自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2022年4月11日月曜日

「蘇伐都利」


蘇伐都利(ソボルドリ)

朝鮮半島の神話に登場する、新羅(シルラ。古代の朝鮮半島南東部にあった国家)建国を推進したとされる「謁平(アルピョン)」「蘇伐都利」「倶礼馬(グレマ)」「智伯虎(チペクホ)」「祇沱(ジタ)」「虎珍(ホジン)」の6人の内の一人。6人は元は天上界の神で、彼等はある時、朝鮮半島南部の辰韓地方に降りると、それぞれが一つずつ村を作り、村長となった。その村の名はそれぞれ「楊山(ヤンサン)村」「高墟(コホ)村」「大樹(テス)村」「珍支(ジンジ)村」「加利(ガリ)村」「高耶(コヤ)村」といった。ある時、6人は閼川(アルチョン)の堤に集まって話し合い、優れた一人の有徳の王を立てて新しい国を開く事で意見が一致した。ちょうどその時、楊山の麓に天から白馬が舞い降りて来た。6人はそれを見に出かけてみると、白馬が跪いている様が伺えたが、白馬は6人の姿を見ると嘶いて天へと昇って行ってしまった。白馬が天へと昇って行く前に跪いていた所を見ると、そこには紫色の卵があった。6人がその卵を割ってみると、卵の中から容姿端麗な男の子が現れ出た。6人は男の子を沐浴させると、男の子の体から光が出て来た。すると鳥や獣達は舞い踊り、大地は震え、日月の光は清らかであった。6人はこれこそ天が送ってくれた王だと考え、男の子に「赫居世(ヒョコセ、「明るい世」)」と名付け、姓を「朴(パク)」とした。そして赫居世が13歳になった時に新しい国を作り、6人の村長は赫居世を国王として推戴したのである。この国が、後に新羅と名を改めたのであるという。また、歴史書「三国史記(さんごくしき)」新羅本紀によれば、辰韓の今の慶州一帯には古朝鮮(こちょうせん)の遺民が山合に住んでおり、楊山村・高墟村・珍支村・大樹村・加利村・高耶村という6つの村を作っていた。楊山の麓の蘿井の林で、馬が跪いて嘶いている事に気が付いた高墟村の村長の蘇伐都利がその場所に行くと、馬が消えて後には大きい卵があった。その卵を割ると中から男の子が出て来たので、6人の村長達は、この男の子を育てた。男の子が10歳を過ぎる頃には、その人となりが優れており、また、その出生も神がかりな事であった為、辰韓の6人の村長達は彼を推戴して王とした。この時、赫居世は13歳であり、即位すると共に居西干と名乗り、国号を「徐那伐(ソナボル)」といった。

出典:
東洋神名事典(新紀元社)
Wikipedia(「赫居世居西干」のページ)

作者ひとこと:
蘇伐都利のデザインは、蘇伐都利が天から降りて来た神なので、頭に冠を被り、体は天の雲に覆われている神の姿に描きました。

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