自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2019年9月6日金曜日

「飛頭蛮」



飛頭蛮(ヒトウバン)

中国に伝わる妖怪。飛頭蛮は、いつもは通常の人間と変わりない姿だが、夜になると首(頭部)だけが胴から離れて空中を飛び回る。王圻(オウキ)によって編纂された「三才図会(サンサイズエ)」によれば、大闍婆国(ダイシャバコク、ジャワ島のこと)に頭を飛ばす者がいる。その者は目に瞳が無いのが特徴で、現地では虫落(ムシオトシ)、落民(ラクミン、首が落ちる人という意味)と呼ばれている。漢の武帝の時代には、南方に体をばらばらにする事が出来る人間がおり首を南方に、左手を東海に、右手を西の沢に飛ばし夕暮れになるとそれぞれが体に戻って来るが、戻る途中で風に遭うと、その部位が海上を漂ったりした。唐の時代の書「南方異物誌」によると、嶺南(レイナン。中国南部からベトナムにかけての地方)の洞穴の中にいる飛頭蛮は首に赤い傷跡がある事が特徴で、夜になると耳を翼の様に使って頭部が飛び回り、虫を食べる。そして夜が明けると自分の胴体に戻ってくるとされる。東晋の小説集「捜神記(ソウジンキ)」によると、三国時代の呉の国の将軍、朱桓(シュカン)に雇われていた下女の頭が夜になるとしばしば飛び回ったとある。頭部の離れた体は冷たくなっている上に呼吸も微かになっていた。ある人がその体に布団を掛けたところ、やがて戻って来た頭部は布団に遮られて体に戻る事ができず、呼吸を荒らげて苦しみだした。ある人がその体に掛かっていた布団を取り去ってやると頭部は体に戻って落ち着いた。飛頭蛮の胴体を銅の盆で覆った人もいたが、その際には戻って来た飛頭蛮の頭部は胴体に戻れず、その飛頭蛮はとうとう死んでしまった。北宋(ホクソウ)時代に成立した「太平広記(タイヘイコウキ)」には「飛頭獠(ヒトウリョウ)」の名で記載されている。この者達は頭部が飛ぶ前日に、首筋に赤い筋の様な痕が現れ、当日の夜になると病人の様になって頭部が胴体から離れ、頭部は川岸に行って蟹や蚯蚓(ミミズ)の類を食べる。朝方になると頭部は戻って来て、当の本人は夢が覚めたような様子で何もわからないが、その腹は満たされているとある。

出典:
Wikipedia

作者ひとこと:
飛頭蛮のデザインは、耳を翼の様に使って飛び回る飛頭蛮をイメージして描きました。

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