虹蜺(コウゲイ、コウニ)
中国に伝わる幻獣または霊獣の一種。虹蜺は空にかかる虹になるとされた龍の一種である。または虹蜺は虹を司る龍であるとも言われている。空にかかる虹を龍や蛇に見立てる思想は、オーストラリアの先住民であるアボリジニやアフリカなど世界の各所で見受けられる。中国でも虹を龍や蛇に見立てて考えられてきた。漢字の「虹」が虫偏であるのも、中国の伝説において虹が蛇や龍の一種であると見なされていたからである。古代中国の殷の時代にはすでに「虹」の文字を弓なりに背を丸めた龍の姿で記した遺物が発見されている。虹蜺は天に棲む七色に輝く体を持った龍の一種で、この虹蜺が空に出現する事で空に虹が出来ると考えられていた。虹蜺は、鮮やかな色を司る雄の「虹(コウ)」と、暗く淡い色を司る雌の「蜺(ゲイまたはニ)」の一対の龍であるとされている。いつもは天に棲む虹蜺であるが、時には地上に姿を現す事もあった。この虹蜺、人間の姿に変身する事もあり、ある時、人間の男性の姿に変身した雄の「虹」が人間の女性と交わり、子供を作ったという話が伝えられている。晋王朝時代には、とある人の家に突然、虹蜺が入って来て、その家の釜の中の水を飲み始めた事があった。これは珍しい事なので、この家の主人は喜んで虹蜺に酒を振る舞ったところ、虹蜺はお返しに釜の中に大量の金塊を吐き出して去って行ったという。
出典:
神魔精妖名辞典
よくわかる「世界のドラゴン」事典(廣済堂出版)
Wikipedia(「虹蛇」のページ)
作者ひとこと:
虹蜺のデザインは、大蛇の様な姿の龍に描きました。
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