ちんちんちん袴(チンチンチンバカマ)
小楊枝を無駄づかいしてはぽいぽい捨てていた長者のお嬢さんが、夜に便所に行こうとすると、なんだかわからないものが「ちんちんちんばかま、夜も更けそーろー、きしなる神様、やちっちょこやちっちょこやっちょこな」と、唄い踊っていた。怖いので家の者に話しても、誰も信じないし、乳母と便所に行ってもすがたをみせないので、どうしようもなかった。ある晩、勇気を出してお嬢さんがこのよくわからないものにひとりで近寄り、その体に火をつけてみた。翌朝になって調べてみると、小楊枝が焦げて落ちていたという(「川越地方昔話集」)。安房国(千葉県)で語られていたという昔話にみられるもので、楊枝の化けたもの。
出典:
和漢百魅缶
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)
作者ひとこと:
ちんちんちん袴のデザインは、袴を履いた楊枝の妖怪に描きました。
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