自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2023年2月22日水曜日

「カー」


カー

古代エジプトの「魂」の一つで、生命力の象徴。カーは、人間が産まれた時から傍らに一緒に存在する。このカーは、古代エジプトの「魂」の様なものである。古代エジプト人は、人間を5つの要素から構成されていると考えていたようだ。それが肉体、「バー」、カー、名前、影である。この内、バーとカーはどちらも日本語では「魂」と訳されるが、一言で説明するのはなかなか難しい。バーの方は、私たちが通常考える「魂」に比較的近く、死後、バーは、その死んだ人間の肉体から離れて飛び回る。バーは、また、その人の「人格」の様なものでもある。一方のカーは、産まれた時から人間に備わっているものと考えられていたようで、カーはいわば、人間の活力、生命力の象徴の様なものと考えるとイメージしやすいのかもしれない。カーとは、常に個人の傍らにいて、人間の活力や生命力を象徴している。カーは、そんなイメージの「魂」である。死後、バーとカー、2つの「魂」が一体化することで、一体化した「魂」は「アク」と呼ばれるものになる。アクとなった魂は、祝福された魂として、「イアルの野」と呼ばれる楽園で永遠に暮らすことができるのだという。そのために、この2つの「魂」がスムーズに合体できるように、古代エジプト人は様々な儀式を執り行った。カーは、その存在を維持するために、常に食事を必要としたらしい。それは宿る肉体が死んだ後も変わらない。だから、死後も、カーは食べたり飲んだりする必要があるとされた。古代エジプト人が死者に対して食べ物を供えたり、食べ物の絵が捧げられたりするのはこのためで、これらの供え物が途切れるとカーは消滅してしまう。もし、万が一、魂がアクになる前にカーが消滅してしまうようなことになれば、人々は「あの世」で永遠に生きられなくなってしまうのだから、事態は深刻だ。なので「カーの召し使い」と呼ばれる墓守が、そうならないようにせっせと食べ物を運んだのである。カーは、人間の傍らに立つ小さな像として表現されたが、そのカーの像の頭上には「肘を曲げて差し挙げている両腕」を載せている。カーは、創造神「クヌム」が人間をつくる際に一緒につくったとされている。

出典:
ファンタジィ事典

作者ひとこと:
カーのデザインは、頭に両腕が乗った、精霊、または霊魂の姿に描きました。

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