自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2026年1月3日土曜日

「オシラサマ」と「白龍」


オシラサマ

 東北地方に分布する家の神の信仰。茨城県などにもなくはないが、青森、岩手、宮城県北部などにことに濃厚である。オシンメ様(福島県)、オコナイ様(山形県)などともいわれる。多くは桑の木に、男女とか馬の顔を彫刻した長さ30cmほどのものを布切れで幾重にも覆っている。貫頭型と布を頭からかぶせた包頭型とがある。普通、神棚の祠に納めておくが、春秋の祭日に出して、神饌をそなえ供養し、またオシラアソバセをする。祭日は一月、三月、九月の十六日である。昔は同族的な系譜を背景とする女性集団によって祀られていたらしく、本家の老婆が祭文を読んだり、女の子がオシラサマを背負って遊ばせたりもした。これをオシラホロキとかオシラアソビともいって、イタコが参与しておこなう場合も多い。「金満長者」「せんだん栗毛」などの祭文を語りながらオシラサマを一対両手にとって打ち振り、神がかりふうになり託宣をする。
 養蚕や農業、漁業、病気平癒の神様とされる。民俗学者の柳田國男(やなぎたくにお)が『遠野物語(とおのものがたり)』で紹介したことで、広く知られるようになった。
 遠野物語の六十九話で、オシラサマの由来譚が語られている。「……昔ある処に貧しき百姓あり。妻は無くて美しき娘あり。又一匹の馬を養う。娘此馬を愛して夜になれば厩舎(うまや)に行きて寝(い)ね、終に馬と夫婦に成れり。或夜父は此事を知りて、其次の日に娘には知らせず、馬を連れ出して桑の木につり下げて殺したり。その夜娘は馬の居らぬより父に尋ねて此事を知り、驚き悲しみて桑の木の下に行き、死したる馬の首に縋(すが)りて泣きいたりしを、父は之を悪(にく)みて斧を以て後(うしろ)より馬の首を切り落せしに、忽(たちま)ち娘は其首に乗りたるまま天に昇り去れり。オシラサマと云うは此時より成りたる神なり……」
 実は中国の東晋の時代(三一七年~四二〇年)に書かれた『捜神記(そうしんき)』にも、馬と娘の恋の話が見られる。なのでこれは、アイヌ由来の神像と中国にあった伝説とが北と南から来て出会い、東北の地で結びついたものだという説もある。『遠野物語拾遺』の七十七話では、昇天する娘が親に養蚕の技術をもたらしたという後日談もある。遠野のなかでも土地によって由来譚は微妙な地域差があったようだ。

出典:
『日本大百科全書 4』(小学館)
『NHK「100分 de 名著」ブックス 柳田国男 遠野物語』(NHK出版)

作者ひとこと:
 Geminiで生成。実がなった桑の枝を持ち、背景の床の間には繭玉(柳などの枝に繭形にまるめた餅・団子などを数多くつけた、小正月の飾り物)が置かれています。貫頭型のイメージで、イラストのオシラサマは、道行コート(外出時、着物の上に羽織る礼装用のコート)を着ています。


白龍(ハクリュウ)

 盛岡市周辺には、昔から「南昌山(なんしょうざん)に雲がかかると雨が降る」という俗言がある。南昌山の古地名を毒ヶ森(ぶすがもり)といった。現在、南昌山塊にも同名の山があるから、単独で呼ばれたというより、南昌山塊の総称として、そう呼んでいたのかもしれない。麓に言い伝えによると、峰の洞窟には水神・白竜(雨竜)が住んでおり、時折、毒気を出して雲を起こし、峰を覆ったという。この毒気に苦しめられる登山者も出たり、雨竜による長雨災害を祓う意味で、峰に青竜権現の祠を建てて祀ったともいわれている。果たしてこの毒気とはなんなのか、知る由もないが、冒頭の俗信にも通じる伝説であることは分かる。猛毒を持つ蛇、マムシの多い山としても有名だが、その関連も気になるところではある。かつての不来方周辺の里から見て、手が届きそうなほどに近く、それでいて、ある種の聖域化、もしくはタブー視された山、それが南昌山だったのではなかろうか。ケとしての山か、ハレとしての山か。いずれにしても、南昌山麓の人々の生活が、この山と密接に関わりながら存在していたということだろう。
 南昌山は江戸時代、徳ヶ森・毒ヶ森と呼ばれていたが当時の南部藩主南部信恩公が、南部繁昌を願って「南」と「昌」の二字をとり命名した。坂上田村麻呂の時代から霊山として敬われた有名な山であり、江戸時代の画家谷文兆が描いた「日本名山圖會」の中に南昌山が選ばれていたり、前九年合戦のとき、安倍貞任と八幡太郎義家が戦った古戦場で、安倍貞任側の名のある武将たちが亡くなっていたりと、たくさんの歴史や伝説に包まれた山である。

出典:
『山日和』(自湧社)
『童話「銀河鉄道の夜」の舞台は矢巾・南昌山』(ツーワンライフ)

作者ひとこと:
 ChatGPTで生成。拙作『アマテラスの力を継ぐ者』で語られるとおりに、カイコの要素も入れたくて、成虫の蚕蛾の触覚と羽根をつけて描かせました。口からは毒に見立てた紫色の煙を吐き出しています。

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