自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2019年9月24日火曜日

「エラテムー」



エラテムー

パラオのバベルダオブ島の西側に位置するガラスマオ(ガラツマオ)州に伝わる、翼を持った悪神。エラテムーは、いつもはガラツマオのはげ山に棲んでいるが、エラテムーは大きな翼で飛び回り、空から舞い降りて来ては、はげ山の近隣に住む人々を襲っては食い殺した。その為、この辺りの人々はエラテムーを恐れてはげ山から遠いホノレイという村まで逃げたが、一人の老婆が逃げ遅れた。取り残された老婆は洞窟に潜んで、芋を食べて生き延びていた。やがて老婆は二人の兄弟を産んだ。この兄弟は立派に育ち、自ら家を建てて、その家の屋根にマングローブの木の枝で罠を仕掛け、兄弟はこの家の中で火を焚いた。するとエラテムーがやって来て、この家の屋根の上に止まり、案の定エラテムーは兄弟の仕掛けた罠に掛かった。兄弟は罠に掛かったエラテムーが動けなくなったところを二人がかりでようやく殺し、エラテムーのヅルブクル(気嚢。鳥類が備えている呼吸器官。ヅブルクルとも?)を取って、この事の次第をホノレイに避難している人々に告げてくるように命じた。ホノレイの者がエラテムーのヅルブクルを拾って「お前は魚のヅルブクルか?」と聞いても、「お前は獣のヅルブクルか?」と聞いても、エラテムーのヅルブクルは答えない。最後に「お前は悪心のヅルブクルか?」と聞くと、エラテムーのヅルブクルは沈んで石になった。

出典:
神魔精妖名辞典
幻想動物の事典

作者ひとこと:
エラテムーのデザインは、鬼の様な頭と鳥の身体を持った姿に描きました。

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