自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2023年5月24日水曜日

「アダム」


アダム

神が創り出した最初の男女にして、すべての人類の始祖。それが、「旧約聖書(きゅうやくせいしょ)」の冒頭「創世記(そうせいき)」に登場するアダムと「エバ(英語読みではイヴ)」だ。6日間に渡る天地創造ののち、神は自分の姿に似せて土の塵から人形を創ると、これに命を吹き込み、最初の人類である男性のアダムを誕生させる。そして、神はアダムを緑豊かな東のエデンの園に住まわせると、ここを耕し、守るよういいつける。食べ物が豊富で、たくさんの動物たちも暮らすエデンの園での生活は、アダムにとって一見なんの不自由もないものに思えたが、実はアダムにはひとつだけ大きな不満があった。それは自分と共に語り合い、助け合う仲間の存在である。しばらくは、一人で暮らしてきたアダムだが、やがて人間が自分しかいない事に寂しさを覚えるようになっていたのだ。そんなアダムの様子を見た神は、彼と語り合い、支えるための存在が必要だと考え、新たにアダムのあばら骨から2人目の人間、すなわち女性のエバを創り出す。こうしてアダムとエバは出会い、ここに、全ての人類の始祖となる男女が誕生したのである。神によって命を吹き込まれ、エデンの園で一緒に生活をすることとなったアダムとエバ。もし、何事もなければ、2人は永遠に楽園での幸せな暮らしを謳歌できたかもしれない。しかし、あるときエバは、邪悪な蛇の誘惑に負け、神から「決して口にしてはならない」と禁じられていた「善悪の知識の木の実」を食べ、さらにアダムにもこれを食べるよう勧めてしまう。こうして、禁断の実を食べた2人は、初めて自分たちが裸であることに気づき、急に恥ずかしくなってしまう。それまでは特に意識していなかったのに、禁断の実を食べたことで、「恥ずかしい」という知識を身につけてしまったのだ。2人はイチジクの葉で腰を隠すことにしたが、やがてこのことを知った神は、自分へ背いた罰として、2人を楽園から追放し、さらに労働の苦しみ、お産の苦しみ、死の定めといった因果を与えた。人類で初めて神に背いた2人の罪は「原罪」と呼ばれ、やがて地上の全ての人間に受け継がれていくこととなる。つまり、人間達が生きるうえで、多くの苦しみや悲しみを背負っているのは、すべてこの原罪ゆえであると、「聖書」は説いているのである。

出典:
聖書の人々 完全ビジュアルガイド(KANZEN)

作者ひとこと:
アダムのデザインは、木の実を持った裸体の男性の姿に描きました。

0 件のコメント:

コメントを投稿