自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2021年5月8日土曜日

「払子守」


払子守(ホッスモリ)

日本に伝わる妖怪で、江戸時代中期の画家、浮世絵師の「鳥山石燕(とりやま せきえん)」の妖怪画集「画図百器徒然袋(がずひゃっきつれづれぶくろ)」に描かれている。画図百器徒然袋には、仏具の一つである払子(ほっす)の妖怪が天蓋の下で坐禅を組んだ姿で描かれている。解説には「趙州無の則に、狗子にさへ仏性ありけり。まして伝灯をかかぐる坐禅の床に、九年が間うちふつたる払子の精は、結加趺坐の相をもあらはすべしと夢のうちにおもひぬ」と記されている。「趙州無の則に、狗子にさへ仏性ありけり」とは、禅における公案(こうあん)の「狗子仏性(くしぶっしょう)」(「イヌにも仏性があるか」と問われた、中国の唐代の禅僧「趙州禅師(じょうしゅうぜん)」が「無」と返答したもの)から引かれており、イヌに仏性があるならば、禅寺で長年使われた払子の精も仏性を持っているのではないかと鳥山石燕は連想をし、その様な点からこの「払子守」は創作されたのではないかと考えられている。また、解説文中にある払子の使用された年数「九年が間」というのは、禅宗の開祖とされている「達磨大師(だるまたいし)」が壁に向かって9年間坐禅を組んだという伝説からの連想で数字が使われていると見られている。鳥山石燕は画図百器徒然袋においては、室町時代の妖怪絵巻「百鬼夜行絵巻(ひゃっきやこうえまき)」を多く参考にしており、同絵巻には払子を素材とした妖怪も登場している。妖怪研究家の多田克己(ただ かつみ)は、払子は中国では煩悩をもたらす悪魔を払うといわれたことから、「払子の成仏を妨げるものは存在しない」という事を鳥山石燕は表していると述べている。また、この払子守は、古い器物に霊が宿って誕生する妖怪「付喪神(つくもがみ)」の一種とされており、払子守は払子の付喪神であるとされる。また一説には、使い古された払子が夜中に踊り出したと言う話もある。

出典:
Wikipedia
ピクシブ百科事典
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
払子守のデザインは、「画図百器徒然袋」の絵を参考にして、座禅を組んだ払子の妖怪の姿に描きました。

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