自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2021年6月2日水曜日

「オコナイ様」


オコナイ様(オコナイサマ)

日本で信仰されている神。オコナイ様は、東北地方、特に山形県と岩手県に分布する男女一対の神で、「オクナイ様」ともいう。通常は、単なる木(または竹)の棒に紙製の衣を着せただけが御神体であるが、聖徳太子(ショウトクタイシ)や阿弥陀如来(アミダニョライ)の像に服を着せたものもある。オコナイ様の伝承は検地に関係したものが多く、元々は境の神だった事がうかがわれる。また、よく祀られたオコナイ様が農作業を手伝ったという伝承もあり、こちらは田の神、家の神の性格の表れである。このオコナイ様は、主に家庭の主婦によって祀られる神で、稲刈りの時期になると、オコナイ様を田の風に当てると称して、女達が御神体を背負って村を歩き、勧進(寄付)を募る。そして集めた金で、巫女を呼んで祈ってもらい、オコナイ様の衣更えをする。家々の女達が集まって、村や家族のことを占ってもらうのだ。こうして祀られたオコナイ様は、出雲大社の末席に並ぶという。佐々木喜善「遠野のザシキワラシとオシラサマ」では、山形のオコナイ様とは「御宮内様」の事であると記している。その山形の御宮内様とは、宮内の者が六尺の竿で検地をした筈が、実は六尺三寸の竿であった為、削られると思った土地が助かった。農民達が喜びの余り、その六尺三寸の竿を細切れにして、各家で神として祀ったのがオコナイ様である、とある。岩手県遠野市では、ある夜、南澤の某の家に盗人が入り、座敷から大きな箱を背負い出そうとした。しかし盗人はオクナイ様に取り押さえられて動けなくなった。夜が明けて家の者が起きてみると、オクナイ様は神棚から降りて、盗人の荷物の上に乗っていたという。

出典:
東洋神名事典(新紀元社)
怪異・妖怪伝承データベース
不思議空間「遠野」-「遠野物語」をWebせよ!-

作者ひとこと:
オコナイ様のデザインは、衣で体を覆っている地蔵菩薩の様な仏にも見える神の姿に描きました。

0 件のコメント:

コメントを投稿