自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2020年9月24日木曜日

「馬絆蛇」


馬絆蛇(バハンダ)<馬絆(バハン)、馬黄精(バオウセイ)、鉤蛇(コウダ)>

中国に伝わる幻獣の一種。馬絆蛇は、元の時代に四川省や雲南省周辺の河川に生息していたとされる龍の一種。この馬絆蛇は龍の中でも蛟竜の一種であるとされた。馬絆蛇は、蛇の様な体と、猫か鼠の様な頭部を持った姿をしているという。その頭の頭頂部には白い星状の斑点が一つあるという。馬絆蛇は巨大な怪物で、馬絆蛇が動く様は、まるで小屋が転がる様であったとさえ言われている。馬絆蛇は全身がヌルヌルしており、耐え難い程の血生臭い匂いを発していたという。その為、馬絆蛇が出現すると川や風が臭くなったという。馬絆蛇は大変凶暴で、馬絆蛇に出くわしてしまった者は人間を含め、皆、馬絆蛇に喰われてしまうという。なので、四川省や雲南省の人々は、この人間を襲い食べてしまう怪物を恐れていたという。また、馬絆蛇という名は、水辺や水際に繋がれている馬を襲う事から名付けられたとも言われている。馬絆蛇は別名「鉤蛇(コウダ)」とも呼ばれており、鉤蛇の名は、古代中国の地理書「山海経(センガイキョウ)」の中山経、晋代の郭璞(カクハク)の注釈にも見え、それによると「永昌郡に鉤蛇がいる。全長は数丈(一丈は約三メートル)、尾が分かれており、水中にいて、岸の上にいる人、牛、馬を川に引き込んで貪り食う。これまた馬絆蛇と呼ぶ。謂わく此の類なり」とある。

出典:
プロメテウス
Dragon Banquet~竜の宴~
よくわかる「世界のドラゴン」事典(廣済堂出版)
幻想世界の住人たちⅢ<中国編>(新紀元社)

作者ひとこと:
馬絆蛇のデザインは、額の辺りに星状の斑点がある猫に似た頭と、蛇の様な体を持った怪物の姿に描きました。

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