自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2023年4月30日日曜日

「雨降小僧」


雨降小僧(アメフリコゾウ)

江戸時代中期の画家、浮世絵師の鳥山石燕(とりやま せきえん)の妖怪画集「今昔画図続百鬼(こんじゃくがずぞくひゃっき)」に描かれた妖怪で【雨のかみを雨師という。雨降り小僧といへるものは、めしつかはるる待童にや】とある。「雨師(ウシ)」とは、中国でいう雨の神の事だが、雨降小僧は雨師に仕えているというだけで、どのような妖怪かは不明である。山田野理夫(やまだ のりお)の「東北怪談の旅」には、雨降り小僧(アメフリコゾウ)という妖怪が登場し、その雨降り小僧は岩手県の妖怪とされている。それによると、上閉伊郡の仙人峠を通る馬喰から魚をもらった狐たちは、雨降り小僧に魚を渡して「魚をやるので雨を降らせてくれ。娘の嫁入りをするから」と頼んだ。小僧はそれを承知し、提灯を振って雨を降らせた。その中を狐の嫁入り行列が進んだという。この話のモデルとなったのは、鳥山石燕の今昔画図続百鬼にある雨降小僧だと思われる。雨の神である雨師に仕える召使いではないかと記されているが、実際は石燕が創作した妖怪のひとつとみられる。

出典:
日本怪異妖怪事典 東北(笠間書院)
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
雨降小僧のデザインは、頭に傘を被り、提灯を浮遊させている童子姿の妖怪に描きました。

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