自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2019年6月10日月曜日

「ヴァルナ」



ヴァルナ

古代インドの神であり、主権神で至高神。契約神のミトラと並ぶ最高神でもある。ヴァルナはミトラと共に太古のアスラ族、アーデイティヤ神群を代表した神である。ヴァルナの起源は古く、紀元前14世紀頃のミタンニ・ヒッタイト条約文にはミトラと共にヴァルナの名が挙げられている。ヴァルナは4本の腕を持ち、体中を宝石などの装飾品で飾った姿をしている。ヴァルナは宇宙を支配する神で、対になっているミトラが法によって秩序を維持する神に対して、ヴァルナは魔術的な力によって罪人を罰し、秩序を維持する神であった。ヴァルナは世界の秩序の理法「真実」であるリタ(天則)を堅持し、リタを順守しない者に直ちに罰を下す。この神は全てを見て知る神であり、ヴァルナは密偵を放ち人々を監視させた。そして罪を犯す者に対しては瞬時に縄で縛り上げたり、水腫病で罰したりする。この様に厳正に裁くヴァルナに、ある者はその厳しさに恐れたが、ヴァルナは反省した者は許す優しさもあり、また、ある者はヴァルナがもたらす医学の施しに感謝し、ヴァルナは尊敬を集める存在とされていた。しかしヴェーダの時代になると、ヴァルナの地位が下がり始めた。何故ヴァルナは格を下げられたのかというと、彼の神格があまりにも多様で広すぎた事にあった。ヴァルナの多様な神格は多くの神々に分担されていき、ヴァルナは頂点的な存在では無くなった。その後プラーナ文献によると、ヴァルナは世界を護る八柱の守護神の一柱に据えられた。この八柱の神々はそれぞれが各方位を守護しており、ヴァルナは西を守護する神になった。ヴァルナの他の神々に分担された神格の内、水神としての属性は残り、その属性は徐々に強められていった。叙事詩「マハーバーラタ」には神々に「インドラが神々を支配するように、ヴァルナは水を支配する事が出来る。海も川も、全ての水が従うだろう」と言われたヴァルナは納得し、水の神になったという話がある。こうしてヴァルナは水の神、海上の神という位置付けが与えられる事になった。ヴァルナは「マハーバーラタ」の中では、ナーガ達が暮らす海の主だとも、ナーガ達の王だとも呼ばれている。仏教では「水天」と呼ばれ、八方(東西南北の四方と東北、東南、西北、西南)を護る八方天に天地の二天と日月の二天を加えた十二柱からなる仏法の護法善神「十二天」の一柱である。水天は天部の一柱で須弥山の西に住み、十二天でも西の方角を守護している。水天は水の神であり、竜達を支配する。

出典:
Wikipedia
神の文化史事典(白水社)
ゼロからわかるインド神話(イースト・プレス)

作者ひとこと:
ヴァルナのデザインは、宇宙を支配する神なので、体と手が離れている、不思議な姿に描きました。また、ナーガ達の王ともされているので、体中に蛇を付けました。

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