日本に伝わる幻獣、または怪物、または妖怪の一種。やざいもん蛸は、香川県に伝わる大蛸の怪物である。ある時、海辺の岩の上で大蛸が鼾をかいて昼寝をしていた。それを見つけた八左兵門という人は、大蛸がぐっすりと寝入っている事を良い事に、大蛸の長い足を一本切り取って家に持ち帰った。それを機に八左兵門は、毎日、海辺の岩の上で昼寝をしている大蛸の所へ行っては、一日に一本、大蛸の足を切り取っては、家に持ち帰り、自分の腹の足しにしていた。そして八日目、八本あった大蛸の足は残り一本となり、八左兵門が、その残った最後の一本の足さえも切り取ろうとした、その時、大蛸は目を覚まして残った一本の足で八左兵門を雁字搦めにして、そのまま八左兵門を海中深くに引きずり込んだ。そして、その後大蛸は何事もなかったかの様に、再び海辺の岩の上でまた昼寝を始めた。八左兵門の出来事があって以来、その大蛸は人々に「やざいもん蛸」と呼ばれるようになった。
出典:
妖怪尽くし
怪異・妖怪伝承データベース
作者ひとこと:
やざいもん蛸のデザインは、伝承通りに七本の足が切り取られて無くなっており、一本の足だけがある大蛸の姿に描きました。
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