(天界、空界、他界)に分類されるが、ヴァーユはインドラと共に空界に属しており、空界をこの二柱で占めている。ヴァーユは速い神と言われ、その速い事はしばしば駿馬に譬えられる。ヴァーユはいつも二頭の赤毛の馬が牽く輝かしい車に乗って駆け回るが、インドラと同乗する時は千頭立ての黄金の馬車で駆け巡る。ヴァーユはその息で、あらゆるものに生命を吹き込む事が出来る。また、生きとし生けるものを守護し、生類を脅かす敵を駆逐して生類を守る。人間達には名声、子孫、家畜、財宝を授ける神でもある。ヴァーユは何よりも神々の飲料ソーマを好み、他の神々に先んじてソーマを飲む。後代になると雷神インドラの地位が低下し、ヴァーユも神としての地位が低下してしまう。後に世界を護る八柱の守護神の一柱に据えられた。この八柱はそれぞれが各方位を守護しており、ヴァーユは北西を守護する神になった。「マハーバーラタ」の英雄ビーマや「ラーマーヤナ」の猿将ハヌマーンはヴァーユの息子である。ヴァーユはイランでは風神ワーユにあたり、ゾロアスター教の善悪二元論では、ワーユはインドラと共にダエーワ(悪魔)と見なされた。仏教ではヴァータと共に風天と呼ばれ、八方(東西南北の四方と東北、西北、西南)を護る八方天に天地の二天と日月の二天を加えた十二柱からなる仏法の護法善神「十二天」の一柱になった(風天も北西の守護神)。

出典:
Wikipedia
神の文化史事典(白水社)
ゼロからわかるインド神話(イースト・プレス)

作者ひとこと:
ヴァーユのデザインは、4本の腕を持つ男神の姿に描きました。赤毛の馬の車以外にもカモシカに乗るとも言われているので、カモシカも描きました。

2019年6月11日火曜日

「一臂国人」



一臂国人(イッピコクジン)

中国に伝わる伝説上の人種。古代中国では、西方に位置する国に住んでいるとされた。古代中国の地理書「山海経(センガイキョウ)」の海外西経によると、一臂国は三身国(サンシンコク)の北、奇肱国(キコウコク)の南にあり、一臂国人は人間に似た姿をしているが、手足目鼻などは一つしか無く丁度、人間を半分にした様な姿をしている。類書である王圻の「三才図会(サンサイズエ)」では、一臂国人は二人組になって交互に足を出したりする事によって、動く事が出来ると紹介されており、日本の「和漢三才図会」や奈良絵本「異国物語」などでも、その解説が使われている。

出典:
Wikipedia

作者ひとこと:
一臂国人のデザインは、記述通り手足目が一つで、鼻は鼻の穴が一つという姿に描きました。

2019年6月10日月曜日

「ヴァルナ」



ヴァルナ

古代インドの神であり、主権神で至高神。契約神のミトラと並ぶ最高神でもある。ヴァルナはミトラと共に太古のアスラ族、アーデイティヤ神群を代表した神である。ヴァルナの起源は古く、紀元前14世紀頃のミタンニ・ヒッタイト条約文にはミトラと共にヴァルナの名が挙げられている。ヴァルナは4本の腕を持ち、体中を宝石などの装飾品で飾った姿をしている。ヴァルナは宇宙を支配する神で、対になっているミトラが法によって秩序を維持する神に対して、ヴァルナは魔術的な力によって罪人を罰し、秩序を維持する神であった。ヴァルナは世界の秩序の理法「真実」であるリタ(天則)を堅持し、リタを順守しない者に直ちに罰を下す。この神は全てを見て知る神であり、ヴァルナは密偵を放ち人々を監視させた。そして罪を犯す者に対しては瞬時に縄で縛り上げたり、水腫病で罰したりする。この様に厳正に裁くヴァルナに、ある者はその厳しさに恐れたが、ヴァルナは反省した者は許す優しさもあり、また、ある者はヴァルナがもたらす医学の施しに感謝し、ヴァルナは尊敬を集める存在とされていた。しかしヴェーダの時代になると、ヴァルナの地位が下がり始めた。何故ヴァルナは格を下げられたのかというと、彼の神格があまりにも多様で広すぎた事にあった。ヴァルナの多様な神格は多くの神々に分担されていき、ヴァルナは頂点的な存在では無くなった。その後プラーナ文献によると、ヴァルナは世界を護る八柱の守護神の一柱に据えられた。この八柱の神々はそれぞれが各方位を守護しており、ヴァルナは西を守護する神になった。ヴァルナの他の神々に分担された神格の内、水神としての属性は残り、その属性は徐々に強められていった。叙事詩「マハーバーラタ」には神々に「インドラが神々を支配するように、ヴァルナは水を支配する事が出来る。海も川も、全ての水が従うだろう」と言われたヴァルナは納得し、水の神になったという話がある。こうしてヴァルナは水の神、海上の神という位置付けが与えられる事になった。ヴァルナは「マハーバーラタ」の中では、ナーガ達が暮らす海の主だとも、ナーガ達の王だとも呼ばれている。仏教では「水天」と呼ばれ、八方(東西南北の四方と東北、東南、西北、西南)を護る八方天に天地の二天と日月の二天を加えた十二柱からなる仏法の護法善神「十二天」の一柱である。水天は天部の一柱で須弥山の西に住み、十二天でも西の方角を守護している。水天は水の神であり、竜達を支配する。

出典:
Wikipedia
神の文化史事典(白水社)
ゼロからわかるインド神話(イースト・プレス)

作者ひとこと:
ヴァルナのデザインは、宇宙を支配する神なので、体と手が離れている、不思議な姿に描きました。また、ナーガ達の王ともされているので、体中に蛇を付けました。

2019年6月9日日曜日

「雲日」



雲日(ウンジツ)

中国に伝わる猛毒を持つ怪鳥「鴆(チン)」のうち、雄の鴆の事を雲日と呼ぶ。

出典:
神魔精妖名辞典

作者ひとこと:
雲日のデザインは、首の長い鳥の姿に描きました。

2019年6月8日土曜日

「アスラ」



アスラ<阿修羅>

インド神話、バラモン教、ヒンドゥー教における神族、または魔族の総称。本来、古代インドにおいてアスラは悪役的な要素はあまりなく、デーヴァ神族の王インドラに敵対する事もあり天空神であり、司法神であるヴァルナとその眷属を指していたが、その暗黒的、呪術的な側面が次第に強調されるようになり、時代が下るとアスラを魔族として扱うようになった。インド神話がバラモン教からヒンドゥー教へと発展し、シヴァ、ヴィシュヌが新しく主神となると、アスラはヴァルナの眷属であるという設定は無くなり、神々の敵対者、主にダーナヴァ族・ダイティヤ族の総称としてアスラの呼称は使われるようになった(カシュヤパ仙の憎しみから生まれた蛇の魔物ヴリトラや、シヴァの破壊衝動から生まれた魔物ジャランダーラなども、アスラとして扱われている為、必ずしもこの限りではない)。彼等はデーヴァの神々の様にアムリタを飲んでいない為、不死・不滅の存在ではないが、自らに想像を絶する厳しい苦行を課すことによって神々をも超越する力を獲得し、幾度となく神々から世界の主権を奪う事に成功している。仏教では天竜八部衆の一員として仏法の守護神であり、十大弟子と共に釈迦如来の眷属を務める。一方、衆生がその業の結果として輪廻転生する6種の世界である、六道の一つである阿修羅道に住んでいる。阿修羅道は妄執によって苦しむ争いの世界である。阿修羅道は人間達の住んでいる人間道の下とされるが、「起世経」によれば阿修羅達の身長は一由旬で、その寿命は一昼夜が人間世界の百年としての千歳。形色、楽、寿命の3点において人間に勝る。更に「正法念処経」によれば、衣食は望むままに現れ、天界と変わらぬ上等なものが得られる。しかし「大智度論」によれば、その食事は人間道に勝る食事ではあるが、竜王達の食事が最後の一口が蛙に変わるように、阿修羅達も食事を食べ終わる時、口の中に泥が広がってしまうのである。阿修羅達は元々天界の神であった。阿修羅達が天界を追われて、修羅界を形成したのには次のような話がある。元々阿修羅達は帝釈天が主である忉利天(トウリテン)に住んでいた。この時、阿修羅王には舎脂という娘がおり、阿修羅王は娘をいずれ帝釈天に嫁がせたいと思っていた。しかし帝釈天は舎脂を力ずくで奪った(誘拐して凌辱したとも言われる)。それを怒った阿修羅王が帝釈天に戦いを挑んだ。帝釈天も配下の四天王などや三十三天の神々の軍勢を遣わして応戦し、この戦いは天道を揺るがす大戦乱になった。しかし戦いは帝釈天側の優勢で、舎脂も帝釈天を許してその正妻になっていた。しかし阿修羅達は帝釈天側に戦いを挑む内に赦す心を失ってしまった。そして遂に阿修羅達は敗北に追いやられ、帝釈天達によって最終的に忉利天から追放され、人間道と餓鬼道の間に阿修羅道が加えられた。阿修羅の姿は三面六臂で身体は青黒く顔は常に忿怒の相である。

出典:
Wikipedia
地獄ものがたり(徳間書店)
神の文化史事典(白水社)

作者ひとこと:
アスラのデザインは、三面六臂の鬼神の様な姿に描きました。

2019年6月7日金曜日

明日からインド・中国編スタート【お知らせ】


2019年1月21日月曜日
「宇迦之御魂神」




2019年6月6日木曜日
「モースク」



「幻獣編」「シベリア周辺の地域編」「日本編」「中国編」「オセアニア編」「北米編」「中国編(2)」「悪魔・堕天使編」「日本編(2)」の9シリーズが終了し、明日からは記念すべき10シリーズ目の「インド・中国編」が始まります。約100日(約3ヶ月)かけて、全100体を紹介していきます。


お楽しみに。 by ワンタ

2019年6月6日木曜日

「モースク」



モースク

出典元に情報がありません。誰かご存知の方がいましたらコメントください。

2019年6月5日水曜日

「タマガイ」



タマガイ

沖縄県に伝わる妖怪で、怪火の一種。今帰仁村(ナキジンソン)では子供が産まれる前に現れる火の玉であるという。様々な除厄招福の行事が集中する旧暦8月の前半はヨーカビー(妖怪火)といって、この間には怪しい火をよく目撃するが、そうした火もタマガイと呼ぶ。「沖縄の御願ことば辞典」によれば、タマガイ(魂離り)とは人魂の事で、人間を死に追いやる怪火だと説明している。

出典:
Wikipedia
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
タマガイのデザインは、赤ちゃんの様な幼い子供の様な姿の怪火を描きました。

2019年6月4日火曜日

「遺念火」



遺念火(イネンビ)<因縁火(インネンビ)>

沖縄地方に伝わる火の妖怪。遺念とは沖縄の言葉で亡霊を指し、この遺念が火となって現れたのが遺念火である。この火は彼方此方移動したり飛び回ったりせず、ほとんど同じ場所に現れる。出没場所は山中など人のいない寂しい場所が多いが、稀に海上にも現れる。遺念火は多くの場合、駆け落ちの末に行き倒れなど非業の最期を遂げた男女、恋愛のもつれによる心中した男女などが一組の火となって現れるとされ、様々な悲恋譚を伴っている。首里市の南にある識名坂に現れる遺念火は良く知られており、「トジ・マチャー・ビー」ともいう(トジは妻の意)。昔、ある仲の良い夫婦がいた。妻はいつも街に出て商売をしており、夫は帰りの遅い妻をいつも迎えに出ていた。ある時、二人の仲を妬んだ者が、夫に「お前の妻はいつも浮気をして遊び歩いている」と嘘を言った。夫は生き恥を晒す事を苦とし、識名川に身を投げた。やがて帰って来た妻はそれを知り、自分も身を投げた。以来、識名坂から識名川へと、二つへと、二つの遺念火が現れるようになった。名護市では昔、大変仲の良い若夫婦がおり、妻はいつも仕事に出て遅くに帰って来た。ある時、夫に魔が差し、妻が不貞を働いているのではと考えた。妻の帰り道、夫は変装して妻に襲い掛かった。妻は必死に抵抗し、簪で夫の喉を突き刺した。やっとのことで妻は家に帰ったが、そこに夫の姿ない。もしやと思い引き返すと、夫は既に死んでおり、あまりの悲嘆に妻は自害した。命がけで貞操を守った妻と、妻を疑った夫の無念が二つの無念火となって夜な夜な現れる。名護町では、ある女性が人目を忍び、険しい山を通って夜間の山頂で恋人と密会していた。ある暴風雨の夜、恋人の男はこの天候では女は来ないだろうと思って山へ行かなかったが、その時女は山頂にやって来ており、女は男の不実をなじって自殺した。男はそれを知り、自分の薄情さを悔やんで女の後を追って自殺した。以来、同じ時刻に、山頂に二つの火が現れるようになった。

出典:
Wikipedia

作者ひとこと:
遺念火のデザインは、手をつないだ二つの火の玉を描きました。火の真ん中に男女のマークを付けました。

2019年6月3日月曜日

「疫痢鳥」



疫痢鳥(エギリドリ)

沖縄県石垣市に伝わる妖怪で、怪鳥の一種。この怪鳥は疫病を流行らせる鳥である。この鳥は夜行性で、この鳥が通った所では疫病が流行った。

出典:
ピクシブ百科事典 ⇒マジムン(まじむん)
怪異・妖怪伝承データベース

作者ひとこと:
疫痢鳥のデザインは、醜い顔の鳥の姿に描きました。

2019年6月2日日曜日

「ファードリ」



ファードリ

沖縄県石垣島の民間伝承に伝わる妖怪で、怪鳥の一種。この鳥は凶兆を示す怪鳥で、5月上旬に石垣島に渡って来る。ファードリが一声鳴いた時は大凶が、二声鳴いた時は半凶が島に起こる兆しである。

出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳
神魔精妖名辞典

作者ひとこと:
ファードリのデザインは、インコの様な鳥をイメージして描きました。体中にある袋の様なものから災いをばらまくイメージです。

2019年6月1日土曜日

「脾の聚」



脾の聚(ヒノシュ)

永禄11年(西暦1568年)10月11日、摂津の国(今の大阪府)に住んでいた元行という人によって書かれた、針や灸などの打ち方や人間の体内の解剖図などから構成されている医学書「針聞書(ハリキキガキ)」に登場する、人間の体内にいて病気を引き起こすと考えられた虫の一種。脾の聚は脾臓にいる虫で、岩の様な姿をしている。この虫が起こる時は磐石(バンジャク)の岩の上に落ちる様な感じがする。虫がこの姿になると寄生されている人間の病気が治りにくくなる。この虫を退治する為の針の打ち方は口伝されている。

出典:
NAVERまとめ
不思議な医学書「針聞書」キモカワイイ虫たちの世界
九州国立博物館

作者ひとこと:
脾の聚のデザインは、針聞書にある図を参考に描きました。