自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2020年9月29日火曜日

「賁羊」


賁羊(フンヨウ)<羵羊、墳羊>

中国に伝わる幻獣、または精霊の一種。賁羊は羊の姿をしており、土の精霊であるという。4世紀に東晋の政治家・文人の干宝(カンポウ)が著した怪異説話集「捜神記」に賁羊の話が記されており、これによると、春秋時代、魯国(現在の山東省の曲阜県を中心とする国)の大夫である季桓子(季桓斯)が井戸を掘っていたところ、土中から素焼きの甕の様なものを掘り出した。この甕の中には羊が入っていた。季桓子は「私は井戸を掘っていて犬を捕らえた。これは何だろうか」と孔子に尋ねた。孔子はこれに答えて「私の知る限りでは、これは羊です。聞くところによれば、木石の怪は「夔(キ)」や「魍魎(モウリョウ)」で、水中の怪は「龍」や「罔象(モウショウ)」、土中の怪は賁羊というそうです」と話したという。更に「捜神記」は「王子」なる書物を引いて、木の精を遊光、金の精を清明としている。日本で、江戸時代中期に医師である寺島良安(テラシマ リョウアン)によって編纂された日本の類書(百科事典)「和漢三才図会(ワカンサンサイズエ)」の「羊」の項目で賁羊について記し、やはり土の精であると説明している。

出典:
[妖怪図鑑]新版TYZ
プロメテウス(「第十二巻:捜神記を翻訳してみた」のページ)
幻想動物の事典
幻想世界の住人たちⅢ<中国編>(新紀元社)

作者ひとこと:
賁羊のデザインは、積み重なった石の上に座っている、体から花や草が生えている羊の姿に描きました。

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