自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2022年4月26日火曜日

「トッケビ」


トッケビ

朝鮮半島に伝わる精霊、または妖怪。朝鮮時代以前には具体的な姿形は表象されず、鬼火などの神霊的な存在として伝承された。古くは中国の鬼神との習合、近代以降は日本の鬼との混同が起きたとされ、地域によっても変化または独自に伝承された為、性格や能力などの特徴に相違点も多く、特定の種族を指す概念ではなかったと考えられている。古来のトッケビに関する風習や祭祀はほとんどの地域で途絶えており、21世紀では全羅道の一部(淳昌、珍島など)と済州島に残る程度である。北朝鮮においては慣用句に用いられる程度で目立った文化的表現はないが、民主化後の韓国においては大衆文化の象徴として重要視され、行政レベルで日本や中国の影響を除した新たなキャラクター作りが模索されている。トッケビの起源、発祥した時期や地域は不明。トッケビ説話の起源を新羅時代の郷歌「処容歌」の疫神や、「三国遺事」の「桃花女 鼻荊郎」に求める意見も存在する。トッケビの名称については、文献によるとハングル創成直後の1447年に記された釈迦の一代記「釈譜詳節」に「トスガビ(中期朝鮮語発音)」とあるのが初出。漢文による記録には、鬼、鬼神、夜叉、独甲、独脚鬼、魑魅、魍魎、虚主、虚体、狐魅などの類義語が記されているのみであり、それらをトッケビと同一のものとみるか、ルーツとみるか、あるいは当て字に過ぎず無関係とみるかは諸説ある。また、済州島の神話に登場するトッケビはソウルの「ホ・ジョンスン」という架空の人物の息子がモデルであり、トッケビを「参奉」「令監」などの官名で呼ぶ風習が残る。トッケビの語源については、中国から伝播した一本足の鬼神の名称「独脚鬼(ドッキャクキ)」が変化したとする説があるが、多くの言語学者は固有語の「アビ(父)」を語源の一部とする説を採る。その場合、語頭の「トス」の意味については諸説ある。徐廷範(1926年生まれ)は、古語の「トソプ(幻影、妖術)」だと主張、現代語の「トソプ」の「がさつで気まぐれ」などの意味にも繋がる可能性を示唆した。朴恩用(1927年生まれ)は、木製道具がトッケビに化ける言い伝えから「杵(チョルグコンイ)」を語源と仮定し、「臼(チョルグ)」の綴りの変遷を推定して「トスグ」が原型だと主張した。さらに遡って、それらのルーツを三国時代の木の精霊「豆豆里(トゥドゥリ)」にあるとした。この説については、農機具や祭祀の伝来についての考古学的な検証が足りないとの指摘がある。李基文(1930年生まれ)は、「斧(トッキ)」の古語「トスグィ」だとした。ハングル学会の權在善(1934年生まれ)は、徐廷範の説に対し、同様の名詞化接尾辞の事例がなく音韻学上の観点から不可能だと否定した。また、自説として語源を「道術(トスル)」と「遁甲(トゥンガプ)」が合わさったものだと主張した。朴相圭(1948年生まれ)は、語源をアルタイ諸語の語根「tot」に求め、「火」もしくは「種子」が語源とした。他にも漢語の「都」が語源の可能性も示した。民俗学者の金宗大(1958年生まれ)は、アルタイ諸語説を支持し、火の神と豊饒神の性質を持つ事に着目して「火を起こし、豊作をもたらす成人男性の意味が内包された」と補足した。また、徐廷範の説の一部について、後世の妖怪としてのイメージによるものであり、信仰の対象であった時代にあてはまらないと否定した。国立国語院は、「アビ」を語源とするならば成り立ちを「トスク+アビ」とすべきだが、その場合「トスク」の意味の説明ができないと指摘した。一説には、トッケビは悪戯好きで相撲が好きであるとも言い伝えられている。また、富や福をもたらす神としての側面も持ち、海辺では人々に漁場を教えてくれる豊漁神として信仰される事もある。しかし内陸地では火災を起こす悪鬼として伝えられている事もある。また悪戯好きで不思議な力を持つが、愚かなところもある、と伝えられている事もある。トッケビは一本足であり、古い箒や火かき棒の精霊であると伝えられている事もある。しかし一方で、トッケビは自分の姿を変幻自在に変える事が出来、人間や巨大な鬼に変身する事も自由自在である、とも言う。また、トッケビは相撲が好きだが、一本足のトッケビの場合は、足を引っ掛ければあっさり転んでしまい、人間に勝つ事は滅多にない、とも伝えられている。トッケビの漢字表記の「独脚鬼、独甲鬼」は音訳であり、全てが一本足であるわけではない。またトッケビの外見は人間と区別がつかないものが多い、とも言い伝えられいる事もある。

出典:
Wikipedia
ピクシブ百科事典
幻想世界事典
世界の「神獣・モンスター」がよくわかる本(PHP文庫)

作者ひとこと:
トッケビのデザインは、トッケビは様々な姿が伝承されているらしいのですが、イラストのトッケビは一本足の精霊または妖怪の姿に描きました。

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