自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2020年5月2日土曜日

「人面犬」



人面犬(ジンメンケン)

日本の都市伝説で語られる、人間の顔を持ち言葉を喋る犬の姿をした怪異または怪物、妖怪。繁華街で犬がゴミ箱の中のゴミを漁っており、それを店員や通行人が声を掛けて注意すると、注意された犬が振り向いて、その犬は人間の顔をしていて、注意した店員や通行人に向かって「ほっといてくれよ」、「うるせぇんだよ」などと言い返して立ち去るというもの。他にも「勝手だろ」、「なんだ、人間か」などの捨て台詞を言った、とか、カップルに対して下品な言葉を吐いた、とか言う話も言われている。また、人面犬は異様な脚力を持っているとも言われており、深夜の高速道路を走る車に時速100kmのスピードで追いすがり、そして、そのまま車を追い抜かしていくとされている。なお、人面犬に追い抜かされた車は必ず事故を起こすとも言われている。また、その脚力故か、物凄いジャンプ力を持っているとされ、6m以上ジャンプした、という話もある。不思議な世界を考える会編「怪異百物語1」には、人面犬は超能力で人間を苦しめ、原因不明の病気にする。人面犬を見ただけで、見てしまった人には何らかのトラブルがある。人面犬は口から火を吹く、などの特徴も語られている。学校の怪談編集委員会編「学校の怪談4」には、人面犬に見られただけで、その人面犬に見られた人は犬にされてしまう、という特殊能力が見られる。並木伸一郎著「最強の都市伝説」には、人面犬は緑色の糞をする、人面犬に噛まれてしまうと、噛まれた部分が腐敗し、切断しなければならなくなる、などの話が載っている。他にも、人面犬に噛まれた人間は人面犬になってしまう等の話もある。人面犬の正体、出生についての話も様々あり、有名な話として、筑波大学における遺伝子操作によって犬と人間が混じり合った生物が生まれた、というものがある。他にも「環境汚染による突然変異」説や、「妖怪の類」とも言われており、この「妖怪の類」説に近いものとして、人面犬は霊的な存在であり、その姿は強い霊感の持ち主にしか見えない、とも言われている。また、人面犬の顔は中年男性のものだとも言われ、妖怪研究家・山口敏太郎は、リストラされて自殺した中年男性の怨念が犬に憑依したものか、としている。また常光徹著「学校の怪談」には、野良犬に噛まれた女性が次第に人の頭を持った犬になった、という出生譚や、関東地方には恐ろしいウイルスを持った犬が6匹おり、これらの犬に噛まれる事で、噛まれた人間が人面犬と化してしまう、という話も紹介されている。並木伸一郎著「最強の都市伝説」には、ペットショップで中絶された犬の水子の霊、暴走族に飼い犬もろとも轢き殺された人の霊が正体である、という説が紹介されている。常光徹他編著「ピアスの白い糸」には、女性が野良犬に噛まれて死亡する事件が起きた数週間後、彼女の顔をした人面犬が現れた、という説が千葉県の大学生からの報告として記されている。人面犬の噂は、1989年~1990年にかけて、主に小中学生の間でマスメディアを介して爆発的に広まったが、常光徹他編著「ピアスの白い糸」には、その数年前から人面犬の噂も囁かれており、当時は「人犬」という呼称で呼ばれていた例もあるという。また人面犬の様な人間の顔を持つ犬の民間伝承は、少なくとも江戸時代から存在する。江戸時代の文人・石塚豊芥子の著書「街談文々集要」によれば、文化7(1810)年6月8日に江戸の田戸町で、ある牝犬の産んだ子犬の一匹が人間そっくりの顔であったという。一人の興行師がこれを聞きつけ、早速、人面犬の見世物として売り出したところ、押すな押すなの大人気となった。当時は「梅毒患者は牝犬と性交すると治癒する」との迷信があり、その結果、産まれたのがこの人面犬だと噂された。同じく江戸時代の文人にして水戸藩士の加藤曳尾庵の著書「我衣」によれば、文政2(1819)年4月29日、日本橋近郊で産まれた子犬が人面と言われ、江戸中の評判となって見物人がつめかけた。曳尾庵が見物人から聞いた話によれば、その子犬は猿の様な顔つきだったという。また瓦版によれば、その子犬の前脚が人間の足だったという。

出典:
Wikipedia
日本現代怪異事典(笠間書院)

作者ひとこと:
人面犬のデザインは、中年男性の顔を持った犬の姿に描きました。

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