ぎゅわん坂(ギュワンザカ)
埼玉県日高市高萩に伝わる怪異。ぎゅわん坂と呼ばれる坂は、かつて鬱蒼と樹木が茂る七曲りの急坂だったという。後醍醐天皇の時代、高萩弥勒寺には討幕の企てに参加する行安という僧がいた。やがて謀は外に洩れてしまい、彼らはことを成し遂げる前に山中で討死してしまった。それからというもの、この山道には行安の亡霊が出ては道行く人々を散々に恐れさせるようになった。そこで村人たちは塚を建てて行安の霊を祭り、山を行安山と名付けたという。このようなことがあったため、後の時代も子供が泣いたときに「ぎゅわんへ連れていくぞ」と脅かすと、ふっと泣きやんだものだといわれている。
出典:
【妖怪図鑑】新版TYZ
作者ひとこと:
ぎゅわん坂のデザインは、ニューッと山道から立ち現れた僧の亡霊というイメージで描いてみました。
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