自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2023年7月28日金曜日

「闇龗神」


闇龗神(クラオカミノカミ)<闇淤加美神>

日本神話に登場する水の神。「古事記(こじき)」には「次に御刀(みはかし)の手上(たかみ)に集まれる血、手俣(たなまた)より漏(く)き出(い)で成れる神の名は、闇淤加美神。次に闇御津羽神(クラミツハノカミ)」とあり、「日本書紀(にほんしょき)」の一書(あるふみ)には「復(また)剣の頭(たかみ)より垂(しただ)る血、激越(そそ)きて神と為(な)る。号(なづ)けて闇龗と曰(まう)す。次に闇山祇(クラヤマツミ)。次に闇罔象(クラミツハ)」とある。どちらも「伊邪那岐命(イザナキノミコト)(伊弉諾尊)」が息子である「迦具土神(カグツチノカミ)(軻遇突智)」を斬った際、刀の柄から滴った血から誕生したところは一致している。「豊後風土記(ぶんごふどき)」直入郡(なおりのこおり)の条に「球覃郷(くたみのさと)。此の村に泉有り。同じき(景行)天皇、行幸(いでま)しし時、奉膳(かしはで)の人、御飲(みもひ)に擬(あ)てむとして、泉の水を汲ましむるに、虵龗(おかみ)有り。淤箇美(おかみ)と謂(い)ふ。茲(ここ)に、天皇、勅(みことのり)して云(の)りたまひしく、「必ず臰(くさ)く有らむ。な汲み用(もち)ゐしめそ」とのりたまひき。斯(こ)れに因(よ)りて、名を臰泉(くさいづみ)と曰(い)ひ、因りて名を為す。今、球覃郷と謂ふは、訛(よこなま)れるなり」とある。オカミは蛇身で、下級の水の神であり、主として沼や淵や泉などに棲むと考えられていた。「古事記」においては、女神のクラミツハと対になる男神であるらしい。

出典:
古事記注釈 第一巻(ちくま学芸文庫)
日本書紀 一(岩波文庫)
風土記 下 現代語訳付き(角川ソフィア文庫)

作者ひとこと:
闇龗神のデザインは、湿った水辺にいる生き物である、蛇、ナメクジ、蛙が合体した様な姿の龍神に描きました。

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