ニヤン
ミャンマーとインドの伝説や伝承に登場する蛇の魔物。ベンガル語では「ガラ」、シッカタ語では「アヴァグラー」「グラハ」「グラホ」、マガダ語では「タンティ・ガハ」などとも呼ばれる。ニヤンはくねくねした巨大な蛇の様な姿の怪物で、ミャンマーやインドのベンガル地方の河口や川に棲息していた。自らの縄張りに入り込む大きな生物なら全てを襲い、蜷局を獲物の体に巻きつけて締めつけ、そのまま水中に引きずり込んで貪り食った。ニヤンの棲息地の周辺に棲む象達にとって、ニヤンは大いなる脅威となった為、このニヤンの棲息地周辺で人間が労働させていた象が行方不明になる原因を判断するうえで、「ダンマータツ(慣習法典)」には、もし労働させていた象がニヤンによって連れ去られた場合は、負債の必要はないと考えた。アラウング・ミンドラゲ王という王の軍隊が、ミャンマーのマルタバン川という川を渡る途中で、このニヤンに数頭の象を奪われたという。
出典:
幻想世界神話辞典(⇒「ガラ」のページ)
世界の怪物・神獣事典(原書房)
作者ひとこと:
ニヤンのデザインは、川の水中に棲む大蛇の様に見える巨大な鰻の様な魚の怪物という姿に描きました。
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