自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2020年2月19日水曜日

「奥津日子神」



奥津日子神(オキツヒコノカミ)<奥津彦神(オキツヒコノカミ)、奥津彦命(オキツヒコノミコト)、奥津日子大神(オキツヒコノオオカミ)>

日本神話に登場する神で、奥津日子神は竃を司る神である。「古事記」では奥津日子神は対となる「奥津比売神(オキツヒメノカミ)」と共に、「大年神(オオトシノカミ)」と「天知迦流美豆比売(アメシルカルミズヒメ)」の二柱の神から生まれた子供の神であるとされる。また、古事記には奥津日子神と奥津比売神は「この神々は諸人に竃の神として拝される」と書かれている。竃は、古来より人間の生存に必要な食事を煮炊きする場所であり、また、その竃で煮炊きした食事で人間は命を繋ぐ事が出来たので、竃は神聖視され重要な場所とされてきた。その竃の神である奥津日子神と奥津比売神は、薪を燃やして煮炊きをする竃の火に宿る神霊であるとも考えられる。また奥津日子神と奥津比売神の神名に共通する「オキ」とは「熾火」の「熾」の意味である。昔は現代のように簡単に火を熾せる道具が無い為、竃の熾火を絶やさない様にする事は非常に重要だった。その熾火の意味を持つ神名を持った奥津日子神と奥津比売神は、竃を守護し、生活に必要な竃の中の熾火を保持し、また逆に強すぎる火は退け、火事を起こさない様にする火伏せの神でもあった。また別の説としては神名の「奥津」とは、竃が家の奥の場所にある事に由来するという説もある。また奥津日子神は奥津比売神と共に、神仏習合の際に、仏教で重要な「三宝(仏・法・僧)」を守護する神「三宝荒神」と習合した。

出典:
神魔精妖名辞典
「日本の神様」がよくわかる本(PHP文庫)
日本の神々完全ビジュアルガイド(KANZEN)

作者ひとこと:
奥津日子神のデザインは、顔と手だけの姿に描きました。竃の火に宿る神なので、人間の様な肉体では無く、火で出来た実体が無い様な姿をイメージしました。

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